鋼鉄の愛馬と魔法の書が君を四大陸へいざなう。
知らない場所、初めての街、さまざまな出会いが軌道の先にある。
シャレてる暇はない。さあ、出発の時間だ!
第0019号
2003.03.01-03.05

2003.03.01-03.05

・北の大陸 〜釧網線・根室本線・留萌線〜


 釧網線を走るSL冬の湿原号。C11 171。標茶から釧路までの往路はバック運転となるため、見慣れない絵となった。バックということで、残念がっていた人達も多かったが、JR東日本では見られないので、筆者的にはおもしろかった。
 なお、このC11 171は春にはSLすずらん号として留萌線を走っている。機会があれば乗ってみたい。
(塘路(とうろ)駅にて 2003.03.03)

 留萌線の終着駅、増毛で折り返しを待つキハ54 529。手前に写っているのは車両止めの標識。増毛まで来るのは一日6往復のみ。しかも午前中は0730の一本だけと、かなりのローカルぶりだ。しかし、留萌より増毛側は日本海沿いを行き、景色ががらりと変わるので是非ともご覧あれ。
 レールが他にないので、SLすずらん号はバックで戻るのか?
(増毛駅にて 2003.03.04)

3/01(土) 新横浜〜羽田空港〜福岡空港〜名古屋空港〜新千歳空港〜札幌〜網走

 今日は先月に引き続き、ANAの一日乗り放題で飛行機乗り放題の旅である。これまた先月に引き続き、単に空港を巡るだけで、旅いっていいものかどうか。先月のはたびてつ番外編としてお届けしたが、今回のは紛れもなくたびてつである。何故なら、羽田に飛んだみんなと別れ、筆者はただ一人北海道に残り、たびてつに挑んだのだ。
 本来ならたびてつという事で、飛行機乗り放題については書かなくても良いのだが、いろいろトラブルに巻き込まれたので、飛行機乗り放題もまとめてこの日記につづる。

 0300起床。例によって旅の準備を始める。デジカメの電池だけはあらかじめ充電してある。飛行機乗り放題の旅だけなら荷物は何も必要ないのだが、そのまま北海道旅行に突入した場合を考えて荷造りを行う。この時点ではまだ北海道を旅するかどうか決めかねていたのだ。
 最低限の着替えと防寒アイテム、そして何よりも大事な時刻表をバッグに詰め込む。旅の時にはカバンはひとつにまとめるのが基本だが、特に飛行機乗り放題についてはすべて機内に持ち込む必要があるため、より重要となる。飛行機に乗るので、いつも持ち歩いているドライバーセットと缶切りを取り出す。

工具がないと落ち着かないのは技術系のサガなのか…(^^;

 羽田発0725の便なのだが、羽田空港に0600集合と言われたので、風呂にお湯を溜めつつ行き方を検討する。いつも利用している京急だと羽田空港直通便がなく、蒲田で乗り換える必要がある。しかも時間はぎりぎりだ。そこで新横浜から出ているリムジンバスを調べてみた。ちなみに、こういう空港までの交通機関も時刻表に載っている。時刻表はとっても便利なのだ♪
 リムジンバスの始発が0520、所要時間は40分ということで、道路事情がノーマルであるならば問題はなさそうだ。バスという交通機関は道路状況によってダイヤが乱れるので、普段は利用を避けているのだが、この際仕方あるまい。こんな早朝ならば渋滞はしていないだろうし。
 早い時間だったが、結構利用客は多い。いままで敬遠していたが、乗換なしで行けるというのは便利かもしれない。バスに乗った旨をメールで連絡し、

さっそく寝る構え(笑)

 目が覚めるともう空港だった。空港のすぐ脇の道路からは、ジェット機がよく見える。こうしてみると予想以上に大きい。これが大気中を秒速300mぐらいで飛ぶってんだからなぁ。
 空港で山崎、阿瀬見と合流。そしてニロとも合流。前回一緒に乗り放題をしたニロだが、今回は別行動。だが、もちろん羽田にいると言う事は、ニロも乗り放題利用者ではあるのだが。ニロは夕方、某嬢のコンサートに出かけるそうな。山口宇部空港を往復した後、大島を往復するという計画だ。便数としてはこちらと同じだ。こちらは羽田→福岡→名古屋→新千歳→羽田というルートで4便。
 今回はあらかじめ座席を決めてしまっているので、席は選べない。山崎曰く、混んでて選ぶ余地がなかったとの事。列車の自由席に乗り慣れている筆者には、全席予約ってのは非常に使いにくい。先のダイヤ改正で、はやて・こまちが全席指定になってしまい、ぶらりと東北に出かける事ができなくなってしまった。計画性のない筆者には迷惑な話である。
 今回の航空機の予約は山崎がみんなやってくれた。

元旦からごくろうさま♪

 そう、3/1の2ヶ月前は元旦なのである。意外と山崎も航空機好き? ちなみに筆者と阿瀬見は、山崎に任せっきり過ぎて、前日に航空機のチケットを確認するまでどこにいくのか知らなかった(^^; すまん…。
 さくさくとゲートの金属探知器を鳴らして搭乗口へ(笑) ベルトのバックルが反応しているのは知っていたのだが、いちいちベルトをはずすぐらいならボディチェックをしてもらった方が早い。が、上着のポケットでも何かが反応している。おかしいな、鳴るようなものは入っていないはずなのだが…。

なんと鳴っていたのはガムの銀紙

 こんなものでも反応するのか、っていうか、この銀紙って金属だったのか!(笑)
 ああ、そう言えばビバリーヒルズコップで、窓の防犯装置に挟んで通電させてたなぁ。

 朝飯にカツサンドをパクついているところに、わたりさん登場。筆者、山崎、阿瀬見、わたりさん、これが今回のメンツだ。なんかあまり脈絡のないメンツだな(^^; 「なんかおもしろそうだから」ってんで集まってしまうのが、この変のメンツの楽しいところ♪ 航空機マニアはニロだけなんだけどなぁ(^^;
 機内に案内されるが、なんか様子がおかしい。そこにアナウンスが入る。

管制コンピュータのトラブルによりダイヤが遅れております

 なに〜! 羽田の管制センターが逝ってしまったらしい。とりあえず今上空にいるヤツを下ろしてるのかなぁ、なんて思って待っていたのだが、いつになっても復旧しない。徐々に情報が届いてくると、どうも羽田だけではなく、国内全てのフライトに影響が出ているとのこと。どうも所沢にあるらしい本拠地でダウンしてしまっているようだ。現在は手動で作業をしているとのことで、なんとか飛ばそうという構えだ。アナウンスは「もう大丈夫です」みたいな雰囲気を醸し出していたのだが、素人はだまされてもうちら技術屋はだまされない。軽微なトラブルであれば、すぐにコンピュータを復旧させるはずである。手動に切り替えたと言う事は、コンピュータがおかしくなった原因がわからず、すぐに直せない状況にある事を意味しているのだ。
 今頃、非番の管制官らが呼び出されてるのだろう。「あ〜あ、かわいそうに…(笑)」他人事だから笑えるが、管制センターが修羅場とかしているだろうことは想像に難くなかった。
 幸か不幸かこの便はB777-300で、まだ搭乗口から離れていない機内のモニターにはNHKの朝のニュースが流れていた。情報としてはNHKの方が機内アナウンスよりも早い(^^; 羽田の中継映像が流れると、滑走路に離陸待ちの飛行機がずらりと列を成している。なかなか見られない光景である。飛行機に乗り込む前だったなら、デッキから写真を撮りたかった。
 暇なのでこの状況を伝言板に書き込もうとカシオペアで通信を始めると、客室乗務員に怒られる。

どうせまだ飛ばないくせに…

 だいぶ呼び出しがかかったのか、それとも手動に慣れてきたのか、飛行機の離発着が少しずつ進んでいるようだ。安心させるためか、何度目かの機内アナウンス。「ただいま10分間隔で離陸を行っております。しかし、当機の順番は十数番目なので、離陸まで約1時間ほどかかります」

おーい、計算合わないぞー(笑)

 ちらほらカルシウムの足りない乗客が客室乗務員に怒りをぶつけて機を降りていく中、さすがに「あと2時間かかります」とは言えなかったのだろう。客商売って大変だなぁ…。
 ちっとも動き出さないが、長期戦を見越していた筆者らはトラブルを勝手に予想したりして、突然のトラブルを楽しんでいた。そりゃそうだ、筆者らは乗り放題で飛行機に乗るという目的以外に、目的を持っていない。到着が遅れようが、到着した先に約束があったりはしないのだ(^^; 今のところ欠航する便はないという事なので、時間は遅くなっても一通り乗れるはずだった。明日は日曜日なので、最悪札幌から帰れなかったとしても、それはそれで楽しいかも知れない。全日空ホテルに泊めて欲しいなどと勝手な事を言っていた(笑)

ただ飛行機に乗るだけの、乗り放題の人は降りてください!

 なんて言われても反論できない筆者らなのに…(^^;
 よりによって乗り放題の日にこんな事故が起こるとは、ANAもアンラッキーだな。ちなみに、このとき、わたりさんが提唱した「プログラムがうるう年と勘違いして、2/29になっちゃってる」説は、なにげにありうると思った(笑)
 実際には先日入れ替えたか追加したかのプログラムの一部の誤作動が問題だった模様。航空機の数を数えだしたらシステムがダウンしてしまったとのことだった。ある一定時間ごとかなにかに、航空機の数を数えるらしいのだが、動作チェックの時、数えるところまで見なかったらしい。きっとそんなところをチェックする必要もない、簡単なプログラムかなにかだったのだろう。まあついてない時ってのはそういうもんなんだよなぁ。
 運輸系だからきっと日立だな、などと言って日立系社員の山崎をいじめて遊んだ(笑) でも実際はNECの仕業だったようだ。
 2時間ほどして、ようやく搭乗口から離れる順番になった。この先もまだ順番待ちがあるので、降りるなら今が最後のチャンスだというアナウンスを聞いて、数人が降りる。降りるなら2時間前に降りればいいのに…。いまさらどんなリカバリーができるというのだろう? 見極めが甘すぎるね。
 2.5時間ほど遅れての離陸。トラブルで集まった並み居る報道陣の前で、離陸失敗して大ニュースとなる、なんてことはなく、あっさり離陸してしまう。

機長、あなたはそれでも芸人ですか!?

 …いや、芸人じゃないか。
 巡航に入ると時刻表を取り出す。

福岡行きの飛行機の中で北海道の旅程を考える(笑)

 なにか間違っている…(^^;
 もうこの時にはすっかり北海道を旅する事に決めていた。兎にも角にも新千歳空港までは行ってもらわないと困るな。
 随分と遅れたが、なんとか福岡に到着。テレビモニタのある機体だと、ジェットでGOっぽく最終アプローチを見る事ができるので楽しい。ただ、どうもパイロットがまじめすぎるのか、サービス精神が足りない。たまにはタッチアンドゴーとか、胴体着陸とかして観客をわかせて欲しいものだ。
 福岡空港でもこれでもか!っていうぐらい混乱しており、これから乗る名古屋行きの飛行機も順当に遅れていた。定刻1155ののANA230便は1335となっていた。今回は隣のターミナルビルに行かなくてもいいらしい。まだまだ時間に余裕があったので、お昼ご飯を食べる事にした。ビールで乾杯し、博多ラーメンをいただく。そして本能に忠実に従って、だらだらと飲めそうな店へ(笑) 飛行場限定の地ビールがある店に飛び込む。

地ビールの名は 飛酵醸(ひこうじょう)!

 すごいネーミングセンスだ! ピルスナー系のどうってことないビールだったが、一生忘れない気がする。福岡空港に来たら、必ず飲んでしまうかも知れない。ここでだらだらと1時間ぐらい潰そうと腰を落ち着ける。しかし、山崎は飛行機の遅れが気になるらしい。ちょうど店が表示板の隣で、見下ろすとそれを見る事ができた。と、さっきまで1335と表示されていたはずの機が、1215に変わっている。この20分の間に1時間以上予定が繰り上がるってどういう事!?

っていうか、1215ってもう過ぎてるじゃん(^^;

 まだ飲み終わっていない飛酵醸に後ろ髪引かれながら、慌てて、しかし確実に金属探知器を鳴らして搭乗口へ。どうやら表示板に不手際があったらしく、時間が大幅に繰り上がってしまったようだ。筆者らと同様に、知らずにのんびりしている客がアナウンスで呼び出される。筆者らはぎりぎり呼び出されずに済んだ。少し呼び出されてみたかったかも(笑)
 飛行機に乗り込んだものの、急な出来事だったのでお土産を買い損ねてしまった。今回、切符を予約した山崎の「九州と北海道のお土産を同時に買っていって、会社の人をびびらす」という作戦は、こうして失敗したのだった(笑)

 ふと気づくと巡航状態だった。ん?離陸した記憶がないぞ…。山崎の証言によると、どうも寝ていたらしい。がーん!せっかく窓際だったのに…(T_T) ライフジャケットの説明の時には起きていたのだが、なんか知らないが飛行機だとすぐ寝てしまう。離陸時の加速の中、どうして平然と寝ていられるのか、自分でも不思議だ(^^; 機内サービス終わってしまっており、悔しがる作者をよそに、A321は名古屋空港へと着陸していく。ここも街の中に空港があり、ビルをかすめながらアプローチしていく。なかなかの迫力だ。駆け抜けていく滑走路からは、駐機している自衛隊のC130輸送機の群れが見えた。

 名古屋空港は何もする事ができなかった。降りてすぐにゲートへ向かう。うーん、なんだかなぁ。搭乗口で待っていたのはA321。あれ、この搭乗口って…。そう、先ほど福岡から乗ってきたのと同一機体だった(笑)

ずっと乗ってりゃ良かった(笑)

 今度は起きたまま離陸。さっきの報復とばかりに、オレンジジュースを飲む(^^;
 北海道に近づくと、雲が晴れた。北海道の海岸線が見えたが、いまいちどこなのか特定できなかった。
 アプローチ前に機長からアナウンスがあり、自衛隊のほうの滑走路に降りるので、到着まで滑走路を4kmほど走ります、とのこと。うおっ、新千歳空港に何が起きているのだろうか?
 左右のバンクを小刻みに繰り返しながら、ずいぶんと遠回りして滑走路へと進入していく。これだけ振ってもらえると、左右の地表がよく見える。広い畑と、自衛隊の広大な敷地が広がっている。基地に整然と並んでいる車両や、幾何学的な車両のタイヤの跡が、まるで模型のように見える。かなり高度が下がってからも曲がるのをやめないので、なかなか楽しいアプローチだった。やるな、機長♪
 アナウンスの通り、随分と長い事地上をかけずり回って、建物の裏手に連れて行かれる。何にもない、裏の駐車場みたいなところで、例の階段を背負った車両がドッキングしてくる。おお、これはこれで珍しい。さすがに地方空港みたいに滑走路を歩いて行くということはなく、2台のバスに分乗して到着ゲートへ。

 ついに北海道までやってきたわけだが、空港から出るほどの時間はない。
 とりあえず展望デッキへ向かう。

しかし、なんと、冬季閉鎖中!(笑)

 4〜11月までしか開いていないらしい…(^^; 結局どの空港でも展望デッキに行けなかったので、ちっともフィルムが消費されていない。ほんと、写真取るものないな。
 じゃあ、メシだってことで、札幌ラーメンをいただく。同じ日に九州と北海道でそれぞれのラーメンを食べるなんて事は、そうそうある事ではない。お土産は買えなかったけど、まあよかったな、山崎。2杯目以降は一杯300円となる黒ラベルと、さすがご当地だけあってしっかりメニューにあったヱビスを飲みつつ、飛行機の運行状況に注意を向ける。羽田への飛行機が飛ぶかどうか、飛んでも羽田に着く時間が遅くなってしまわないかと、いろいろと心配事があるのだ。
 筆者はすでに北海道に骨を埋める覚悟ができていたので、レストランを抜け出してJRの切符を買いに行く。にわかに立てた計画の通り、イベント列車の指定券もGETする。が、SL冬の湿原号だけは満席で入手できなかった。残念だが、当日に計画したんじゃ仕方あるまい。北海道フリー切符はJR北海道全線が乗り放題で、指定券もタダで指定できる。23750円はグリーン車も乗れる九州グリーン豪遊券に比べると高いように感じるが、7日間有効なので一日あたり約3400円でかなりお得♪ それにしても、なんでこんな半端な値段なんだ(^^;
 このままだとずっと飲んでしまいそうなのでお土産を買いに行く。新千歳空港の中は阿瀬見曰くショッピングセンターのようで、ずらりとお土産屋が並んでいる。熊出没注意の黒ラベル限定缶をGET。それなりにおもしろいが、ちょっとひねりが足りないか。筆者ならヱビスの缶の恵比寿様を熊にして、鯛の代わりに鮭を抱えさせるところだけどなぁ。まあ、一応サッポロの最強ブランドであるヱビスで、そんな真似はできないってのもあるだろうしな。あとは旅の途中で食べる分の白い恋人を買う。白い恋人、定番だけど、飽きの来ない良い商品だと思うんだけどなぁ。六花亭のチョコの方が人気が高い。筆者的には白い恋人の方が好きだ。
 一通りお土産を買ったところで三人と別れて、さっそくフリー切符で札幌を目指す事にした。
 札幌にて、山崎らから連絡が入る。

これから乗る飛行機が最終便。あとは欠航となった(^^;

 運が良かったな。いや、逆に貴重なイベントが発生しなかったと悔しがるべきか?(笑)
 ちなみに、別行動のニロはと言えば、宇部山口から2時間遅れで羽田に戻ってきて、大島行きがさらに遅れていたので、大島は諦めるハメになった。大島行きはプロペラ機だったらしく、乗れなくて残念だったようだ。ニロがコンサートとプロペラ機のどちらを取るかという問いに対し、筆者ら4人は全員一致でコンサートと答え、賭けにならなかったのは内緒だ(笑)
 筆者は札幌駅から網走へ、夜行の特急オホーツク9号で向かう。オホーツク9号は2225発なので、かなりの時間を潰す必要があったが、札幌駅の車両は見た事のない物ばかりで、暇を持て余すような事はなかった。お目当てのキハ183系や、思いかけず現れたDD51の牽く急行はまなすなどを堪能する。しかし、夜だったのでシャッタースピードが稼げなくて、かなり手ぶれっぽくなってしまった。こういうときは三脚が欲しかったりするなぁ。
 改札を出て旅の情報も仕入れた。ツアーのチラシを漁って、網走の情報を集める。すると、砕氷船で流氷の上を行くなんてのをやっている事がわかった。知ってしまったからにはどうしてもこれに乗ってみたくなってしまった。明日はちょうどSLの指定も取れなかったので、旅程を丸一日ずらして砕氷船に乗る事に決めた。
 緑の窓口で3/3月曜日のSLの指定席をGET。さすがに3/2日曜日よりはマシだったようだが、これでもぎりぎり取れたらしく、SLはかなり好評なようだ。流氷ノロッコ号、お座敷摩周号の指定券も3/3月曜日のものに変更し、明日は網走観光をすることになった。

現地で旅程を組むのはスリリングで楽しいぉ

 2225、キハ183系オホーツク9号は網走に向けて発車した。熊出没注意ビールで一人乾杯し、たらばがに弁当で遅い夕御飯とした。この弁当、たらばがにの割には肉が小さく、スジも入っていて食べにくい。ちとはずしたか。熊出没注意ビールは普通のビールだった(笑)
 2500頃、旭川にて消灯となった。座席がかなり空いていたので、向かいのシートを回転させてボックスを作り、足を伸ばして就寝。足を腰の高さまででも上げておくとむくみにくい。
 こういう状態でも熟睡できる。

自分がとてもたくましく思える瞬間だ(^^;

 おやすみ、そして明日は起きたら網走だな。


 キハ183系 オホーツク9号。国鉄時代のオリジナル形状で、主に夜行に使用されている模様。北海道は広いので夜間移動できる夜行特急は利用価値が高い。宿代も浮く(笑)
(札幌駅にて 2003.03.01)

 函館行き急行はまなす。北斗星色のDD51に牽引されるブルートレイン。やっぱり夜行はこの色が一番似合うと思うね。ヘッドマークも昔っぽくてよい。
(札幌駅にて 2003.03.01)

3/02(日) 網走

 目が覚めると車窓はすっかり雪景色。札幌にも少しは雪があったが、こちらは一面の雪だった。起きると遠くに来ているというのは、何度経験してもいい。なんだかワクワクしてくるのだ♪
 定刻通り0615に網走駅に到着。

しばれる!

 マイナスなのは間違いないだろう。耐寒仕様だったのでなんとか耐えられたが、これで風が吹いてきたら何分耐えられるか…。
 主要な駅の割には網走駅は3番線までしかなく、なんとなく北の果てという感じがする駅。
 改札のそばに流氷がどでーん!と置いてあった。これが解けないちゃわないところがさすが北海道(笑) 流氷を見たら砕氷船がますます楽しみになってきた。
 とはいえ、まだまだ時間が早い。しっかり暖房の入っている待合室にコンセントを見つけ、カシオペアを充電しつつ、デジカメのデータをカシオペアのSDメモリへと待避させる。昨日の夜、列車の中で試みたところ、バッテリーが危険になったので断念していたのだ。普段はそんなに使わないので気づかなかったのだが、カシオペアの電池はずいぶんと劣化してきているようだ。帰ったらなんとかしないといけない…。それよりもデジカメのデータをカシオペアに移す必要がないように、デジカメのメモリを買った方がよさそうだな(^^;
 立ち食いそば屋で買ったカレーうどんを待合室に持ち込んで朝飯とする。
 時間があるので、帰りの飛行機を検討する。電源が確保できてるうちにチケットの予約をしたいのだ。幸いPHSの電波が来ていた。まあ、この辺の主要都市だからな(^^; ANAの特割りを使うと便によって値段が違うのだが、最安で15kで帰れる。ただ、これだとリムジンバスの終バスに間に合わないので、少し早い17kの便を予約した。だが、航空券を自分で買うのは密かに初めてだったので、どうやって買ったらいいかよくわからない(^^; 調べてみるとローソンのろっぴぃで買う事ができるようだ。そして目の前にはローソンが…

なんて都合の良い!(笑)

 帰る日が変更される可能性もあったので、すぐに買う必要はなかったのだが、チケットを買って帰る日を制限してしまわないと、本当にいつ帰ってくるかわからなくなる(笑) それにまだまだ時間が余っていたので、買ってしまう事にした。ろっぴぃはポケモンの予約とかで結構使った事があるので、さくさくと操作できた。コンビニで航空券が買えるなんて便利なもんだ。
 そうこうしているうちに観光案内所が開く。行ってみるとちょうど別な人が砕氷船について聞いているところだった。さりげなく耳を傾けてみると、なんと予約が一杯で1530より後の便じゃないと空席がないと言うのだ。うお、そんなに人気なのか!

その前に予約が必要とは思ってなかった(^^;

 慌てて1530のを予約。思いがけず遅い時間となってしまった。
 他におもしろいところがないか情報を収集する。と、流氷館というのが丘の上にあり、その近くに網走監獄博物館があることがわかった。まだ8時なので、バスはないし、あっても流氷館も網走監獄博物館もまだやっていない。暇つぶしついでに歩いて行ってみる事にし、地図を片手に駅を出発。
 歩道がしっかり凍っているので、歩くのは気を使う。足元を見ないとならないので景色を見る事は難しく、歩行速度も通常の70〜80%ほどに落ちていた。しかも、なにやら地図の縮尺がかなりいい加減な感じだ。歩けど歩けど近づかない…。進むにしても、引き返すにしても中途半端な距離だったので、とにかく前に進む事に。要はバスに負けなきゃいいんだよ!
 大きな路沿いだったので迷う事はなく、網走監獄博物館まで到達した。が、こちらはまだやってない。先に流氷館に行って、帰りにこちらを見てみる事にしよう。すでに登り坂を随分と歩いてきており、眼下には真っ白に凍り付いた網走湖が広がっている。網走湖でワカサギ釣りなんてのもやっているらしい。氷に穴を開けて、そこから糸を垂らすやつだ。これも一度やってみたいのだが…。
 と、どこからか踏切の警報機の音が聞こえてきた。山の入り口にあった踏切の音がここまで聞こえてきているのだ。1kmぐらい遠いはずなのだが…。さすが北海道(笑) 見れば2両編成のキハ40と思われる車両が走っていく。汽車を見送って歩き出そうとしたとき、こんどは電柱の上に止まっているワシを見つけた。曇っていてさらに見上げる形だったので、尾が白いのが確認できたわけじゃないのだが、大きさから見てオジロワシだろう。
 いろいろ発見があるので歩くのも悪くない。

例によってバスには追い抜かれたが…(^^;

 バスに遅れる事15分、流氷館に到着。1時間半ぐらいかかった。よくよく地図を見てみると、小さく6kmとか書いてあった…。いまさらもう距離はどうでもいいが、とりあえず汗だく&疲れたので帰りはバスに乗ろうと心に決めた(^^;
 流氷館は流氷の博物館だと思っていたのだが、やけに建物が小さい。中にはいると1Fには受付だけしかなく、2Fにはお土産屋…。どうも博物館ではないのかもしれない。とりあえず屋上の展望台から景色を楽しむ。登ってきたかいがあって、360度の展望が広がっていた。流氷に閉ざされたオホーツク海、凍った網走湖、白樺の森、雪の積もった大地。すべてが白い。北国って感じだ。
 せっかく来たので520円払って展示を見てみる。プロジェクター3画面分のシアターで流氷と網走についてのヴィデオを鑑賞。そうおもしろいものでもなかった。順路に従って地下へと降りていくと、そこはガラス張りの大きな冷凍庫があり、本物の流氷が展示してあった。おもしろいのはこの冷凍庫の中に入れる点だ。温度計の表示は-18.5度となっており、防寒具を装備し始めた。そんな筆者に苦笑しながらおねえさん曰く「風がないので体感温度はそれほどでもないですよ」。そして濡らしたタオルを渡してくれた。好きな形に凍らせて遊んでくれとの事(笑)
 2重のドアをくぐって中に入る。確かにそれほど寒くはない。しかし、息をすると鼻の中が凍りそうになる。息は浅く吸った方がよさそうだ。流氷には自由に触れていいらしい。昭和60年の開館当時からある流氷は多少昇華が進んでいたが、しっかり残っていた。タオルはと言えば、いつの間にか乾燥したような感触に変化してきており、もうしばらく揺らしているうちに、棒状に完全に凍った。おもしろい♪ 出口から出たところにタオルの回収カゴがあった。

しばれタオルをお入れください

 小さな事だが結構ウケた(笑)
 ここにわずかに流氷の博物館っぽい展示があった。はるばるアムール河口からやってきているらしく、また、北海道は流氷のたどり着く最南端なんだそうな。地形的にも樺太や千島列島があるためにちょうど北海道に貯まる形だ。北海道で流氷が見られるのは当たり前だと思っていたが、結構微妙な条件の下に成り立っている事が判明。近年は温暖化の影響なのか、流氷が接岸している期間も短くなっているようだ。BGMに流れている「きゅぃ〜」という音は流氷の音とのこと。海獣の鳴き声に似ている。
 B1Fにはクリオネが飼われている。流氷の天使と呼ばれている、ふわふわと羽ばたいて泳ぐあれだ。しかし、天使というよりはむしろ

白いバイキンマンに見える(^^;

 クリオネの学名は「クリオネ・リマキナ」で、和名は「はだかかめがい」。和名からわかるように、貝の仲間であるが、終生プランクトンとして過ごす。ここにいたのは1cmぐらいのものだったが、2〜4cmぐらいにまでなるようだ。って、4cmのクリオネって結構恐いぞ(笑) クリオネと同じような生物で発見者の名前から文字をもらった「○○オネ」というのも一緒の水槽に入っていたのだが、名前を忘れてしまった。○○のところに発見者の名前の一部が使われていたと思ったが…。まあ、クリオネの知名度には勝てないって事で(笑)
 それなりにおもしろかったが、とにかく狭いのですぐに見終わってしまった。何か食べようと思っていたのだが食堂がまだ開いていなかった。網走監獄博物館で何か食べよう。
 ちょうどやってきたバスで網走監獄博物館へ。
 入り口の前に食堂があったのでまずは腹ごしらえだ。寒いときはやっぱり味噌ラーメンに限る。せっかくの北海道だし。歩き疲れたので、まだ昼前で筆者の他に客がいないのをいい事に、座敷に上がり込んでくつろぐ。
 網走監獄博物館は元々は今の網走刑務所の場所に建っていた、網走監獄の建物を移設して保存している。
 最初は監獄の博物館なんて変なものがあるなぁと思っていたのだが、展示を見ていくうちにその必要性がわかった。知っての通り、北海道は江戸時代から明治にかけて入植が行われたが、それまでは未開の土地だった。歴史で習ったのは「屯田兵による開拓」というものだったが、その屯田兵よりも前に、受刑者達によって北海道の開拓が行われていたのだ。受刑者達の犠牲の上に北海道の入植が成り立っていると言っても過言ではない。北海道に道路を開いたのは受刑者達だったのだ。この重労働は想像を絶するものであり、数多くの死者がでたらしい。網走監獄行きになったら生きては帰れないと、最悪の監獄として恐れられた。網走刑務所と聞くと特別に厳しい刑務所のように言われる事があるのは、こういう背景があるからなのかもしれない。
 建物では特に放射状の構造を持つ、五翼放射状舎房は圧巻だ。放射状に配置する事で、その中心の見張り小屋から全ての廊下を見渡す事ができる。移築されたものであるから、実際に受刑者達が入っていたかと思うと恐い感じもする。しかし、蝋人形が脱獄のエピソードを語っていたりして、そんな暗い展示ではない。
 各所の説明文や展示はよくできていて、博物館としての質はかなり高い。

特にリアルすぎる蝋人形がすごい!

 入場料は1050円と高めだったが、それ以上の価値のある博物館だ。モデルコースに「ゆっくりコース1時間」とあるが、まじめに見るともう少しかかる。是非ともじっくり見て欲しい。
 ただ、お土産屋に脱獄関係の土産ばかりなのはちょっとどうかと思った。そりゃお土産に暗いエピソードを使っても売れないのはわかるが、脱獄がカッコイイことのように煽っているようで…。

 バスで駅に戻って、少し早いが砕氷船乗り場に移動しようと思ったら、ちょうど砕氷船乗り場まで行くバスがやってきた。寝ているうちに到着(笑)
 船の出港まで1時間以上あった。前の便が出るところで、カウンターがちょうど空いていたので乗船手続きを済ませる。

3000円と言われて、我が耳を疑う(^^;

 高い…。旅程を立てたときに値段までチェックしていなかったため、突然の攻撃に思わず飛び上がってしまった。しかし乗らないわけにもいかないので払う。まだ時間あるので、味噌バタコーンラーメンを食べる。ここのは野菜の具が多く、量も多かったのでかなりの量を残してしまう。もう少し手加減してくれ(^^;
 前の便ですごい人数が並んで乗っていたので、少し早いがツアー客が来る前に列に並んでおく。どうせデッキから見ることになるので、並ばなくてもいいような気がするのだが、みんながデッキに出るとなるといい場所とかが取れるのかも知れない。結局は並ばなくてもデッキで見る分には問題なかったのだが、先に並んでおくと2隻あるうちの最初の1隻に乗る事になるので、少し早く出発できる。
 1隻目のオーロラ号に乗船。船が港を出るとすぐに流氷があった。流氷同士がぶつかるので周辺部が盛り上がり、蓮の葉のような形になっている。筆者の中では流氷というのはこの蓮の葉みたいのを想像していたのだが、どうもそれは間違いだったようだ。船が沖へ進んでいくと、前には真っ白に凍り付いた海があった。流氷はかけらではなく、ひとつの大きな氷となって海を覆ってしまうのだった。砕氷船なので臆する事もなく氷へ突撃していく。がこ、がこ〜ん!という音をたてながら氷の海を割り進んでいく。このオーロラ号は30度の角度を持つ船首でもって氷に乗り上げて自重で氷を割る仕組みだ。したがって、両舷では氷が砕かれて倒立していく。これが大迫力なのだ。
 砕氷の他には、カモメが楽しい。砕氷船が氷を砕いたあとに、プランクトンか魚がいるらしく、たくさんのカモメが船の周りを飛び回る。このカモメ達はすっかり人間になれていて、ポテトチップスなどのスナック菓子を手から直接奪っていくという芸当を見せてくれる。船との相対速度を合わせてランデブーしてくるため、かなり近くでゆっくりとカモメを見る事ができる。最初はカモメにエサをやるなよな〜、なんて思っていたのだが、なんかおもしろそうだった(^^;

でも、フンに注意!(笑)

 カモメ以外では、流氷の上には天然記念物のオオワシやオジロワシが羽を休めていたりする。これを目当てにカメラを構えてる人も多かった。
 しかし筆者には砕氷以上の楽しみはなく、筆者は船の速度のために生じる強風に震えながらも、船首近くに張り付いて氷が砕ける様子を眺めていた。船は遊覧船と違ってかなり左右に舵を取りながら進む。

どうやらわざと流氷の多いところへ突撃してるらしい♪

 船長、あなたはすばらしい! あなたはロマンのわかる人だ! 飛行機のパイロットも見習って、乱気流の激しいところを選んで飛んで欲しいものだ。
 そんなわけで、毎便が違う航路をとると思われ、特に決まった航路はないのだろう。適当に時間が来たところで引き返すために方向転換。「ああ、もう終わりか」と思ったら、帰りも氷の多いところに突撃していく♪ いいぞ船長! よし、あの厚そうなところへ行くんだ! 筆者の心の声が届いたのか、はたまた船長は筆者と同じロマンのわかる男だからなのか、とにかく船はとても分厚そうな氷へ突撃!

ごいーん!
 …あ、止まった(笑)

 ちょっと分厚すぎたようで、船が止まってしまった(笑) しかし、バックする気配なし。そのまま強引にエンジンの回転を上げていく。そしてついには砕いてしまった。いやー、漢の生き様を見たね。さすが海の男は違うな。
 約1時間ほどで港に戻ってきた。もう満足度120%で、これなら3000円はちっとも高くない。
 すっかり体が冷えてしまい、風邪をひいてしまいそうだ。それなのに、とどめを刺すようにソフトクリームを所望する(^^; バニラとミルクがあり、どう違うのかと聞いてみたところ、

バニラはミルクよりコクがある

という微妙な回答を得た(^^; 「じゃあ、ミックスで」と言ったら笑われた…。
 ミルクは濃いミルクの味でバニラはバニラ…。こりゃ確かに説明は難しい。店員の回答は意外と的を射ていたのかも♪ それにしても北海道のソフトクリームは牛乳の質がいいからなのか、とってもうまい♪
 バス停に行ってみると、ソフトクリームを食べている間に行ってしまっていたようだ(^^; 地図を見ると、砕氷船乗り場は駅から4kmぐらいらしいので、歩いてみる事にした。…懲りないな(^^;
 ちょっと迷いつつも駅に到着。途中、晩御飯を食べられるような店がなさそうだったので、ローソンで買って駅近くのホテルにチェックイン。
 全然たびてつじゃなかったが、充実した一日だった。列車に乗ってばかりだと飽きるので、たびてつでも鉄道以外の観光も旅程に入れるべきだと再確認した。
 ホテルの大浴場で充分に暖まり、早めに就寝。気づかないようでも車中泊のダメージってのは結構あるものなのだ。それに今日は結構歩いたし。おやすみ〜。

と思ったら30分後に迷惑メールで起こされる(T_T)

 最後にケチがついた一日だった(^^;


 すれ違うオーロラ2号。流氷を砕いて進むのはもちろん見所だが、飛び交うカモメで遊んでも楽しい。
(オーロラ船上にて 2003.03.02)

 割られてめくれ上がる流氷。本当におもしろいように流氷が砕けて行く。流氷の神秘的な青さに吸い込まれそうになる。しかし、これだけ身を乗り出しても何も言われないのはさすが北海道!?
(オーロラ船上にて 2003.03.02)

3/03(月) 網走〜札弦〜網走〜知床斜里〜標茶〜釧路〜東根室〜釧路〜札幌

 今日こそはたびてつ。たびてつと言えば始発。ということで、早朝に宿を出発する。凍った川から昇ってくる朝日がまぶしい。
 ホームには昨日お世話になったキハ183系オホーツク9号がいた。そしてなんかレアっぽいキタキツネが描かれたキハ40を発見。キハ54が2両連結された3両編成で、マイタウンはまなすという赤いサボをつけているが時刻表には特に表記はないようだ。以後見かけたキハ40は全て白地にライトグリーンの帯という塗装だったので、この塗装は724番だけなのかもしれない。
 思わず乗ってしまいそうになるが、いやいや、そっちは戻る方向だ。…あ、別に戻っても問題なかったか。

どうせ流氷ノロッコ号は10時過ぎなんだよな

 キタキツネを見送り、釧網(せんもう)線の始発列車に乗り込む。こちらはキハ54。ステンレス車両なのでノスタルジックとは言い難いが、雪原をとことこ行く単線ディーゼルはやっぱり良い♪

なにが素晴らしいって、線路がどこまでもまっすぐなことだ!

 知床斜里までの海沿いは、左に流氷に覆われたオホーツク海、右手に雪原が広がる。遠くに見える知床の山(羅臼岳かな?)の向こうから朝日が昇ってくる。これだから始発はよい。いくら目的の列車が10時過ぎだとしても、朝一で列車に乗らない手はないのだ。
 北海道の車両はみんな窓が2重になっているため、下手な東北の車両なんかよりもよっぽど暖かい。ホームの待合室よりもずっと快適なので、待ち時間があるようなら時刻表で調べて、普通列車に乗ってまた戻ってくるほうが良い。ただし、行った先が無人駅だったりすると、そこでは極寒の苦しみを味わう事になる(^^;

冬の無人駅は命に関わる

 最近は北海道に限らず、ほとんどのローカル線は無人駅地帯なので、注意しようがないという話もある…。
 というわけで、流氷ノロッコ号に乗るための折り返し地点は無人駅の札弦(さっつる)駅。無人駅を避けるなら知床斜里に降りればいいのだが、やっぱり行ける範囲の一番遠くまで行きたいのが人情だ。
 札弦駅前は数軒の民家があるだけで、あとは一面の雪。コンビニはもちろんの事、なにがしかの店すらない。まあ、あってもこの時間では開いていないので暖を取る事はできないのだが。
 駅のまわりに何もないので待合室で待つ。ちゃんと戸があって、風が入ってこないだけマシといえる。北海道には貨物列車をそのまま置いただけという、ドアのない簡易駅舎が多いのだ。しかし、マシといっても寒いものは寒い。椅子も冷たくて座れないので、ただただじっと寒さに耐える。

火のついていないダルマストーブほど恨めしいものはない

 この駅はJRに管理を委託された人が除雪などを行っているようなのだが、壁に貼ってあるお知らせの紙によると、今年度は暖房をやめてしまったらしい。鉄のかたまりであるダルマストーブがとても冷たく見える。
 10分前になると地元の人がやってくる。地方では玄関に時刻表が貼ってある場合が多く、みんなちゃんと時刻表を見て駅に来る。田舎の人は時間には大らかそうだが、実は時間に正確だったりするのかも。
 待ちに待った列車がやってきた。ああ、ありがたやありがたや(笑) 雪景色ってのは暖かいところから見るからキレイなのかもしれない…(^^;
 戻る途中の知床斜里で、流氷ノロッコ号と出会う。改めて時刻表を見ると、流氷ノロッコ2号は知床斜里からでて、筆者が乗る流氷ノロッコ1号はその帰り道ということになる。号数は上りと下りで番号が決まるので、1号のほうが時間が早いとは限らないのだ。しまった、もっと早く気づいていれば、ここから乗れたのか。実際のところノロッコ号は全席指定ではないため、ここからでも乗れたのだが、今回は見送って一足先に網走で待つ事にした。

 すっかり日の昇った網走駅で列車を撮影していると、流氷ノロッコ号が入線してきた。グリーンに茶色の帯のDE10。一般の乗客はひととおり記念撮影を終えて改札口へと去ってしまう。しかし、ここからが本番なのだ。機関車+客車の場合、折り返し運転するために機関車を反対側に繋ぎ直す必要がある。このときがまさに撮影チャンスだ。
 DE10は凸型の機関車だが運転席の位置はど真ん中ではない。今は長い方が前だが網走駅には転車台がないために短い方が前になって…などと期待をふくらませていたのだが、いつになっても作業員が現れず、汽車の入れ替えを行う気配がない。
 改札が始まって人が再びホームにあふれる。指定席だから慌てる必要はなかったのだが、人の少ないうちに車内を見てみようと中に入る。そこで

ダルマストーブを発見! しかも暖かい!(笑)

 ストーブが暖かいのは当然なのだが、札弦の冷たいストーブを見た後だと、なんだかとてもありがたい。筆者の取った指定席はイマイチの席だったので、ストーブ正面の自由席に座っていた3人家族に相席させてもらう。ああ、暖かい♪
 そして、機関車は付け替えられることなく、そのまま発車時刻に…。どうやらバックで行く構えのようだ。うーん、スイッチバックで短時間ならバック運転の経験があるが、ハナっからバック運転とはいい度胸だ。一体どうやって前を見ているのだろうか。

何もないから大丈夫だという理論?(^^;

 まあ実際は客車の一番先頭に運転席があって、同期運転できるんだろうが…。ストーブに夢中でそっちは確認しなかった(^^;
 ヘッドマークに極寒体験などと書いてあるし、物の本で「窓はない」と読んだ記憶があったのだが、流氷ノロッコ号はしっかりと2重窓になっていてまったく寒くない。それどころか、石炭ストーブのおかげで、思わず眠くなるぐらい暖かい。
 景色は朝に一度見てるし、こりゃ寝ていくのも一興か、なーんて考えたのも一瞬だった。アナウンスが入り「売店でするめを販売しています。ストーブの上で焼いてお楽しみください」

するめ焼きキターーー!(笑)

 かつて青森の津軽鉄道のストーブ列車で、まさか自由に焼いていいとは知らずに辛酸をなめた、あのスルメ焼きを果たすときが来たのだ! スルメは380円と安かったのだが、これがまるまる一匹…、全長40cmを超える大物だった。一人ではとても食べきれる量ではなかったが、悩むことなく購入し、さっそくストーブの網の上へ。熱でうねうねして、程なくして香ばしいにおいが☆ あつあつをお手玉するようにしていただく。念願の焼きするめはうまかった!
 食べきれないので相席した家族におすそわけをする。ちいさながきんちょが一生懸命するめを噛んでいた(笑)
 なおもするめを焼き続けていると、北浜でツアーの団体が乗車してくる。ホーム一杯の人が自由席に乗り切れるわけがなく、なしくずし的に指定席の方にもなだれ込む。通勤ラッシュにはほど遠いが、座れない人が出る。ジョイフルトレインとしてこの雰囲気はどうかと…。ツアーも無茶するよな(^^;
 ツアー客がするめ焼きに参戦してきたので、無用な争いを避けて筆者の焼きは一時中止。車掌さんがあわててストーブに石炭を投入して火力アップしたので、みるみるうちにするめが丸まっていく。…ちょっと焦げ臭いけど(^^; 煙突が赤熱するぐらい熱くなり、ストーブの目の前に座っている筆者らはかなりのぼせ気味だ。車掌さん、あちーって(^^;
 するめ焼きをしてるおばさんらとおしゃべりをしているうちに知床斜里に到着。ツアー客らはこれから流氷の上を歩くイベントがあるそうな。駆け足で大変そうだが、いろいろイベントが楽しそうではあるな。
 結局景色はほとんど見なかった物の、するめが焼けて大満足の流氷ノロッコ号だった。あ、するめはちゃんと最後の一切れまで焼けました♪

 知床斜里でこれまたジョイフルトレインのお座敷摩周号に接続。接続時間は10分と計算されたもので、実はこの釧網線のジョイフルトレインは網走から釧路まで、流氷ノロッコ号→お座敷摩周号→SL冬の湿原号とつながるようにダイヤが組まれているのだ。しっかりと策略にはまってしまうのが悔しいが、他に列車がないので仕方がない。JR北海道もニクいことをしてくれる。
 お座敷摩周号はその名の通りのお座敷列車だ。JR東日本では団体で借り切る事しかできず、普通には運転していない。筆者もお座敷に乗るのは初めてだ。車両はキハ183系を改造したもので、運転席の形状などは同じく改造型の1500番台と同様の形状だが、お座敷は6000番台となっていた。反対側にはオリジナル形状の機関車が繋がれていた。こちらが自由席のようだ。

列車の中で畳に座るというのは妙な気分だ☆

 掘りごたつのようになっているので、座るのが苦手な人も大丈夫だ。くつろいでいると生ビールのタルを背負ったオヤジが登場。ご当地サッポロビールの生ビールを販売していた。一杯500円。悩むことなく買う☆ 先ほどのストーブで焼いたするめを取り出し、車窓を見ながら生ビール。とてつもなく贅沢だな。
 あっというまに飲み干してしまい、戻ってきたオヤジにおかわりを発注する。おかわりをする人は珍しいらしく(そのぐらい飲む人は大抵自前の酒を持ち込んでいる)、注いだはしから飲み干すように言われて、もう一杯分ぐらい余計に注いでもらったんじゃないだろうか。やるな、オヤジ(笑)
 また後でおかわりしようと思ったら、札弦の次の駅である緑駅で、オヤジ達は下車。ここで行き違う列車に乗り換えて知床斜里へと戻っていった。列車の接続が悪いのでしかたないか。すっかり顔を覚えられた筆者はオヤジと別れの挨拶を交わしてオヤジを見送った。
 車窓から人家が見えなくなり、列車は山の中へ。

鹿のため急停車する場合があるのでご注意ください

 ネタかと思いきや、車内で歓声があがり、鹿目撃情報が寄せられる。残念ながら筆者には見つけられなかった…。
 列車は鹿に止められる事もなく、終点の標茶(しべちゃ)に到着。するめを食べ終えた筆者の口の中は血だらけになっていた(^^;

 お座敷摩周号が標茶に入線すると向かいのホームにはすでにSL冬の湿原号が入線していた。釧路から来たところのようでSLがまだ網走方面についている。ホームの端は写真を撮る人でいっぱいになる。やはりみんなJR北海道の策略にはまってイベント列車を乗り継いで釧路まで行くようだ(笑)
 標茶に着いたときに降り始めた雪は見る間に勢いを増していく。SLの付け替えをずっと見ていたのだが、最後には視界がかなり悪くなり、写真にも雪がはっきりと写るようになった。さらに気温が低いためにSLの吐き出す蒸気がいつまでも白く煙っており、風向きもあいまってSLがほとんど見えない(^^; うー、写真に煙しか写らないんだが…。いや、その前に運転休みになるんじゃないかと心配になってきた。
 だが、筆者の心配をよそに、そんな気配は微塵も見せず、ちゃくちゃくと付け替えが進んでいく。JR北海道の職員にしてみれば、このぐらいの雪は大雪のうちに入らないのかもしれない。まったく意に介してない様子である。雪だからといちいち運休していたらJR北海道はつとまらないか。
 網走方面から釧路方面へ入れ替えられたSLは、しかし、その頭をいまだ網走方面に向けたまま、前の連結器を客車と連結させた。確かにSLは釧路側につながっているものの、機関車の向きが逆なのだ。石炭を積んでいるテンダー部が列車の先頭なのである。

バックで行く気なのか、機長!

 あ、いや、機長じゃないけど…。トロッコ列車といい、SLといい、JR北海道はバックするのが好きなようだ。さすがにSLでは客車の運転席から遠隔制御なんかはできないので付け替えたようだが、いくら何もないからとはいえ、視界に問題ないのだろうか(^^; C11はD51と違ってテンダーが別車両ではなく一体型であるため、ボイラー部よりもテンダー部の方が短い。考えようによってはこちらの方が視界がいいような気もしてくる。
 SLの頭が列車の先頭でないと知ると、客の中には残念がる人もいた。だが、

筆者としては、珍しいからよし(笑)

 流氷ノロッコ号と同じく、SL冬の湿原号の客車にもストーブがあった。このストーブがあるだけでイベント気分になれる。指定席はストーブのそばではなかったが、流氷ノロッコ号でさんざん堪能したので満足だ。昨日の分が満席で取れなかっただけの事はあり、今日も指定席は満席のようだ。ボックス席に相席した他の三人もまったく赤の他人であった。二人はてつで、一人は小樽在住のご婦人だった。ご婦人は昔この釧路付近に住んでいた事があり、久しぶりに故郷を訪ねてみたところ、予想外に観光客が多くてびっくりしている様子だった。昔は何もなく、人も来ないようなところだったらしい。何もない=自然がそのまま残っているという意味で、それに関しては今も変わらない。SL冬の湿原号の名の通り、雪で白く染まった湿原と林の中を力強く進んでいく。お座敷列車では発見できなかった鹿も何頭か目撃する事ができ、天然記念物のタンチョウヅルも見る事ができた。写真で見るのと同じように、つがいで歩いていた。
 タンチョウヅルは警戒心の強い鳥で、ここは日本で唯一餌付けに成功した例だということだ。それでも人間との距離はかなり遠く、エサを持っている人手さえ50m程度までしか近づいてこない。列車は乗客ともちろんツルを驚かせないために一旦停車し、徐行して塘路(とうろ)駅へ入線する。
 この塘路駅にはエゾシカの牧場があり、ホームからたくさんのエゾシカを見る事ができる。停車時間が設けてあり、SL、ツル、鹿と人それぞれにカメラを向ける。もちろん筆者はSLを撮っていたのだが、ツルの撮影に来ている人も少なからずいるようだった。発車の際にも汽笛を鳴らさず、静かに出ていく。
 標茶町とJR、そしてもちろん住民とで協力して、初めてタンチョウヅルの餌付けに成功したのだろう。我々旅人もマナーを守って、ツルを驚かせないようにしないといけない。
 てつの二人から、先頭の客車から外の展望デッキに出る事ができ、機関車をすぐ近くで見られるという話を聞く。ご婦人と連れ立って先頭車両に行ってみると、小さな貨物列車のような客車に展望デッキがついていて、外に出る事ができた。走っているので風が強く、雪も降っていて寒いのだが、後ろ向きで連結されているC11を正面から間近で見る事ができる特等席だ。

あのナンバープレートが今、目の前にある!

 てつには感慨深いものがある。長時間はさすがに身がもたないので中に戻ると、車掌さんがやってきた。どうやら車掌さんはこの車両で休んでいるようだった。車掌さんとご婦人と筆者でしばし歓談する。どうやらこれだけの観光客がやってくるようになったのは、ノロッコ号やSLなどのイベント列車を連続させる運用を始めてからとのこと。JR北海道は釧路以外でも、シーズン事にSLを走らせているのだが、軒並み満席だという。ちなみに、このC11 171、夏はSLすずらん号として留萌線を走っている。
 そんな話をしているうちに釧路に到着。時間を忘れて楽しめた。

 今日は釧路から夜行の特急まりもで札幌に向かいつつ一泊するという作戦なのだが、夜行は2300発で、今はまだ1530である。まだ終わらせるには早い時間だ。だが、駅の待合室で時間を潰すぐらいなら列車に乗って釧路を出て、夜行に間に合うように戻ってくればよいのだ。こういう時のための時刻表である(笑)
 鼻歌を歌いながら時刻表をめくると、なんと根室本線の終点まで行って戻ってくることが可能だとわかった。本数が少ないローカル線において、これはなかなか運のいい話である♪

もちろん、根室では折り返してくるだけだが(笑)

 だがまてよ、乗った列車が折り返してくるのならば、待ち時間はわずかだ。それならば極寒の無人駅だとしても命尽きる事はないのではないか。筆者の目にとまったのは東根室駅である。根室線は釧路から東に延びて根室へと達するが、根室の手前の駅が東根室となっている。西から根室に至る路線ならば西根室という駅名が妥当なはずだが、それが東根室なのである。時刻表の地図でも東根室は根室よりも東側にある。この地図、縮尺や東西南北があてにならないのだが、駅名と合わせて考えると、東根室が根室の東側にあるのは間違いないだろう。つまり、この東根室が日本最東端の駅だということなのだ。
 そう考えたら列車に飛び乗るしかない。

何故か最○端というのは旅人を惹きつけるものなのだ!

 根室線が出るまでに30分ほど時間があった。この時間を利用して、釧路の街へデジカメのメモリを買いに行く事にした。イベント列車が目白押しで、調子に乗って撮影していたら、いつのまにかメモリの残量が心もとなくなってきたのだ。最近はデジカメも普及してきて、街の小さなカメラ屋でもメモリを入手できるようになってきた。値段は安くはないが、旅先での写真はお金には換えられないものだ。
 駅を出て、大きな通りをさまようとすぐにカメラ屋が見つかった。しかし、ここではコンパクトフラッシュを扱っていなかった。店員が教えてくれた通り、ベスト電器を発見し、そこで128MBを購入した。

いつも旅先でメモリを買ってるな(^^;

 駅に戻り、10分で帯広名物という豚丼をかっくらう。これがなかなかうまかった。
 根室線はキハ54 1両編成のワンマン運転だ。すぐに日が落ちてしまい、車窓が楽しめなくなり、うつらうつらと根室線を東進する。特急が走らないこの路線の保線は規格が甘いのか、エライ揺れる。これがまた眠くなるゆっくりとした周期なのである(^^; ちなみにこの路線は営業キロ135kmで2時間〜2時間半の道のりである。
 東根室に到着する頃にはすっかり日も暮れ、吹き付ける風と雪で車両の片側の窓が凍り付いていた。外は無論マイナスの世界。東根室での途中下車を諦めて、根室まで乗ってしまおうかという考えが一瞬頭をよぎるが、意を決して東根室で下車。
 驚くべき事に筆者以外にも一人の客が降りた。ただのサラリーマンだったようで、コートを押さえながら足早に去ってしまった。てつでもこんな天気の時にこんなところに降りる人間がどれほどいるだろうか(^^;
 駅舎などなく、わずか2つだけの照明に青白く照らし出される木のホーム、それが日本最東端の駅、東根室駅だった。それを証明するモニュメントだけが立っている。除雪されていないモニュメント前まで雪をかき分けて行く。
 マイナスの風が体温を奪っていく。空から落ちてくる雪と、風に舞い上げられる雪が顔に当たって痛い。顔の感覚はすぐに麻痺してしまったぐらいである。関東の人間にしてみれば吹雪と言っても過言ではない。

このまま列車が運休して折り返してこなかったら死ねるな…

 寒いので必要以上にうろうろする。止まったら死ぬというサメの気持ちがわかった気がするが

はたから見るとかなり不審人物かも(笑)

 というか、この寂れた無人駅のホームにいるだけでも充分不審だ。地元の人ならば、列車が来るまでの間は車の中で待つものらしい。終電一本前の列車に乗るため、地元の車が2台待っていた。
 無限とも思える15分間が過ぎ、暗闇にキハ54のヘッドライトを見つけたとき、信じてもいない神に感謝してしまったほどだ。
 折り返してきた同じ列車の、来るときと同じ座席に座って釧路へと戻る。

 釧路へ無事に戻り、残りの待ち時間は待合室でデジカメの電池とカシオペアの充電を行う。宿に泊まらないと風呂と電気が問題だな。
 特急まりもはオリジナル形状のキハ183系。今夜もお世話になります(笑) 先日のオホーツク9号よりも混んでおり、ボックスを占拠して足を伸ばす事ができなかったが、すぐに就寝。


 キタキツネデザインのキハ40 724。サボには「マイタウンはまなす」とあるが、時刻表にその表記はない。サボは赤いが各駅停車の普通列車金華行き。車体横には、網走側にお母さんキツネ、札幌側にお父さんキツネ、中央に子ギツネが描かれている。結構レア? 連結されている奥(札幌側)の2両と左はキハ54。
(網走駅にて 2003.03.03)

 釧網線キハ54 520。キハ54は北海道で主力として活躍する気動車。両側運転台なので、ローカルのワンマン線に向いている。北海道のキハ54は500番台で、2重窓、向きの変わらないセミクロスシート。ちなみに四国のは0番台。
(札弦駅にて 2003.03.03)

 DE10が牽引する流氷ノロッコ号。ヘッドマークには極寒体験とあるが、ちゃんと窓は2重になっており、車内には石炭ストーブもあって暑いぐらい。網走→知床斜里は機関車が後ろとなり、バックして押してゆく形になる。つまり、写真手前側が後ろとなる。…どうやって前を見ているのだろうか?
(網走駅にて 2003.03.03)

 お座敷摩周号。キハ183系の改造車。反対側にはオホーツクと同じ古い型の車両がついていた。お座敷列車は初めて乗ったが、かなりくつろげていい感じ。これがただの快速で自由席があるとは、やるなJR北海道!
(知床斜里駅にて 2003.03.03)

 お座敷摩周号反対側。キハ183オリジナル形状。
(標茶駅にて 2003.03.03)

 お座敷摩周号の生ビールオヤジ。どことなく徳光さんに似ている(笑) 楽しいオヤジで、おかわりしたらサービスでいっぱいつぎ足してくれた♪ もちろんサッポロで500円/杯。
(お座敷摩周号車内にて 2003.03.03)

 日本最東端の駅である東根室駅。左に立っている木の柱にそう書いてあるのだが暗くて見えにくいか。雪、風とも激しく、当然気温はマイナスで、列車待ちの15分が永遠にも思えた…。
(東根室駅にて 2003.03.03)

 釧路駅に戻ってきたキハ54 514は雪まみれ。お疲れさまでした。
(釧路駅にて 2003.03.03)

3/04(火) 札幌〜深川〜留萌〜恵比島〜留萌〜増毛〜深川〜札幌

 おはよう、札幌。また来た札幌。
 北海道は札幌と各都市に夜行が走っているので、がんばれば宿に泊まらなくても済むのだが、足を下にしたまま寝るとさすがに足がむくむ。まあ、熟睡できるだけ我ながら大したものだと思うが(笑) 風呂は温泉に入ればよいのだが、電源のこともあるので、2回に1回は宿に泊まるというのが、経験上よいように思う。
 足が重く感じるが、朝の運動をしているうちに良くなるだろう。
 朝の運動というのは、列車の撮影である。何故これが運動かというと、列車を見つけては階段を使って隣のホームへと走り、上りと下りでは列車の先頭の位置が逆なのでホームを走ってしまう。

てつの習性のひとつである(笑)

 特に札幌駅のようにたくさんホームのある駅ではかなりハードな運動となる。足は第2の心臓と言われるように、動かす事で心臓から遠い足の末端まで血を巡らせる作用がある。特に階段の昇降をすると効果は抜群だ。
 北海道の各路線が集中している札幌はまさに列車博物館。しかも北海道の車両は見たことがないものばかりだったので、夢中になって撮影した。
 特に収穫だったのは除雪用のDE15を見れた事だ。さすがの時刻表にも除雪用の機関車のダイヤは書いてないし(書いてないだけで、JRのダイヤには除雪車が走るスジは存在してる?)、積雪がないとお目にかかれないのだ。
 そんなこんなで、昨日補充したばかりなのに、早くもメモリが心配になるぐらい撮影してしまう。

朝の運動どころか、地獄の特訓並みに消耗する(^^;

 今日は留萌線を制覇する。特急スーパーホワイトアローに乗り込み、深川へ向かう。この列車、サラリーマンの通勤列車になっているようで、座れない人がいるほどだ。ちなみにスーパーホワイトアローは名前が長すぎるのか駅の案内板表示にはただの「スーパー」と表示される。スーパーおおぞらなど、他にもスーパーと名の着くものはいくつもあるのに、こいつだけスーパーなのはどうかと思うのだが(^^; スパーホワイトアローの車体にはその略としてSWAと書いてあるのだから、こっちを使えばいいのに…。
 さすがに特急が走る本線筋だけあって良く保線されており揺れは少ない。昨日の根室線とはえらい違いだ。しかし、しばらくすると別の、ごごごご…という断続的な音と振動が発生するようになった。

なんと積雪を蹴散らして走ってる

 窓の外は蹴散らした雪で真っ白に見える。蹴散らされる雪の量は相当なものだ。それなのに何でもないように雪を蹴散らしながら特急速度を維持している。雪に乗り上げ、車体が浮くような力が発生してる気がして、乗っているこっちが心配してしまうぐらいだ。パウダースノーだからできる荒技だ…。まあ、北海道の人にしてみればこれがあたりまえなのかもしれないが、なかなか貴重な体験だった。
 さすがに5分遅れて深川に到着。
 留萌線の接続時間は短かったのだが、どうやらSWAを待っていてくれたようだ。駅員が急かす中、撮影も満足にできないまま、キハ54に乗り込む。背もたれがガシャコンと切り替えられるセミクロスシートは、釧網線や根室線とは異なる。引き出して270度回転させて固定するテーブルもついている。
 ガラガラではないがコミコミでもない留萌線は、街でも原野でもない田舎をとことこ行く。こちらも雪を蹴散らしながらではあるが、特急に比べると遅いので安心できる。
 留萌線はNHKの朝の連続テレビ小説「すずらん」で使われた路線で、SLすずらん号などが登場して一時はそれなりのブームになった。留萌というのは響きから想像するにアイヌ語に漢字をあてたものだと思われるが、なかなかよい字をあてたものだ。(後から調べたら元はルルモッペだそうな)
 どこかの駅がそのすずらんの舞台で、今もその駅舎が残っていると聞いたのだが、調べないで来たのでどの駅かがわからない。とりあえず時間も早いので、この列車の終点の留萌まで行ってみる事にして車窓を眺める。
 と、恵比島駅に木造のノスタルジックな駅舎があった。その看板には「明日萌駅」とある。実はテレビ小説は見た事がないので、その駅名ではピンとこなかったのだが、恵比島駅に違う名前の駅舎があるということはここなのだろう。
 ふと見れば、駅舎の中に人影がある。ならばここは有人駅で暖かそうだな、と記憶しておく。
 恵比島を過ぎると山に分け入っていく。こういうところで撮影したいといつも思うのだが、降りる駅も、近くに道路もない。それ以前に、この寒さじゃ列車を待っているあいだに凍死してしまうので断念している。
 留萌までは約1時間の道のり。終点の増毛(ましけ。ぞうもうじゃないぞ(笑))まででも約1時間半だ。時刻表の地図では結構長いように見えたのだが、実際はそれほどでもないようだ。
 留萌駅はかなり大きな駅で、もっと寂れた駅を想像していたのでイメージとのギャップに苦しんだ(笑) 港町の小さな駅を想像していたのだが…。留萌駅は海からは少し離れていた。
 今朝一番で仕事をしたのか、雪まみれのDE15がいた。やはりかっこいい!筆者はガキの頃から働く車が好きで、それは今も大して変わっていないようだ。

機能美ってやつだ

 理系の人間のものの考え方だ。逆になにかを見つけると機能を考えてしまう。たとえ何の意味もなく、デザイン的にそうなっているだけだとしても、何か機能があるんじゃないか、こういう使い方もできるんじゃないかと考えてしまうのだ(笑)
 留萌から終点の増毛までの間は本数がぐっと少なくなる。日に6往復だが、午前中には始発の一本だけだ。最初は3時間半待ちのつもりで、電池の充電を始めたのだが、時刻表を眺めていたら恵比島駅に行って、次の列車で戻ってくればよいことがわかる。
 立ち食いそば屋できつねうどんを食べると、乗ってきた列車で恵比島駅にとって返す。無計画?いやいや、この方がちょうどいい時間になるのだ。
 恵比島駅で下車。やはり筆者以外には誰も降りない。明日萌駅と書かれた建物の、立て付けが悪い戸を開けて中に入ると意外なことに寒かった。何故だ!人がいたのに!?

って、それって人形じゃん!

 そう、さっき見た人影は実は人形だったのだ。待合室から外を見ている少女の人形と、駅長室には駅長さんの人形があった。なるほど、ドラマの雰囲気を再現しているのだな。
 どうやらここは無人駅のようで、ストーブはあったが火は入っていなかった。次の列車まで何分あるか忘れたが、厳しい戦いになりそうだった。何分待ちかを見るために、駅舎の中を見渡すが、当然あるべきはずの時計が見あたらない。駅に時計がないとはいい度胸だ。仕方なく筆者の中では時計と認知されているケータイ電話を取り出す。次は時刻表だが、あったにはあったが、どうも様子が変だ。いつも見慣れたそれとは明らかに違う、なぜ漢数字…。いくら雰囲気を出すためって、そこまでするかねぇ。見にくいなと思いつつフォーマットの違う時刻表を解釈する。…やっぱりおかしい。今乗ってきた列車が書いてない。っていうか、札幌行って何? そんな列車はなかったはずだ。キツネにつままれた気分で駅舎の隅から隅まで調べる。いくら何でもJRの今の時刻表がないなんてありえない。そしてセットの説明分を読んでようやくわかった。

これ全部が全部セットなんだ!

 これは駅ではないのだ。もう一度ホームへ出て、トイレのような建物をのぞき込む。あった、見慣れたフォーマットの時刻表と時計。よく見れば貨車駅を木造の小屋に見せかけるために板で覆っているのだと気づく。筆者はすっかりだまされたというわけだ。
 時刻表から1時間半待ちとわかった。本物の駅を出ると駅前にも古風な建物が続いていた。これもセット。角の中村旅館には人が常駐しているようで、暖を取れると書いてあった。
 ひとまずあたりを探検しにでかける。気温はかなり低い。風が強いために体感温度はマイナスだ。晴れていて雪は降っていないのだが、風に巻き上げられた雪が吹き付けてくる。40分ほど辺りをさまよったのだが、特にこれといって何もないので駅に戻る。中村旅館で暖を取れるらしいのだが、行くと強制的にお土産を買わされそうだったので、駅で待つ事にした。…5分経過…6分経過…6分30秒経過…6分35秒経過…

ダメだ!さみ〜〜(T_T)

 動いているときはまだ良かったのだが、止まっていると寒さが染み込んでくる。動こうにも夜行で消耗した上に、今朝のハードな運動のおかげで、足が重かった。
 こりゃ中村旅館に行くしかない。お土産買わされても仕方がない。

命…プライスレス!

 中村旅館に入るとおばさんが迎えてくれた。どうやらお土産屋ではないようだ。撮影時の写真や俳優達のサインが飾られた、資料館のようなものらしい。この建物のセットで、他の部屋は撮影に使われたままになっているという。
 せっかくなのでそちらも見ようと思ったら、おばさんに「他の部屋は寒いよ」と言われた。うっ、実際寒かった。というより外と同じ気温だ。風がない分だけマシではあるが…。
 おばさんに話を聞くと、ブームのときはかなり観光客が来たとの事だったが、最近は減っているという。そして

冬に来る人はいないらしい(^^;

 留萌線のノロッコ号の運転がGW、SLすずらん号の運転が5・6月であることを考えれば当然だ。
 「冬は冬でいいもんですよ」と筆者が言うと「冬なんていいことない」とおばさん。そりゃ、住んでる人にはそうだ…(^^; でも観光客であふれかえってるシーズン中よりも、人っ子一人いないほうが旅って感じがして好きだ。
 おばさんと話をしているうちに体も温まり、時間も過ぎていく。列車が来る時間が迫り、そろそろ出ようかというときに、おばさんがコーヒーをいれてくれた。ありがたいのだが、もう列車が来るのだが(^^; 丁重にお断りしようとしたが、紙コップに入れてやるから持っていけというので、そうさせてもらった。
 コーヒーをすすってるとやってきたのはキハ54の2両編成で、529と505番。505番はさっき乗った列車だ。深川まで行って折り返してきたようだ。
 再び留萌駅に到着。ここで増毛行きの待ち合わせとなる。乗ってきた2両編成の切り離しが行われ、505は留萌から折り返して深川行きに、529は留萌からさらに増毛へと向かうようだ。
 増毛に向けて留萌を出てすぐの切り通しを抜けると、いきなり真正面に日本海が広がる。留萌駅では海の気配など微塵もなかったのだが、ここからは海のすぐ脇を走る臨海路線に早変わりだ。この景色のギャップはかなり激しく、とても同じ路線とは思えないほどだ。
 ちなみに留萌駅はその昔、北へと向かう羽幌線が分岐する駅であり、この海岸沿いには羽幌線が通っていた。残念ながら昭和62年3月をもって廃線となっている。当時、筆者はてつとはまったく無縁だったために存在すら知らなかった路線である。こういう廃線を知ったとき、一度は乗ってみたかったという思いがする。無くなってしまったものは取り戻す事はできないが、これから廃線となる路線には、なんとか乗っておきたいものである。
 増毛までは海沿いの小さな漁村という風景が続く。終点の増毛はホームひとつの駅で、駅舎こそ簡易駅舎ではないが無人駅だった。積雪のためによくわからないが、敷地の広さから見て転車台があるようには見えない。となると、SLは増毛まで来た後で方向転換する事はできない。SL冬の湿原号と同じ車両であるため、バックで走るという手もあるのだろうが、その前に、このスペースで機関車の付け替えすらできるかどうかが疑問である。もしかしたら、機関車が一番後ろになってバックで客車を押していくんだろうか。いくらJR北海道がバック好きとはいえ、そんなことしていいのだろうか…。

こうなったら6月に確認しに来てみるか!

 いやいや、そんなお金をドブに捨てるような真似は…。でもとっても気になる(^^;
 そんな事を考えながら乗ってきた列車で折り返す。増毛滞在時間は10分足らずとなってしまうが、これに乗らないと約3時間待ちとなってしまう。このような本数の少ない終着駅では折り返しもやむを得ないところだ。
 この列車は深川まで一気に行く列車だが、深川着が1428とかなり早い。時刻表を持っているのに、いまさらながら留萌線がそれほど長い路線でない事に気づく。しかし、あと一箇所途中下車した場合、そこでは3時間待ちが待っている。恵比島駅での途中下車を終えた今、その駅以上に何かがありそうな駅は他にない。というか、そもそも有人駅が留萌だけなのだ。この寒さの中、無人駅で3時間も待ったら

間違いなく冷凍になる

 非常に残念だが、途中下車は諦めた方が良さそうだった。今日はもう途中下車はしないと決めると、なんだか急に疲れてきた。行き当たりばったりで時刻表を調べていたときは気持ちが張っていたのだが、もう今日はおしまいとわかったら急に緊張がほぐれたのだろう。旅も意外と疲れるものなのだ。
 時間的には旭川に寄ったりもできたのだが、すっかりやる気がなくなったので、深川駅から特急ライラックで札幌へ。特急ライラックは781系の電車で、北海道で特急の電車はこの系統だけである。予定には入っていなかったが、関東ではお目にかかれない列車に乗れてラッキーだった。
 深川−札幌間は意外に遠く、着いた頃には1600。やはり北海道の広さは伊達ではない。ホテルにチェックインするまでの時間をどう潰そうかと悩んでいたのだが、そんな心配は無用だったようだ。
 風呂に入って体を温めると、ようやく生きた心地がしてきた。かなり消耗していた模様(^^;
 気を取り直してうまいラーメンでも食べに行こうとガイドマップを手に街へと繰り出す。が、迷った挙げ句に寒いので、適当にうまそうな店に突撃。

あー、この店、駅の構内にチェーン店あったような…(^^;

 なんとかのひとつ覚えのように味噌ラーメンをいただき、本日は早々に就寝。一週間ぐらい旅してると、休養日がないとつらい(^^;


 除雪用ディーゼル機関車DE15。昨晩の雪を今朝一番で除雪してきたのだろう。除雪車はかっこいいなぁ♪
 奥のはキハ54 505。
(留萌駅にて 2003.03.04)

 1999年NHKの連続テレビ小説すずらんの舞台となった明日萌(あしもい)駅のセットがある恵比島駅。このセットの駅舎の中にもえと駅長さんの人形がおいてある(左の窓の赤いマフラーをしている人影がもえ)。
 実際のJRの駅舎は、このセットの隣にある小さな小屋。この小屋に見える駅舎は、実は板で覆われた貨物列車改造駅舎だったりする。
(恵比島駅にて 2003.03.04)

 キハ183系特急利尻。オリジナル形状の面影が全くない改造型1500番台の車両。今回はオリジナル形状に多く乗ったが、実はオリジナルのほうが小数派で、北斗やとかちなどは全てこの新しい車両である。
(札幌駅にて 2003.03.04)

 781系特急ライラック。これは電車。JR北海道の特急電車はこの系統のみで、あとは全て汽車。
 特急すずらんもこれと同じ車両。
(深川駅にて 2003.03.04)

3/05(水) 札幌〜南千歳〜登別〜南千歳〜新千歳空港〜南千歳〜新千歳空港〜羽田空港〜新横浜

 セットしていた携帯電話のアラームが鳴る。もう朝か。熟睡していたようで、一瞬で朝になったような感覚だ。時間感覚が狂っていたので、携帯電話の時刻を確認すると、0400…。アラームは0530にセットしたはずである。そう、さっきの音は迷惑メールの着信音だったのだ。

まさに迷惑メール

 とはいえ、筆者は起きてしまうと瞬間的に目が覚めてしまう体質なので、起きてしまう事に。ゆっくりと風呂に入った後、NHKをつけると丁度国旗がはためいているところだった。なんか久しぶりに見た気がする(笑)
 かなりゆっくりした後、それでも0630に札幌駅へ。
 疲れも取れてホームを走り回って撮影することもできたのだが、この駅は全部屋根の下にあるために薄暗く、撮影にはあまり適していない。さらに昨日撮りまくった結果、もう撮るべき列車がほとんど無かったのだ(笑)
 それでも体力が有り余っていたので撮影していると、学園都市線のホームの列車がキハ143であることに気がついた。筆者はキハ143なる列車をまったく聞いた事がなかった。網走駅でキハ40を見かけていたのと、その姿形がキハ40そっくりだったので、こいつもてっきりキハ40だと思いこんでしまっていて、昨日は気づかなかったのだ。
 たびてつなど書いている割には、筆者はそれほど列車に詳しくない。さらに記憶力も乏しいため、列車の雰囲気だけしか覚えておらず、細かい点の違いを一目で見分けられるような能力は持っていない。
 型が違うということを念頭において改めて見てみると、確かにライトの形が違う。いや、そう思って見てみるといろいろと違う気がしてきた。あとで調べたところ、キハ143を含むキハ141、142は北海道内で余った50系客車からの改造車だとわかった。臨時列車を除けば学園都市線でのみ運用されているということで、レアな車両だった。
 うーん、先にわかってれば何区間か乗ったのに…。惜しい事をした。行き当たりばったりだとこういう事もある。残念と思う反面、

また次に来るときが楽しみだ♪

 札幌でちょっとだけ撮影し、キハ283系のスーパーおおぞらに乗り込む。レトロなキハ183系もいいが、新型は新型でワクワクする♪
 今日は帰る日なので余裕を持ってスケジュールを決めた。距離はそこそこあるが、特急で行くと結構近い登別温泉に行き、余裕を見過ぎた時間については、南千歳駅での撮影をするという作戦だ。

ちなみに昨日寝る前に考えたものだ(笑)

 南千歳駅は新千歳空港の隣の駅で、室蘭−札幌、釧路・根室−札幌の2つの路線が両方来る。さらには本州からの列車もここを通って札幌に行くため、多様な列車を見る事ができる駅だ。本数も多く、短時間でも撮影を楽しめる。
 主なターゲットは札幌行きの夜行列車達だ。話題性のカシオペア、寝台特急としては列車番号1番の富士よりも有名な北斗星、マイナーだがオリジナル塗装のトワイライトエクスプレス、この3つが順番にやってくるはずだ。もっとも光源の向きからいうと逆光になってしまうため、ベストな撮影とは言えないが、まあ、いいだろう。
 それ以外にも気動車特急のキハ281系スーパー北斗やキハ283系スーパーとかちなどがどんどんやってくる。室蘭方面に行く列車ならば首尾良く順光となる。
 昨日の夜に降った雪でホームは埋もれており、必要最低限しか除雪されていない。てつが撮影に用いるホームのはじっこは見事に除雪されていなかった。駅員もわかってないなぁ…。
 仕方がないので、15cmほど積もったふわふわのパウダースノーを足で蹴散らしながら除雪を行う。列車を撮影しつつ、待ち時間に行う除雪はなかなかによい暇つぶしになる事がわかった☆
 まず最初にやってきたのはカシオペア。積雪のためか少々遅れてやってきた。

うおっ! DD51重連!

 驚きのあまり声が出てしまったほどだ。…いや、筆者はすぐ声が出る方ではあるのだが。
 JR東日本の領地に住む筆者にとって、カシオペアは黄色と青のストライプの入った電気機関車というイメージである。電気機関車なので、一部非電化である北海道では使う事ができない。となれば、汽車がひいてくるであろうことは、ちょっと考えてみればすぐにわかる事なのだが、このときはDD51を見るまでそんなことは思いもしなかった。あんパンだと思って食べたパンが、じつはジャムパンだったとき、ジャムをとても酸っぱく感じるのと同じようなものである。
 ブルートレイン色のDD51が2台、銀色のカシオペアの客車を牽いて入線してくる。重連のDD51というだけでかなりかっこいいのだが、それがブルートレインと同じ青となれば、文句なしにかっこいい!
 寝台特急の常として、汽車はホームを通り越したところで停車する。そのため、正面のエンブレムを撮影できるチャンスは入線してくる瞬間だけである。充分速度は落ちているが、逃すと撮影する事ができないため、難易度はちょっと高くなる。逆光だったのでいまいちではあったが、撮影は成功した。
 思わぬDD51の登場にかなり気をよくする。すっかり忘れていて、見てから思い出すのは筆者の得意技のひとつだが、北斗星もDD51がひいている事を思い出した。きっとこちらも重連なのだろう。前述のように北斗星といえば、一番有名な寝台列車と言ってもいいだろう。このエンブレムを是非とも撮影したい。しかも青いDD51重連の北斗星である。さぞかしかっこいいことだろう♪ 昨日考えついた作戦の割にはかなりよい作戦だ。
 しかし、ダイヤがさらに遅れていた。いつ来るかわからないので、へたに隣のホームなどに出かけていくと戻ってこられない可能性がある。撮りてつをしていると一番もどかしいのがこの列車待ち時間だ。わずかな時間でもとても長く感じるため、落ち着きのない筆者には拷問のような時間なのである。まあ、今日は駅にいるため、列車の接近を教えてもらえるだけマシではあるのだが。
 暇つぶしに除雪範囲を無駄に広げつつ北斗星を待っていると、頭の上から耳をつんざく爆音が轟いた。驚いて見上げてみるが、青空に機影はなし。ここは空港の隣であるため、離陸していくジャンボ機は何機も見ていた。しかし、この音は旅客機の音ではない。となれば戦闘機に違いない。旅客機と戦闘機ではその速度が異なるため、旅客機を探すのと同じように空を見上げても戦闘機は見つからない。高速な戦闘機の場合、ジャンボ機よりも遙か先を捜してやる必要があるのだ。が、やはり機影は見あたらない。この間、およそ10秒。そして2つめの爆音。やはり機体を見つけられない。ここで予想を働かせる。2機目の爆音が別に聞こえたと言う事は、2機が一緒に飛んでいない事を意味する。それなりの上空を飛んでいるのならば2機の音は一緒に聞こえてくるはずだ。これは離陸していくときの音だ。そして戦闘機は3機編成で飛ぶ可能性が高い。となれば、すぐに3機目の音が聞こえるはず。
 そして予想通りの3つめの爆音が聞こえてきた。視線は空ではなく、水平線に近いところを右から左にスキャン。…と、動く物体を発見した。今まさに離陸しようとしているF15だ。慌ててカメラのスイッチを入れたが、カメラが起動する頃にはすっかり上空に飛び上がってしまっていた。最大ズームにしてF15の飛んでる方角をパシャリ。液晶画面には真っ青な空が映っているだけで、飛行機が映っていないように見える。方向は合っていたはずだが、ちょっと遠すぎたか…。
 と、何か巨大な物体が脇を通り過ぎていく。

ああっ、北斗星まって〜!

 戦闘機の爆音で聴覚は無効化され、上を向いていた筆者の視覚では地上は完全に死角となっていた。
 予想通りに重連でやってきたDD51は、気づいたときにはもう筆者の脇をすり抜け、ホームの外へと出てしまう。…エンブレムは撮影する事ができなかった(T_T)
 ああ、なんてことだ…。F15に気を取られてて北斗星に気づかないとは。戦闘機がうるさすぎるせいだ!

戦争反対!(T_T)

 カシオペアが失敗で北斗星が成功ならそれほど落胆はしないのだが、一番撮りたかった北斗星を逃したのは痛い(T_T) カシオペアは1編成しかないため、北海道に現れるのは2日に1度だけで、それなりにレアではあるのだが、ブルートレインのファンとしては北斗星の方を撮りたかったのだ。
 その後、なんとか立ち直ってトワイライトエクスプレスを待ったが、列車が遅れており、筆者が乗る特急の時間になってもやってこなかった。トワイライトエクスプレスは東北で何度かみかけたのだが、東北を通るのは撮影には向かない夜であるため、ちゃんと日の光の下で撮影してみたかったのだが、いたしかたない。これもDD51がひいてくるのかどうか、ちょっと気にはなったのだが…。
 諦めてキハ281系スーパー北斗で登別へ向かう。朝一番の列車の混み具合から考えて、途中駅では座れないだろうと思っていたが、予想通りの混雑ぶりで通路に立つハメになった。手に持った朝御飯にと買ったいくら丼が虚しい…。
 登別まであと15分。こりゃ朝飯は後だなと諦めかけたとき、サラリーマン風のおじさんの隣の席に座る事ができた。時間がないのと、サラリーマンの隣だったのとで、少々悩んだが、問答無用でいくら丼を食べ始める(笑) 登別から温泉に向かうバスの接続時間が5分しかないため、ここで食べないと温泉まで食べられないのだ。

スジばっかりでうまくなかった(T_T)

 登別でバスに乗り込み温泉へ。バスはマリンパーク経由で登別温泉へ行く。同乗していた女性二人のパーティーが降りますボタンを押して、バスはマリンパークの施設内に入っていく。しかし、なーんかひっそりとしている。二人もそれに気づいたか、なにやら騒ぎ出す。バス停に着いてもひとっこひとりいないマリンパーク。そして無情にも立て札には…

本日休館日

 そう、平日に旅をしているとたまーに出くわすのがこれである。二人はもちろん降りず、乗客に謝っていた。バスの運ちゃんもひとこと言ってあげればいいのに。
 登別はホテルの建ち並ぶ温泉街だった。とはいえ温泉街独特のなつかしい感じは漂っている。まずは観光案内所へ行き、熊牧場について調べてみることに。バスで登別へ向かう途中に見た看板によれば、距離も方角も登別温泉と同一だったので、このあたりにあるはずなのだ。
 チラシがなかったので係の人に訪ねてみると、温泉街の地図をくれた。それによればそう遠くないところに熊牧場へ上がるロープウェイがあるようだ。温泉に入る前に行ってみることにする。
 地図を片手に温泉街を歩いていくと、リフト乗り場が現れた。む、これをロープウェイと呼ぶのか? と思ったら、これはロープウェイの駅まで上るためのリフトらしい(笑) ほんの200mぐらいしかないのに使う人なんているのかと疑問だ。しかし、会津の飯盛山の有料エスカレータがあることを考えれば、使う人もいるのかもしれない…。話のタネに乗ってみようかとも思ったのだが、200円という値段に負けて歩くことに(^^;
 ロープウェイは山のてっぺんにある熊牧場と登別温泉とを直結しているもので、ロープウェイの切符が熊牧場の入場券も兼ねている。このロープウェイは熊牧場の一部と言っていいかもしれない。駅の前ではヒグマの剥製が迎えてくれる。
 上がってみて最初の印象は狭いの一言。牧場というぐらいだからもっとだだっ広いものを想像していたのだが、いくつかある施設のすべてが一目で見渡せるほどの広さしかない。100m四方に収まるかもしれない。
 最初に見かけたのはアヒルレースだったが、アヒルは奥の小屋のなかで振るえていた。レースをするトラックの柵には

寒さのためレースを中止しています

 アヒルも逃げ出す寒さなのか…。ここでふとイヤな予感がよぎった。

熊って冬眠するんじゃなかったか?

 熊も寒さのため〜なんてことになっていないだろうな? 心配しつつ第一熊牧場へ。
 おぉ、ちゃんといるいる。雪の上に寒そうに座っているクマクマクマ。直径15mほどの中に10頭以上の熊がいる。やはり寒いのか動きは緩慢で、やる気が感じられない。というか、つらそうである。昼寝をしているクマが実は死んでるんじゃないかと、腹が呼吸に合わせて動くのを本気で確認してしまったほどである。
 そんな熊たちが唯一動くのは、観光客が熊のエサを投げ込んだときだけだ。ひとくちシュークリームのような、肉ではない何かを熊のエサとして販売しており、観光客が熊にエサをあげるというものだ。200円ぐらいのものなのだが、リフト代をケチったほどの筆者はもちろん買ったりしない。他の観光客がエサをあげるのを見ていただけだ。
 上記のように熊は雪の上に座ったり寝たりしたまま動かないので、観光客は熊めがけてエサを投げることになるのだが、熊の手は物をつかむようにはできていないため、口でキャッチしなければならない。当然のことながら観光客のおじさんやおばさんにそんなコントロールを要求するのは無茶というもので、熊のキャッチできる範囲からはずれると、エサが雪の上に転がることになる。しかし、よっぽど動きたくないらしく、熊はそれらを追おうとはしない。それを食べるのはカラスだった(^^; さすがに熊は怖いらしく、熊めがけて飛んでくるエサをインターセプトこそしないものの、熊とカラスが食べる個数は同じぐらいかもしれない。
 熊とカラスの争いもあるが、熊同士の争いもなかなかおもしろい。
 熊は一カ所に座っているわけだが、その場所というのに力関係が現れているようだ。つまり、観光客が投げやすい、正面の近い場所にいるのが一番力の強い熊だということだ。他の熊も力関係に応じた場所に陣取っているようだ。観察してみるとおもしろい。
 そしてもう一つ、アピール合戦が行われる。観光客がエサを投げようとすると、手を挙げたりほえ声をあげたりして観光客にアピールをするのだ。仕込まれた物かどうかはわからないが、それぞれの熊によってアピールの仕方が違う。ボスっぽいのは片手をあげて「へい!パス!」ってな感じなのだが、その後方に陣取る熊は日本足で立ち上がって両手を口元に持っていき、昔なつかしブリッコポーズを取る。ボスの後方でエサをもらうのは大変なようだ。
 一通り観察を楽しんだら寒くなったので博物館の方へ移動する。
 これまた大きい建物ではなく展示物もそう多くはなかったが、なかなかよい資料が展示してあった。特に熊牧場の歴代のボスの写真と、熊牧場ならではの集団生活についての記述は興味深かった。熊は本来群れで行動する動物ではないのだが、熊牧場のように狭い範囲にたくさん詰め込んだ場合、その力関係によって支配者が現れるというのである。ニホンザルのように群れ社会を基本とする動物は群れとしての機能をいろいろ持っていて、群れをまとめるのがボスであるが、熊の場合は群れの中で誰も逆らえない力を持つ物がボスと呼ばれる。

力こそすべて!

 とっても熊らしい(笑)
 自然の中においてはそれぞれテリトリーを持ち、そのテリトリーの大きさがその熊の力の大きさを示す。一応年功序列制になっていて、若い熊は年寄りの熊のテリトリーには近づかないのだが、メスはテリトリーから追い出されないと言うことで、一番好き勝手できるのはおばあちゃん熊らしい。
 特に記述はなかったのだが、エサさえあれば冬眠しなくてもいいものなんだろうか?

 さて、時間になった。博物館を出てクマショウの舞台へ。建物の中だったのでてっきり暖かいかと思ったら、暖房は入っておらず結構寒い。他にイベントらしい物がないために、おそらくすべての観光客がここに集まってきている。休日やシーズンなんかだとかなりぎゅうぎゅうなんじゃないだろうか。
 ショウを見せてくれるのはももこ4才。おねえさんと並んでもそう大きいということはなく、歳のせいだけではなく、本当に小柄なクマなのかもしれない。
 クマは後ろ足の構造が人に近く、二本足で立ち上がるのには比較的適している。そういうわけで二本足で走り回る芸をいろいろ披露してくれた。そんななかでも最後に見せてくれた自転車をこぐという芸はもりあがった。ちゃんと自分で曲がってステージをぐるぐるとまわるのだ。これはなかなかすごい。
 盛り上がったところでショウは終了。
 表に出るとさっきはアヒルレースが開催されるらしい。日が昇ってきて暖かくなってきたので復活したようだ(笑)
 ショウを見た観客全員がそのままアヒル小屋の前にあつまり、愛らしいアヒルに歓声を送る。アヒルに芸は期待していなかったのだが、係員の指示にしたがってお辞儀をしたり、鳴き声をあげたりと芸を見せてくれた。意外と賢い?
 一通り挨拶を終えると、レースの説明が始まった。一番になりそうなアヒルを当てるというギャンブルである。一回200円。まあどのアヒルが速いかなんてわかりゃしないので、確率は1/6と思っていいだろう。まさか裏ギャンブルじゃないだろうから、現金が返ってくることはなさそうだ。何がもらえるかわからないが、筆者は傍観することにした。密かに赤が勝つんじゃないかと予想してみる。
 各鳥ゲートイン。…ゲートオープン!

ばさばさっ! レース終了! はやっ!

 ひょこひょこ走る姿を想像していたのに、誇張ではなくあっと言う間にレースは終わってしまった。驚きつつもなんとかシャッターを切ったものの、先頭の緑アヒルはフレームの外に…。
 筆者はみごとにはずれたが、みごとに当てたおばちゃんがもらったのは熊牧場のハンカチ。おそらく土産物屋で売ってるものと同じだろう。200円でもらえたのは得には違いないが、よく考えると別にいらんよな〜。まあでもいい思い出になることは間違いない。
 すべてのイベントを終えて下山。期待していなかったのだが、なかなかおもしろかった。

 おなかがすいてきたので食事にする。温泉街のラーメン屋にて味噌ラーメンを発注。 

また味噌ラーメンか!(^^;

 好きなのでしかたない(^^;
 温泉はどこにしようかと悩む。よさそうな露天風呂を探して歩くうち、ちょっと裏の通りに露天風呂の看板があった。滝の家という旅館の風呂で、昼前のこの時間からやっている数少ない温泉だった。
 高そうな温泉旅館だと、日帰り入浴するときになかなか恥ずかしい。慣れているつもりでも、着物の女将にいらっしゃいませと迎えられてしまうと、ちと場違いな感じがしてしまうのだ。
 公衆温泉だと銭湯よりも安いのだが、旅館の日帰り温泉は1000円前後が多い。ここもご多分に漏れず1000円也。
 時間が早かったためか、内風呂はお湯を入れているところで、まだ浸かれるほどの量がたまっていなかった。体を洗うことが目的ではないので、さらっとあきらめて露天風呂へ。
 入り口のところに張り紙があった。

酒持ち込み可

 普通、飲酒禁止と書いてあるべきところなのに、持ち込み可とは! ああ、最初から知っていれば持ち込んだ物を!(笑)
 惜しいことをしたと思いつつ、ドアを開けると、肌に突き刺さる寒さ。露天風呂へのスロープを急いで、しかし滑らないように注意して進む。
 林の中に広々と広がる露天風呂。洗い場はなく、雨よけの屋根が申し訳程度に張り出しているだけだ。壁があるのは女風呂との境のみ。なによりすごいのはお湯が真っ茶色で、一切透明感がないということだ。

まるで池(笑)

 本当に温泉とは思えなかったので、思わず足先だけを入れてお湯であることを確認してしまった。かなりぬるかったが、どうやら温泉らしい(^^;
 お湯がぬるめなのと、外気が冷たいのとで、かなり長い間ゆったりと露天風呂を楽しむ。他に客が誰もいないのもいい感じだ♪ やっぱり旅には温泉だね〜。

 温泉を出てバスで登別駅に戻る。
 キハ281系スーパー北斗で南千歳駅へと移動する。北海道は広いので列車の移動=特急という図式なのか、観光客以外のサラリーマンやらで列車はかなり混雑していた。通勤列車とは違い、特急は通路に立つスペースがほとんど無く、またデッキも広くないため、乗車率が100%を越えた瞬間に急に居住性が悪くなる。
 人のいない方へ移動していくと、先頭車両なのに前方の方に通路が続いている。不思議に思いつつ通路を進んでいくと行き止まりになっており、そこはなんと先頭車両の貫通扉の真ん前!

まさに電車でGO!状態!(汽車だけど)

 そうか、キハ281系の運転席は2階にあるんだな。しかしJR東日本の特急列車で先頭車両の貫通扉に窓がついている列車はない。これはなんてうれしいサービスなんだろう。しかもこの窓にはワイパーがついており、雨の日でも車窓を楽しめるように配慮されている。言うまでもなく、運転するのにまったく関係のない貫通扉にワイパーをつける必要性はまったくないので、これはJR北海道のサービスと言っていいだろう。すばらしいぞ、JR北海道!
 こうなると座れないことなどまったく気にならず、夢中で窓にへばりつく筆者。子供が来たらオトナらしく譲ってあげるつもりだったが、誰も来なかったので独り占め(笑) あっと言う間に南千歳駅に到着した。

 南千歳駅の雪はすっかり溶けており、筆者が一生懸命除雪した痕跡はもうなかった。
 またしてもここで時間まで列車の撮影を行う。朝はちょうど順光だったが、今度はあまりよくない光線の方向となる。時刻表を調べると、特に撮影したい列車がなかったので、ひとまず空港へ行ってチケットを受け取ることにした。チケットレスで航空券を買ったのは初めてなので、ちょっと心配だったのだ。
 案ずるより産むが易しということわざ通り、何の問題もなく搭乗券をGET。ついでなのでチェックインをしてから、南千歳駅へと戻ってきた。
 夕方になって暗くなってきたこともあり、あまりよい写真は撮れなかったが、朝にも撮影をしたカシオペアともう一度出会うことができた。

 帰りの飛行機はB767-200。札幌の夜景に別れを告げ、そしていつかまた訪れることを約束する。

 夏は暑い国へ、冬は寒い国へが筆者のモットーだが、それはその土地の厳しい自然を知るという意味がある。夏に北海道に来て「北海道は涼しくていいところだね」なんて言っている観光客(≠旅人)みたいになりたくないのである。それに快適な旅の事はすぐに忘れてしまうというのもある。東根室で、明日萌で凍えた記憶は一生ものだ。
 その一生でこれだけ好きに休んで旅をできる機会がどれだけあるだろうか。十代最後の夏休みは一度きりだと思って旅をした。学生最後の年、こんな長い春休みは一生ないと思って旅をした。そして今回…。今という時は一度しかない。だからこそ何かを刻みたい。
 心に一生刻まれるような旅をしよう。その旅から帰ったとき、それはまた旅に出たくなるときなのである。


 キハ40 727(左)とキハ183系特急オホーツク(右)。
(網走駅にて 2003.03.02)

 キハ143 103。キハ40と並べてみると同じなのは塗装だけで、いろいろ違う事が一目瞭然。ライトの形や位置からしてキハ40とは異なるのに、型式番号を見るまで違う車両と気づかなかった(^^; キハ140系は客車からの改造車らしい。
(札幌駅にて 2003.03.05)

←左 クマ牧場のクマ
 手を挙げたり、立ち上がったり、吠えたりしてエサをねだる。態度がエライ横柄に見えたのは、寒くて動きが鈍かったせいか、それとも…。結構コミカルで笑える(笑)

↑上 アヒルのレース
 箱のフタが開くと、ものすごい勢いでゴール目指して走る。というか、飛ぶ!? 予想外の速さだったため、優勝した緑アヒルは画面左隅にちょこっと写ってるだけ(笑)
 賭けて当たるとハンカチがもらえる。一回200円は高い? もちろん見るだけならタダ。
(クマ牧場にて 2003.03.05)


 北斗星のDD51重連。重連かっこいい!北斗星はどんなに時間がかかってもいいから、一度は乗ってみたい。やっぱりブルートレインはロマンだよなぁ☆
 うう、正面が撮りたかった…。
(南千歳駅にて 2003.03.05)

 キハ281系スーパー北斗。横の英字はFURICO=振り子(笑) 運転席下のドアは連結時は通路となり、先頭車両の時は絶好の展望窓になる♪
(南千歳駅にて 2003.03.05)

 キハ283系スーパーとかち。キハ281系と同様に、先頭のドアは展望窓になっていると思われる。
 特急型気動車の新型があるなんて、北海道はいいところだ(笑)
(南千歳駅にて 2003.03.05)

 キハ183系クリスタルエクスプレス。オホーツクなどのキハ183系の改造型と思いきや、同じエンジンを使ってるだけという全然別物らしい。確かに先頭車両の形状だけでなく、車両そのものの形状も違うような…。発見が遅れたので写真が遠目(^^;
(南千歳駅にて 2003.03.05)

 こちらもDD51重連のカシオペア。うーん、やっぱり客車は青い方が似合うかなぁ…。
(南千歳駅にて 2003.03.05)

 カシオペアの最後尾車両、スイートルーム。写真撮るのはマナー違反なのかな? まあ一生乗る事のない車両だな(^^;
(南千歳駅にて 2003.03.05)


おまけ 何歩あるいたの?
1日目:14756歩=約7.4km
2日目:23605歩=約11.8km
3日目:14231歩=約7.1km
4日目:12350歩=約6.2km
5日目:21868歩=約10.9km

2003.03.01-03.05