鋼鉄の愛馬と魔法の書が君を四大陸へいざなう。
知らない場所、初めての街、さまざまな出会いが軌道の先にある。
シャレてる暇はない。さあ、出発の時間だ!
第0026号
2004.08.13-14

2004.08.13-14

・JRFの蒼き雷 〜篠ノ井線〜

 ←左
 松本方面から篠ノ井へ向かうブルーサンダーことEH200(4番機)。手前に月見草を絡めてみた。EH200の蒼と月見草の黄色がよくマッチしている。月見草の名は山野草カメラマンのおっちゃんが教えてくれた。
(西条駅付近にて 2004.08.13)

 ↑上
 先週は空腹と視程の悪さから断念した千曲盆地の夜景。日が暮れてすぐのまだ空に青さが残ってるうちに撮影した。なかなかきれいに撮れたが、カメラでは一部しか切り取れないので、この美しさはやはり実際に見に行ってもらうのが一番!
(姨捨公園にて 2004.08.13)

8/13(金) 八王子〜西条〜姨捨〜岡谷〜上諏訪〜姨捨

 某イベントの前日設営を手伝った帰りに、飛行機のプラモを塗装するための塗料を買いに立川へ寄った。この模型屋の隣になかなかマニアックな品揃えの本屋がある。ちょっと覗いただけなのだが、どういうわけか鉄道雑誌を2冊持っているではないか(万引きじゃありませんぉ) この手の雑誌を買ってしまうといろいろ行きたくなってしまうので買わないようにしていたのだが…。
 家に帰って雑誌をめくっているとJRFの新型機関車EH200の記事があった。運行表を見ると、先日姨捨に行ったときに見たEH200は臨時ではなく正規の運用で走っていたことがわかる。なるほどなるほど、貨物列車は普通の時刻表に乗ってないからこういうのがあると便利だなぁ。貨物列車というのは結構土日は走っていなかったりするので、本当に見たかったら平日でないとダメのようだ。よく八王子で1000頃見かける貨物列車も休日は走っていない。
 雑誌には篠ノ井線の撮影ポイントが詳しく書かれていて、篠ノ井線に行ったばかりで記憶の新しい筆者にはだいたい想像することができた。「おお、この前はここで撮ったけど、こっちの方がよさそうだなぁ」などと言っていると

やっぱり行きたくなる(笑)

てなわけで、平日に篠ノ井線に行かなくては!と思い立ち、急遽篠ノ井行きが決定する。
 決定したのは2130。出発7時間前のことであった(^^;

 旅の準備をして3時間ほどの睡眠を取り、例によって暗いうちから西八王子駅に出かけていく。前回は食料切れであえなくダウンしたため、予備としてカロリーメイトをいっぱい買い込んでいく。
 前回と同様に、下り始発列車よりも先に西八王子駅を通過していくEH200。

こいつが今日の獲物か(笑)

 前回書いたように、下りの始発列車は松本まで神接続をする。大月についたときに寝てしまっており、甲府行きの列車を危うく逃すところだった。一旦はドアが閉まったのだが、階段を駆け下りてきた筆者のためにまた開けてくれたのだ。車掌さんありがとう!
 しかし、駆け込み乗車は危険なのでよい子はまねしないように(^^;
 ここで全力疾走して完全に眠気が吹っ飛んでしまったので、景色を堪能しつつ西進。前回間違ったところを探していて見つからなかったクモハ123を塩尻駅で見つけた。すれ違いざまに車窓からパシャリ! 窓が開くってすばらしい(笑)
 松本で篠ノ井線に乗り換え、すぐの西条駅で下車。ここで今朝見たEH200を待つことにする。
 雑誌に載っていた撮影ポイントに行ってみると、確かによいのだが今ひとつ面白味に欠ける。これから来るEH200は単機で、貨物を牽いていないのでなおさらだ。というわけで、黄色い花を手前に入れて写せる場所に陣取った。撮影結果がトップの写真。今日は借りっぱなしのでかい望遠ズームを持ってきたので、手前の花がきれいにぼけてくれていい感じ♪
 などと言ってる暇は実はなく、慌てて荷物をたたんで駅に戻る。長野行きの列車まであまり時間がないのだ。
 わずかな待ち時間に、芙蓉(ふよう)の花を飛び回る花粉まみれのミツバチを観察する。芙蓉がホームの端にあったため、入線してきた電車を追いかけて走るハメに(^^; 今日は走ってばっかりだな…。

 今日の姨捨は視程もそれなりにあって、広大な盆地を見渡すことができた。来た甲斐があったという物だ。
 早速午後のEH200の上り列車にあわせて撮影ポイントへ。先客は一人だけ。有名な撮影ポイントということだったが、特にイベント列車でも走らない限りこんなものだろう。
 双眼鏡で長野方面から登ってくる列車を観察し、千曲盆地を背景に撮影。ガソリンタンクを山ほど牽いたEH200はとても力強い。高勾配用の車輌は伊達ではない。
 この後にEF64の重連が来るのだが、朝からはりきり過ぎのためにもう汗だくになっていた。とりあえずEH200は終わりで、ひとまず満足したので温泉に行くことにする。松本か長野で銭湯を探すという手もあったのだが、せっかく青春18切符で乗り放題なので、上諏訪まで温泉を求めることにした。時刻表をめくると丁度塩尻駅でクモハ123に接続する列車だったので、寄り道していくことにした。
 クモハ123は昔の荷物電車を改造した車輌で、もともとかなり数が少ない。JR東日本にはこの1番機のみ存在し、古きを捨ててどんどん新しい車輌に変えてしまうJR東日本にしては珍しく、こんなレア車輌を動態保存している。
 塩尻-辰野間はこのミニエコーことクモハ123がすべてまかなっていて、というか、まかなえるほど本数が少ない。慌てて乗って逆方向だと気づいた夫婦が「3時間に1本しかないのにどうやって折り返したらいいのか」と嘆いていた。ご愁傷様(^^; この夫婦は次の駅で降りたが、その後どうしただろうか…。
 このあたりの列車としては珍しく1両のワンマン運転なので、東京の長い列車に慣れた子供達が「小さい小さい!」とはしゃいでいる。さらにその後に続くのが「椅子がながーい!」という言葉だ。この列車は前後に扉があるのだが、その間がすべて1シートという超ロングシートになっているのだ。筆者も初めて乗ったときには

あまりの長さに度肝を抜かれた!

 でも長いからといって、シートに横になるのはやめよう。ましてやそのせいでお客さんが座れずに立っているなんてのは言語道断! ほんと、メーワクってのを考えようよ。こんなのがいるからよい「てつ」まで変な目で見られるんだよ…。
 迷惑なてつをのぞけば、田舎道をごとごと行くミニエコーの旅は楽しく、レア車輌ってことでなんとなく得した気分にもなれるので、よい回り道だった。ちょっと回り道過ぎだが、旅人は細かいことを気にしてはいけない(笑)
 上諏訪駅を降りてすぐ目についた観光案内所で片倉館なる日帰り温泉施設を教えてもらった。線路を越えて湖のそばの温泉街に行くとたくさんの温泉宿がある。これだけ温泉宿があるのに、案内所の人が何故有無をいわさず片倉館を紹介してくれたのか疑問に思いつつ、とりあえずいってみる。
 入り口で足が止まる。なにやら立派な洋風のお庭があり、入っていいものか躊躇したのだ。門に片倉館と書いてあるのを再度確認し、おっかなびっくり入っていくと、これまた古風な洋館が建っていた。

本当に温泉なのか?

 何か違う物を紹介されてしまったのではないかと思ったが、入り口には確かに温泉と書いてある。案内板を見てみると、この地で財をなした片倉財閥が文化交流と娯楽を目的とした施設として建設した物だそうな。諏訪市の文化財に指定されており、それで案内所がここを薦めたのかもしれない。
 入浴料は400円。クツロッカーは100円返却式、コインロッカーは50円。

安いのはいいが50円玉なんてそうそう持ってないよ(^^;

 風呂は広く、一番深いところは腰まである。下には玉砂利が敷いてあり、足踏みするとなかなかに気持ちよい♪ シャンプーも石けんも完備されており、サウナはないもののポイントは高し。休憩所は600円で一日いてもよいらしいので、ゆっくりするにはいいところかもしれない。
 汗を流してすっきり。…ただ、一気に疲れが出てしまいだるい(^^;

 時刻表も見ないでうだうだとしてたら長野行きの列車を逃す。これで次の篠ノ井線まで軽く1時間以上待たなければならない。すでに目的を達成しているので、慌てず騒がず飯にすることに。駅の周りにこれといった食べ物屋がなかったので、駅のロビーに売りに来ていたおぎの屋の峠の釜飯をいただく。こんなところにまで売りに来てるとはご苦労なことだ。やっぱり碓氷峠に鉄道がなくなって大変なのかなぁ? やっぱり釜飯はおぎの屋じゃないと釜飯って感じがしないので、これからも頑張って欲しい。

 そんなわけで、姨捨に再び戻ってきたときには1900を回っていた。まさに夜のとばりが落ちようかという瞬間で、ブルートレイン色の濃い青い空を写真に納めるために、慌てて姨捨公園に走る。のんびりなんだか、急いでるんだか、なにかと忙しい日だ(^^;
 今回のもう一つの目的だった姨捨の美しい夜景もゲッツ!
 その後も三脚が大活躍の鉄道夜景につぎつぎにチャレンジし、回送されてきたNO.DO.KAにも出会えてかなり満足できた。
 野宿ポイントは駅からすぐの姨捨公園。無人駅なので駅舎でもいいのだが、せっかくの夜景と星空があるのでこっちの方がよいだろう。一応屋根もトイレも完備だ。
 夜景と星空を眺めつつ、すっかり疲れ果てたので一眠り…。

さみーし…(^^;

 夏だから平気だと思ったのだが、長野の夜を甘く見てはいけないようだ。Tシャツを2重に着て、タオルを毛布代わりにして何とか眠る。それでも寒くてだいたい1〜1.5時間で起きてしまう。でも、計算通り真夜中だ。まだ本当に寝るわけにはいかないわけがあった。
 寒さ対策として買い込んだカロリーメイトを食べつつ、星を撮影。久しぶりに天の川を見ることができた。…写真には写らなかったが(^^;
 今回星を撮影してて初めて夜露というものに遭遇した。星撮影の解説では必ず書いてある夜露対策だが、いままで家の傍でしか撮影していなかったのでそんな事態にはならなかったのだが、確かにこれは困りものだ。なんかピントが合わないなぁと思ったらレンズが夜露で曇ってしまっているのだ。なるほど、これなら確かに懐炉かいるかもしれない…。
 夜露のせいで何を撮っているのかわからない状態なので、星の撮影は諦め、ベンチに仰向けになりぼーっと北の空を見上げる。すでにピークは昨日過ぎてしまったが、ペルセウス座流星群が見えるはずだ。筆者はあまりじっと待つということが好きではないのだが、流星ばっかりはデジカメではなかなか捉えることはできないし、その前に夜露でどうしようもない。途中寝てしまったりというのもあったのだが、かなり明るくて長い物や、爆散してしばらく残像が残るなんて派手なやつを見ることができた。合計だいたい60分で10個ぐらいしか見ることはできなかったが、目の悪い筆者でこれだけ見れるということは、相当数流れたんじゃないだろうか。
 とにかく、朝から晩までおよそ20時間、やることのつきない忙しくも充実した一日だった。


 塩尻駅に停車中に運良く出会えたミニエコーことクモハ123-1。JR東日本が珍しくも動態保存しているレア車輌(笑) 行き先表示を見ればやっぱり塩尻-辰野間となっている。姨捨から温泉&腹ごしらえに上諏訪まで出るときに、ちょっと遠回りして乗車してみた。ちょ〜〜〜〜長いシートがすごい(笑)
(塩尻駅にて 2004.08.13)

 「今日もいい眺めだな」 車掌も納得の眺望。地形的に本当にクリアーな状態は希だろうから、このぐらいなら綺麗に見える方じゃないかと。リベンジした甲斐があったというものだ♪
(姨捨駅にて 2004.08.13)

 姨捨盆地を尻目にぐいぐいと坂を登っていくEH200(2番機)。ちなみにEHのEは電気、Hは国鉄式の動輪数え方で動輪8軸の意味。D51のDが動輪4軸なのと同じだ。1両に動輪4軸で2両で8軸なのだが、正確には2両ではなくて1両が長いので間に連結器を入れたというイメージ。両者をつなぐ連結器はボルトとナットで固定されている! どちらも同じ車両番号になっているのが1両である証拠だ。
(姨捨駅付近にて 2004.08.13)

 E351系特急あずさの窓に映る午後の上諏訪駅。諏訪湖花火大会を二日後にひかえ、駅も街も盛り上がっていた。
(上諏訪駅にて 2004.08.13)

 ↑上
 ジョイフルトレイン、485系カーペット電車 NO.DO.KA。カーペットにちゃぶ台並べて宴会できる車輌。8/12-14まで小淵沢-白馬間をNO.DO.KA高原号として運転しており、長野で寝るために回送されるところを姨捨でGETできた。ちなみに朝は0500前に回送されていくところを目撃した。大変ですな(^^;(<それを見てる方もな)
 写真は合成写真で、長時間露光すると白飛びしてしまうヘッドマーク部を別に撮影し、後でうまいことでっち上げた。
(姨捨駅にて 2004.08.13)

 →右
 貨物なし運転のEF64重連と空に輝く7つ星。どの辺がEF64かというと、ライトの光芒の最後の部分にライトのひさしが写っているところ(笑) 星にあわせて露光時間を決めたのでライトまぶしすぎ(^^; 北斗七星は画像処理でちょっと目立つようにいじってある。
(姨捨駅付近にて 2004.08.13)

8/14(金) 姨捨〜聖高原〜高尾〜八王子

 寒さで目覚めると0330。昨日から合計で3時間も寝てないな…。
 まだ早いかなぁと思ったが、空を見上げると金星がこれでもかというぐらい明るく輝いていた。ほそーい月も出てるし、こりゃ寝てる場合じゃないということで撮影開始。夜露がつかないうちに手早く撮影するコツをつかみ、すばるやらを撮影。すばるは最初、雲かなんかかと思ったのだが、双眼鏡で見てみたらすばるじゃないですか(笑) 夏にすばるが見られるとは思わなかった。しかも、空がクリアなので暗い星までよく見える。いいもんが見られたなぁ♪
 その調子で金星&オリオン座を狙ってみたのだが、オリオンが登ってくる頃には星々が随分と減ってしまっていた。見た目ではわからないがだいぶ明るくなってきたようだ。試しに夜景を長時間露光で撮影してみると、空は青く写った。もう日の出が近いらしい。
 ここから日の出まではドラマチックに空の様子が変化する。夜の黒からブルートレインの深い青へと変わる空。朝焼けに真っ赤に染まる雲。夢中で撮影し、気づいたら朝になっていた。
 そして、気づかないふりをしていたが、お通じの方がもう限界!(笑)
 公園の便所には当たり前のように紙がない! 急いで公園を撤収し駅のトイレへ。こっちも紙がないような気がしてならないのだが、一縷の望みをかける。

トイレットペーパーのホルダーすらないよ!

 もう我慢するしかないのか…。始発まであと1.5h。仮にそれに乗ったとしても紙のありそうなトイレまで0.5h。でもそうしたら撮影できないし。いろいろなものを天秤にかけるが、どうにも釣り合いそうもない。
 うー、いつものカバンにならトイレ用の水に溶けるティッシュが入ってるのに…。今回は本気レンズを持ってくるために、大きめのリュックに変えてきてしまっていたのだ。何か拭く紙さえあれば…、こんなことなら昨日の電車のなかにあったマンガを持ってくればよかった。そう思ったとき、自分がそれに相当する物をすでに持っていることに気がついた!

時刻表!(爆)

 使わないページはたくさんあるし、紙も薄手で大きさも丁度よさそうだし、ちょっと水には溶けないかもしれないけど背に腹は代えられないし。というわけで、実践(笑)

かなり良質な拭き心地
(ただし、一度くしゃくしゃに丸めて柔らかくすること)

 
 いやー、時刻表の新たな機能を発見してしまったなぁ…(^^;
 水には溶けないかもしれないんで、姨捨のくみ取り屋さんごめんなさい。
 ピンチを脱すると急に眠くなってきた。始発にはまだ早かったので、駅舎で1時間ほど仮眠する。先ほど大活躍した時刻表をいつものように枕に使用する。ホント、いろいろ便利なやつだ(笑)

 0600再起床。太陽はすっかり昇っており、強い夏の日差しが駅舎の中にまで差し込んでいる。せわしなく飛び回っているつばめは、どうやら姨捨駅舎卒業組のようだ。つばめの声を聞きながら洗面&歯磨き。誰もいない早朝の駅で、タオルを首に掛け、腰に手を当てて歯を磨くのが何とも言えず気持ちがいい(笑)

こんな時間に駅にいられるのが野宿のよいところ♪

 夜にも撮影するし、朝も早くから撮影するから宿代がもったいないっていうのもあるけど、やっぱりこのすがすがしさは野宿でしか味わえない気がする。
 サッパリしたところで始発列車の撮影をするべくポイント探し。雑誌に載っていたポイントは筆者的には今ひとつだったので、やっぱり自分で探すことに。うろうろしていると始発前なのに踏切が鳴り、臨時列車の回送がやってくる。筆者はいつもカメラを手に持ったまましまわないのでこういう事態にも適応できる。踏切まで走ってゲッツ! 国鉄色の381系パノラマ車輌付きだ。うんうん、早起きは三文の得♪ この列車も昨日のNO.DO.KAも、後で見てみたら例の雑誌にちゃんと書いてあったわけだが(回送の時刻まで載っている!)、まあこういう偶然の出会いの方がうれしさ倍増でよい。
 光線の具合から、どうもいいポイントがないので、始発列車で移動することにした。朝の一番列車はどういうことかー!というぐらい長い6両編成。駅舎と一緒におさめようと待ちかまえていたら、ぜんぜん入り切らなくてホーム端まで走ることに…。今日も走る一日になりそうだ(^^;
 二つ松本側の聖高原で下車。と、そこにすでに目的のEH200が長い貨物を従えて入線しているではないか! 予想より早い。とりえあず駅にいる状態でいっぱい撮影。今のところ一番番号の大きい5番機だ。これであと見たことないのは3番機だけかな。
 筆者の乗ってきた列車が行っても発車する気配がないので、まだ列車を待っていそうだ。雑誌に載っていた気になる撮影ポイント「宮本踏切」へと急いで向かう。
 が、やっぱりそんなに長い間待っていてくれるはずもなく、始発に続く快速の上限線をやり過ごしたら発車してしまい、撮影ポイントまで行くことはできなかった。まあ、そうだと思ったけどね。
 目的の列車は行ってしまったが、とりあえず撮影ポイントまでは行ってみることにし、迷いつつも到着。その名も宮本踏切。

何となく親近感が(笑)

 この撮影ポイント、写真の構図とかの前に、周りの田んぼにめちゃめちゃカエルがいて、列車そっちのけでカエルを撮影してしまった(^^; 構図は普通。筆者は一般的な鉄道写真の構図はいまいち面白味に欠けるので、いつも変な構図を心がけている。こういった雑誌に載ってるポイントは参考にはなるものの、やっぱりイマイチっぽい。
 まあ、普通に撮れるのと、篠ノ井線とは思えないほどの、移動する間も与えてくれない頻度で列車がやってくるので、そこで撮影した。途中から曇ってきてしまったので撮影終了。
 あれだけ迷ったのに、性懲りもなく行きとは異なるルートで駅に向かってみる。
 バス停やら標識やらにも宮本と書いてあったので、この辺の地名らしい。でもやっぱりバス停にでっかく「宮本」と書いてあるのは妙な気分になる。証拠写真としてバス停をアップで撮影していたら、後ろからおっちゃんに声をかけられる。
 見ればおっちゃんはカメラを首からさげ、リュックに三脚袋という筆者のような格好。ここであったのも何かの縁ということで、一緒に駅まで行きましょうというので道連れになった。
 話を聞くと日本全国を山野草の写真を撮りながら回っているらしい。春と秋は山形の横堀というところの温泉宿にひと月ぐらい長期滞在して山のガイドをしつつ写真を撮っているそうな。テレビの取材とかで山を案内することもあるというので、もしかしたら有名な人なのかもしれん。昨日写真に絡めたけど名前のわからない黄色い花の名前を聞くと、月見草だと教えてくれた。
 駅に着くと、道連れのお礼にとジュースを一本おごってもらった。恐縮しまくり。
 10時までに松本に行くっていうのでてっきり筆者と同じ列車で松本に向かうもんだと思っていたら、ここでお別れ。実はこれ、ものすごい勘違いが生じており、おっちゃんは夜の10時までに松本まで歩いていくということを言っていたらしい…。筆者は「歩きですか?」と問われ、車ではないから列車と徒歩という意味で「そうです」と答えたのだが、このおっちゃんは

全行程徒歩

 の意味だったのではなかったろうか…。うーん、嘘ついたわけじゃないんだが、なんか悪いことしちゃったかな?
 っていうか、こっから松本までって、営業キロで31km以上あるよ…。60を超えてなおもすさまじき健脚なり。さすが山のガイドをしているだけのことはある。

 松本に向かう途中、昨日撮影した貨物なしのEH200と入れ違った。今日は901号機のようだ。いきなり901というすごい数字になっているが、実はこれが一番最初の試験機で、いわば0号機。すべてのEH200はこの901号機から始まっているのだ。もし晴れていたら撮影したかったなぁ。
 松本からは高尾行きで一気に帰る。まだ午前中に帰路につくのには理由がある。この日は東京湾花火大会にあわせて高尾から臨時のお台場花火号が運転されるので、それにあわせて戻るのである。

 途中、かなり寝こけながら、一瞬で高尾に到着(^^; 尻が痛くなった。
 臨時の列車はあずさ色の183系。数人が撮影に来ていた。あいにく逆光となるため、高尾に回送されてくるところが一番まともに写っていた。とりあえず臨時列車を押さえたと言うことでよしとしよう。

 まさに家に帰るまでがたびてつだった今回の旅はこうして終わった。
 最近、以前にも増して旅の目的が鉄道となってきていて、

「たびてつ」 ではなく 「てつたび」 になりそうだ(^^;

 まあ、前から城とか博物館とかなんだから、趣味という意味では変わってないな(笑)


 ↑上
 夜明け前に輝くすばる。本来は冬の星だが、夏でも夜明け前のちょっとの間だけ見ることができる。八王子では見えない暗い星まできっちりと見えて、にぎやかで楽しい♪
(姨捨公園にて 2004.08.14)

 →右
 朝焼けの中で輝く、月齢27日のほそーい月と、来週西方最大離隔を迎える高く登った金星。薄雲に入ってしまったのと、朝露でレンズが曇ってきたのとで金星がぼやけて大きく見えている。山の朝はとても幻想的。
(姨捨公園にて 2004.08.14)

 ↑上
 パノラマグリーン車(写真の車輌)を連結した381系国鉄色編成。お盆の臨時便、特急しなのとして走るために回送されていくところ。撮影ポイントを探してうろうろしていたら突然踏切が鳴り、反射的に撮影した(笑)
 手前の「危険」がかっこよくて気に入っている(笑)
(姨捨駅付近にて 2004.08.14)

 →右
 115系を撮ろうと思ってファインダーを覗くと青空がきれいで、もっと空を入れよう入れようとズームを広角側に回していったらこうなった(笑)
 一応115系入ってます(^^;
(聖高原駅付近にて 2004.08.14)

 それにしても

また一段と画像処理が上手になった(笑)


2004.08.15記