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鋼鉄の愛馬と魔法の書が君を四大陸へいざなう。 知らない場所、初めての街、さまざまな出会いが軌道の先にある。 シャレてる暇はない。さあ、出発の時間だ! |
第0024号 2004.07.24 |
![]() バックで駅を出て行く篠ノ井線信州色115系。 松本方面から来た列車は前進で姨捨駅に入線し、運転手と車掌が窓から顔を出して安全確保をしつつバックで出て行く。スイッチバックの後、長野方面へと下っていく。 (姨捨駅にて 2004.07.24) |
![]() (姨捨駅にて 2004.07.24) |
7/24(土) 八王子〜姨捨〜八王子
今年も青春18切符の夏がやって来た。八王子みなみ野駅で青春18切符を購入したら駅員に「今年もこの季節が来ましたね」といわれる。む? 「てつ」として認知されてる!?
いい歳したオヤジがカメラ持ったまま青春18切符を買うと自動的にてつとして識別するプログラムなんだろうけど(^^; 先週の海の日の3連休に使えないってのが困るよね、などと世間話をしてしまった(笑)
次の日、中央線の下り始発列車で一路姨捨(おばすて)を目指す。姨捨には国鉄時代に日本三大車窓に選ばれたすばらしい景色と、今となっては貴重なスイッチバックがある。松本と長野を結ぶ篠ノ井線の駅だ。
時刻表を見るとさすがは中央線といおうか、列車の本数的にはかなり充実しており、普通に乗り継いでいけば5時間ぐらいで姨捨に行くことができる。ただ、どうしても乗り換えが多くなってしまいタイムロスがでてくるし、なによりもめんどくさい(^^; この始発列車に乗ると、高尾で大月行、大月で甲府行、甲府で松本行にそれぞれ4分という神接続をするので0831には松本に着いてしまう。篠ノ井線もすぐに来るので姨捨着も0941である。ぎりぎり朝の風景が撮れるこの時間に、目的地に着けるというのはかなり嬉しい。篠ノ井線は十分に日帰り撮影コースになりうる。
ちなみに八王子から松本まで一気に行ってしまうという気合いの入った列車が日に何本かあり、これを利用するってのも手だ。朝と夕方なので実質上朝の八王子0631-1017松本を利用することになる。残念ながら帰りは高尾止まりまでで八王子まで行くのはない。まあ、高尾-松本直通も日に何本かあるので、往復共にこれを利用するようにスケジュールを組むのがいいだろう。3.5時間座りっぱなしになるのが疲れるといえば疲れるがそんなことを言っていては青春18切符は使いこなせないぞ!
片道3k超で軽く青春18切符の元を取って姨捨に到着。
今日はものすごく視程が悪く、まるで霧の中にいるかのようだ。2km先はもう霞んでしまっており、日本三大車窓と謳われた風景も台無しだ(T_T) 昔は見えたというJRの9つの駅とかの前に、地面と空の境目がわからない…(^^;
ホームから写真を撮っていたら、地元のおじいさんに「東京にはこんな景色はないだろう!」と自慢される(笑) この眺望を誇りに思っているのだろうなぁ。今度はぜひ視程のいいときに来たいものだ。
今日の目的はこの風景とスイッチバックなのだが、この様子では風景の方は無理なようだ。今となっては数の少なくなったスイッチバックの駅の撮影に専念することにする。
列車は上り下りがそれぞれ1時間に1本ぐらいの頻度でやってくるし、特急もそれぐらいある。残念ながら技術の進歩により車輌のパワーが増したため、現在ではスイッチバックせずにこの峠を越えることができるようになっている。しかし、姨捨駅に停車する普通列車は、駅の構造上否応なしにスイッチバックすることになる。この構造のおかげで、姨捨は今もスイッチバックがある駅となっているのである。そういうわけで姨捨に停車しない快速や特急列車はスイッチバックしないであっさりと通り過ぎていってしまう(^^;
どう撮ればスイッチバックの駅というのが伝わるのかを試行錯誤しつつ撮影。
駅のすぐ傍にある姨捨公園には列車を俯瞰撮影することができるポイントがあり、スイッチバックではないが筆者としては珍しい俯瞰撮影も試みた。
日本三大車窓にスイッチバック、さらに俯瞰撮影もできる。夜には夜景と星空、テールランプを流した列車の夜間撮影なんてのもいいかもしれない。姨捨は一日遊べるところだ。
筆者もぬかりなく、夜間の撮影には欠かせない三脚を持参している。が、あまりに暑い!
三脚を持ってきていながら帽子を忘れてしまい、炎天下で撮影していたらだんだんくらくらしてきた…。
昼を過ぎて一通り昼間の撮影は一段落したところで、風呂と食料の買い出しのために一旦松本まで降りることにした。
駅に自販機があるので飲料には事欠かないのだが、いかんせん食料の方が確保できないのだ。来るときにあまりに神接続だったため、かろうじて松本駅で買ったます寿司のおにぎりも、すでに昼ご飯に胃の中に収まってしまっていた。
姨捨からだと長野の方が近いのだが、あえて松本まで戻ることにした理由は、あわよくば超レア車輌のクモハ123を撮影できないかと思ったからだ。以前急行アルプスで松本によく来ていた頃は、朝一番にこの車輌を目撃していたのだが、せっかくデジタル一眼を買ったのだからこいつを撮影しておこうと思ったのだ。
姨捨からの眺望は日本三大車窓のひとつに数えられる。駅からは電線が目に入って風情がないので、これは駅の側の姨捨公園からの景色。棚田に映る月とかがきれいらしいのだが、今となっては街になってしまい見れそうもない。国鉄時代は9つの駅が眺望できたという話だが、今日の視程の悪さを差し引いてもとても見れるとは思えない。双眼鏡あっても厳しいだろうなぁ。
しかし、それでもやはり日本三大車窓は伊達ではなく、とても雄大な景色。駅で写真撮ってたら地元のおじいさんに「東京にはないだろう!」と自慢されるほど(笑)
これで日本三大車窓のうち2つを見たので3つめも見ようと思って調べてみたら、北海道の狩勝峠だという。が、これは根室本線に新線ができてもうなくなってしまったらしい。…国鉄時代がどんどん遠くなっていくなぁ。
(姨捨駅にて 2004.07.24)
松本駅についてクモハ123を探すが、そうそううまい具合には出会えなかった。
実は事前に調べていなかったのでこの時は気づかなかったのだが、後で調べてみたらクモハ123が松本に来るのは車庫に出入りする朝と晩のみで、昼間は塩尻-辰野を往復していたのだ。なるほど、早朝でしか見たことないと思ったらそういうことだったのか…(^^;
そうとは知らずクモハ123をさがしてホームをうろちょろする。当然来るわけはなく、暑さも加わってだんだん疲れてくる。
諦めて風呂と食料の買い出しにいくか…。そう思ったとき、ホームに高尾行きの115系が停まっているのが目に入る。これに乗ったら一気に高尾だぜ!?
心の中でもう一人の自分がささやく。
こう視程が悪くちゃ星も夜景も期待できないし、スイッチバックはとりあえず一通り撮ったし、往復すれば青春18切符の元取りまくりだし、またこの前みたいに熱中症で倒れちゃもともこもないし、始発で来れば日帰りも楽勝なんだからまた来ればいいし…。
こういうときだけ頭の回転が速くなってもっともらしい言い訳がたくさん浮かんでくる(笑)そうだよな〜、また来ればいいよな〜
あっさりと納得して高尾行きに乗り込む。いやー、涼しいねぇ♪
一眠りして起きたらもう勝沼だった(^^; こりゃラクチンだ…。
というわけで、また近いうちに視程のいいときにリベンジすることを誓って、今回の旅は日帰りで終了してしまったのだった(^^;