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鋼鉄の愛馬と魔法の書が君を四大陸へいざなう。 知らない場所、初めての街、さまざまな出会いが軌道の先にある。 シャレてる暇はない。さあ、出発の時間だ! |
第0013号 2002.01.19 |
土合駅は日本一のモグラ駅ということで、地下にホームがある。写真は地下ホームを発車した115系。地下にホームがあるのは下りのみで、上りホームは地上の、それもかなり高い位置にあり、その高低差は階段で486段。地下ホームと階段の一粒で二度おいしい駅なのだ。 (土合駅地下ホームにて) 右→ 高崎線と上越線それぞれの色に塗られた115系。まだ雪が残っている。高崎線と上越線はあまり接続がよくないので、時間が許すなら温泉につかっていこう。 (水上駅にて) |
1/19(土) 〜土合〜
去年の秋以来旅に出ていない。忙しかったせいもあるのだが、こんな事ではダメだ。年を明けて一度も出かけていないのは「てつ」の沽券に関わる。つーわけで、近場でいいからちょっと出かけてみることにした。近場でおもしろそうなところということで、目的地にはループトンネルの先にあるトンネル駅、土合駅を選んだ。通ったことはあるのだが、降りたことがないので楽しみだ。もっとも、日帰り、普通列車での往復となると、ここの他にはどこにも寄れないのが厳しいところだ。一般的に、ここは近場とは言わないのかも(^^;
決めたのはいいが、仕事以外もなかなか忙しく、金曜日の夜は会社の新年会。しかもよせばいいのにその夜はいつものメンツで徹カラへGO! 普通の生活なんて性に合わない。
徹カラ後、みんなと別れて新宿駅からたびてつのはじまりはじまり〜♪ 昔から重宝していたスーパーホリデーパスが廃止されてしまったため、土合には普通に切符を買っていくことになる。ちょうどオレンジカードがたまって来ていたので、自販機で買える最長距離を購入する。
中央線各駅停車で東京駅へ行き、そこから京浜東北線に乗り継ぐ。徹カラで寝ていないため、仮眠を取って体力の回復に努める。一眠りして起きると終点大宮のひとつ手前、さいたま新都心駅につくところだった。ふと窓の外を見ると、高崎線が併走していた。どのみち大宮で高崎線に乗り換える必要があるため、ここはひとつさいたま新都心駅で乗り継いでみることにした。この駅ができてから通るのも降りるのも初めてなのだ。ここいらでちょっとイベントを入れておこう。
京浜東北線と高崎線は同時に減速をしてホームへ進入していく。向かい合わせのホームに入るかな? と、淡い期待を抱いていたのだが、あっさりと裏切られ、階段を挟んだホームに入ってしまう。ドアがあいたのは高崎線の方が速かった。次いで京浜東北線のドアも開き、同時にダッシュして階段を駆け上っていく。さすがに横浜よりも少し寒いか?などと頭の中で思いながら、高崎線のホームに駆け込む…あ、ドア閉まってるよ…
かくして、寝起きでダッシュしてクラクラしている俺を後目に、高崎線は出ていってしまった。駆け込み乗車は危険だからな。うん。
自分で自分に負け惜しみを言う。
せっかくなので新しい駅を探検してみる。
まず最初に目に入ってくるのが、ホームから見上げるさいたまスーパーアリーナ。ガラス張りの建物は不況を感じさせないバブリー建築だ。そして階段を上がって改札口に行くと、突然巨大なホールになっている。面積も天井の高さも「なぜ?」というぐらいに広くて高い。しかも天井はガラス張り。ここもバブリー建築。こんな立派な建物、本当に必要なんかぁ?
今、0840。土曜日とはいえ、普通は混雑しているはずの時間帯なのだが、改札を通る人は本当に数えるほどしかいない。スーパーアリーナでイベントがない限り、利用者いないのかも…。
そろそろ腹が減ってきたが、ここは我慢して高崎線に乗り込む。高崎駅では大好物のカレーが待っているのだ☆ もっとも、バブリー建築のこの駅に、立ち食いそばやなんて気の利いた物はなかったけどね。
さらに仮眠すると、これまたあっという間に高崎に到着。一行で済ましているがこの間は約2時間…(^^;
さすがに普通列車は遅い。寝てたので一瞬で着いたが、起きているとかなり苦痛だな(^^;
高崎の名物といえば普通思い起こすのは「だるま弁当」である。が、これは実はそんなにうまいものではないと思う。味ならおぎの屋の釜飯のほうがおすすめだ。ま、だるま弁当の容器はだるまの貯金箱になっているので、こいつは欲しかったりするがな。俺的一番のおすすめは立ち食いソバ屋のカレー!
八高線のホームにある立ち食いソバ屋にはカレーがあって、これがめちゃめちゃうまいのだ! うまいと言ってもホテルオークラの缶詰のようなうまさではなく、ワイルドな味わいのうまさ。コーンビーフが入っていて、よく煮込まれた2日目のコクがでたそれは、昔懐かしいキャンプで作ったカレーの味なのだ!
だまされたと思って食べてみて欲しい。…もっとも、貧乏味覚で、チープな味の好きな筆者と同じような味覚をもっていないと、本当にだまされることになるかもしれないが(^^; とにかく、ものは試しだ。
至福のカレータイムを終えて、いよいよ上越線で土合に向かう。
上越線は水上止まりが多く、土合駅のある区間は列車の本数が著しく少ない。一発で行ける列車がないので、とりあえず水上行きで水上へ行く。
水上到着。なんか先週もここにいたような…(^^;
そう、先週スキーの帰りに水上の常宿、奥利根館に泊まっていたのだ。なお、スキーも列車で行ったが、これは旅ではないので旅日記にはなっていないのであしからず。
先週はいそいそと帰ってしまったために買えなかった、水上温泉の湯ノ花を購入する。列車の待ち時間が中途半端なので、温泉につかりに行くわけにもいかず、適当にぶらついて時間を潰す。水上はまだまだ雪が残っていて、春はちょっと遠そうな気がした。
お待ちかねの長岡行きが入線する。水上から土合まで2駅しかないのに、なんか待ち時間がもったいない。ま、水上よりも上越側は時刻表でも違うページに載っているぐらいなのでつながらないのは仕方ないか。
2駅なのであっという間に到着。途中にループトンネルがあったはずなのだが、景色が見えないと列車がカーブしているかどうかがわからないため、気づかなかった。カーブして横Gを感じるほど曲がっていたら、それはそれで恐いけどね(^^;
真っ暗なトンネルの中に突然出現した駅、これが土合駅だ。降りたのは筆者ただ一人。 列車が行ってしまうと、そこにあるのは闇と静寂のみ。なんか不気味…
出口、および上りホームは地上にあるため、下りホームには486段もの階段が延びている。段数だけ聞いてもぴんと来ないのだが、まさに見上げるほどの階段が眼前にそびえていると、ちょっとびっくりしたりする。しかも、まっすぐと地上に向かって延びており、その先に光が見えてたりする。天国への階段?
さて、見上げていてもしかたないので、さっさと登ってしまおう。階段の横にわき水が流れていたりして、気分はちょっぴり鍾乳洞(笑) 階段は5段おきにわずかだが踊り場の様になっており、リズムよく登っていける。途中、300段ぐらいに休憩所があり、ベンチが置いてある。健脚ならば問題ないが、やっぱり一気に上れない人はいるだろうなぁ。ここって、下りホーム利用する人がいるんだろうか…(^^;
さすがに息が切れてきた頃、地上に到着。踏み台昇降状態で、心拍数が上がっている。それにしても地上は寒い。地下ホームは年中同じような気温だろうから、冬なら暖かく感じたはずだ。どうせ上り列車なんかしばらく来ないんだから、慌てて登ってこなくても良かったかな?
外は一面の雪景色。
水上はまだ太平洋側だったが、ここは日本海側になる。さすがに真冬の豪雪状態ではないが、ようやく雪解けが始まったところか。上りホームは使うところだけ除雪されており、まだ1メートルぐらいの積雪があった。やっぱり雪国は大変だなぁ。でも、たまに訪れる旅人にとってはこの雪景色は心にしみる風景である。トンネルもおもしろかったが、やっぱりお天道様の下が気持ちいいね♪
駅は何年か前までは有人駅だったらしく、名残の改札や、窓口があった。雪国によく見られる、広い待合室のストーブには火がともることはない。そんな冷え切った待合室だったが、今日はにぎわっていた。この土合駅、登山の入山口になっているようで、大学の山岳部らしき人たちが待合室で荷物をまとめなおしていた。下山してきて、これから帰るところのようだ。
ロビーには入山した人の名前を書いて入れるポストと、雑記帳が置いてあった。雑記帳というのは特徴のある駅でたまに置いてあることがある。この駅がすきな人が好意で管理しているノートで、旅の足跡や、通っている人たちの連絡帳みたいになっているものである。場所が場所だけに、下車する人種が限られているらしく、品性下劣な落書きがあまりなかった。山登りをする人や、ここでわざわざ下車するようなテツに悪い人はいないということだね☆
筆者も足跡を残して置いた。バックナンバーも含めてノートがきちんと管理されているところだと、何年も前に書いた自分の足跡に再び出会うなんていうイベントが発生
したりして、結構感動するものである。ほら、また今度来ようなんて、もう考えてるよ(^^;
いやー、旅は楽しいねぇ♪
ほかにすごかったのが自動販売機。自販機があるのは非常に嬉しいのだが、中身は全部「つめた〜い」…
自販機から出して、その辺に転がしておくだけでも十分冷たいやい!
「あったか〜い」のがないのは泣けた…。
列車が来るまで、例によって1時間以上あるため、気を取り直して、というか、温かいドリンクを求めて駅の周辺をうろついてみる。
駅のすぐそばには国道があり、駅としては便のいいところなのかもしれない。ただ、下りホームは486段だが…。
駅から見えた建物はドライブインだった。ここにはさすがに「あったか〜い」飲み物があった♪ やっぱ地獄に仏、雪国に自販機だよな。ただし、一部に例外があるみたいだけど…。
山の陰になり、早くも太陽がかげってきた上りホームに列車がやってきた。
今回は土合駅だけの旅だったが、土合駅で一日を過ごすのも十分おもしろかった♪
いつもなら新幹線で一気に抜けてしまう山間の駅にも、まだまだおもしろい駅がたくさんある。
行ったことのない場所は限りなく多く、一度行った場所でもまた今度来ようと思う。旅に終わりはないのだ☆
下りホームより出口、および上りホームへいくための階段。その段数なんと486段! 階段の左端には現在の段数が刻まれているのだが、かえって気力をそがれるような(^^;
歩くの得意な私にとっては問題ないが、地元のお年寄りには非常に酷な駅だな…。ちなみに、途中に休憩のためのベンチまである。
(土合駅下りホームにて)
雪景色の中を入線してくる115系。
駅の出口よりもさらにもうちょっと高いところにある上りホーム。これが同じ駅とは信じられない光景だ。
下りホームの写真と較べてみよう!
(土合駅上りホームにて)