鋼鉄の愛馬と魔法の書が君を四大陸へいざなう。
知らない場所、初めての街、さまざまな出会いが軌道の先にある。
シャレてる暇はない。さあ、出発の時間だ!
第0008号
2001.03.30-04.02

2001.03.30-04.02

・遅咲きの火の国 〜豊肥線〜


 豊肥線菅尾駅にてDC125。単線ディーゼルはロマンだ♪
 このあたりは別府に比べて桜の開花は進んでおり、ほぼ満開だった。
(豊肥線菅尾駅ホームにて)

 SLあそBOY。連結作業中、間近を通り過ぎる大迫力のSL。ちなみに写真は後ろ向きで走っている時のもの。奥に見える茶色のがアメリカ風客車である。
(豊肥線宮地駅構内にて)

3/30(金) 〜東京〜寝台特急富士
 さあ、いよいよ今年も桜の季節がやってきた。となれば、恒例「桜旅」の開始だ♪
 今年は九州から桜前線を追いかけるぞ! と、意気込んでいたものの、東京、横浜の桜の開花が予想外に早く、すでに横浜は満開だ。九州の方もさほど変わらない状況のようなので、いまいち追いかける、という雰囲気は味わえないかもしれない。
 ま、要は旅先で桜が見られればそれでよいので、気合いを入れて出発だ。
 今回、まず第一のミッションとして、栄光の列車番号1である、寝台特急富士に乗るというのを設定した。やはり鉄として、列車番号1を乗っておく必要があるだろう(?) 富士は東京発1657なので、定時に仕事を上がったのでは乗ることができない。さらに、どうせなら始発から乗りたいということで、金、月と会社を休むことにした。せっかく有給休暇があるんだから、こういうときこそ休まないとね。
 夜行で出発なので、前日はいつも通りに仕事をして、期末の仕事を片づけ、綺麗な体で旅立ち当日を迎えた。夕方出発とは言え、ここで遅起きしてしまうと体調を崩す可能性もあるのでいつも通りに起床。足りない物を補充して準備を終えると昼になっていた。
 外は夜行まで待つのはもったいないほどのよい天気。

待ってる場合じゃない!!

 桜も満開なので、撮影しながら東京へ向かうことにした。
 中央線東中野の桜並木をターゲットにする。
 ちょうど桜も満開で菜の花も咲いていて最高のタイミング! 何人か撮影をしているひともいた。ただ惜しむらくはちょっと夕方になって日が傾いてしまったこと。こんなことなら朝から撮影に出ていればよかった。ちっ。
 撮影後東京へ。

 富士には車内販売がないとのことなので、午後ティー500x3と駅弁などを買い込んで入線を待つ。と、本来の牽引車ではなく、さくら、はやぶさのヘッドマークをつけたEF66が客車を引っ張って入線してきた。しかも、車両が多いために、牽引車が前に連結されると、どうやってもホームからは撮影できない…。
 しかたないので、入線時に牽引役を演じたEF66を撮影して終了とする。これなら横浜駅に入線してくる富士を撮影した方がよかったなぁ。…ま、富士を撮影するだけなら、いつでもできるか♪

 発車時間になると、まるで貨物列車のように衝撃とともに客車が動き出す。う〜ん、このレトロさがいい感じ☆
 さて、列車が発車してしばらくすると、今夜お隣さんのじいちゃんと会話が弾む。さらに横浜で乗り込んできたじいちゃんも加えて旅話が盛り上がる(笑) こういう人の交流が一人旅の楽しみでもある。

わざわざ遅くて高い夜行列車に乗った甲斐がある♪

 でも最近若者ではなく、年輩者が多いなぁ。ましてやおねーちゃんなどまずあり得ない(^^; ま、おねーちゃんが一人旅してる確率低いからなぁ…。
 沼津あたりで、雑談はお開きとなり、それぞれ自分のベッドにもどる。
 明日のプランを全然考えていなかったので、いろいろ考える。その結果、

当初予定していた旅程は実現不可能!

であることが判明した(^^; 当初予定していたのは阿蘇、雲仙、唐津、熊本城。いやー、やっぱ、広い地域が対象の場合、一日一ヶ所ぐらいで予定を立てないと時間がなくなる。
 結局、頭の中の計画はすべて破棄し、新たにプランを練り直す。目的地は阿蘇と唐津に限定し、列車の日を追加、熊本城、雲仙と諫早湾干拓事業視察(笑)は今回断念することになった。もちろん、時間があれば随時変更していく。
 本日の旅日記を書いて、寝台特急の夜をのんびり堪能することにする。あ、ちょうど今夜最後の車内放送が始まった…。

3/31(土) 〜別府〜大分〜豊肥線〜SLあそBOY〜熊本
 寝台特急の夜はなかなか快適であった。向かいのじいちゃんは今日の列車はいつもより揺れてよく眠れなかったらしい。確かに、いつもの列車に比べると、発車時や停車時の揺れに似たものがスピードを変えたときにも現れて、結構大きく揺れる。…のだが、オレには関係なく、爆睡(笑)
 下関で機関車を付け替える。昨日確認できなかった牽引車だが、どうやらEF66だったようだ。先頭までたどり着いたときにはすでに切り離されており、遠くに行ってしまったため撮影できなかった。そして代わりにEF81が富士に連結される。ヘッドマークはつけていない。なぜなら、トンネルをくぐって九州に入ったらまた機関車を取り替えるからだ。機関車の性能についてはよく知らないのだが、電車は電車でも本州は交流、九州は直流が供給されており、直交両用の車両でないとこの区間をわたれない。もちろん、ディーゼルは話が違うが。おそらくEF81は直交両用の機関車なのだろう。で、下関所属なので、九州に渡ったら九州の担当に引き継ぐだけの役目と思われる。門司で再び機関車を取り替える。今度のED76は富士のヘッドマークがついていた。たぶん直流専用だと思われる。あとで調べておかないとな。
 さて、昨日の検討により、旅程が大きく変わった。当初、富士は終点の大分まで乗るつもりでいたが、ひとつ手前の別府で降りて温泉に行くことにした。
 別府で富士を見送り、別府でもっとも有名(と思われる)竹瓦温泉へ。歩いていく途中、風が強かったせいもあるのだろうが、

横浜よりも寒いんですけど…

 桜も横浜では満開だったのに、こっちはまだ5分咲きといったところ…。これじゃ桜旅にならないんじゃないかと少し心配になってきた。
 その竹瓦温泉は大きな通りからひとつ入ったところにあったので、危うく通り過ぎるところだった。見つけられたのはこの風格のある建物のおかげ。史跡に指定されている愛媛の道後温泉バリの古い建物だ。今日はなにやら温泉祭りの最中と言うことで、なんと温泉がタダ♪ しかし、せっかくなので竹瓦温泉の砂風呂にも入ることにした。こちらは有料。タオルは持参していたが、別府温泉のタオルが欲しかったので購入した。
 砂風呂は指宿が有名だが、ここのも結構有名らしい。指宿は屋外だが、ここは屋内。入ってみると外見と同様、かなりロマンを感じさせる造りだ。写真撮影を頼んだらOKということで、一枚撮らせてもらった。砂風呂はサウナのように効く感じで、発汗が活発になる。
 砂風呂のあと、普通の温泉へとはしごする。こっちもものすごいノスタルジック…。そういう造りなので洗い場はない、というか蛇口もない。とはいえ、頭も洗いたいし、ひげも剃りたいので、洗面器だけで用を足す。こんなことしてるやつはいねー、と思ったのだが、地元民にとっては当たり前の行動らしい。おかげで白い目で見られずにすむ(笑) それはそうと、

この温泉、熱いぞ!

 あまりの熱さに入れなかった人もいた。オレは我慢して入ってみたものの、1分とつかっていられない。しょうがないので断続的に入る。お湯が熱かったせいか、ものすごく体の芯から暖まった♪ 温泉から出るとさらに風が強くなっていて寒さが増している。暖まっていなかったら凍えてしまいそうだ。
 別府は竹細工が有名で、竹の資料館なるところに行きたかったのだが、今回は豊肥線のほうを優先することにして別府駅へ帰還する。
 窓口でSLあそBOYの指定を受ける。ちなみに今回の切符は九州旅行には欠かせない、九州グリーン豪遊券。その名の通りグリーン車ですら乗り放題という、無敵の切符だ。ゾーン券にも九州全部が含まれる切符が存在するが、豪遊券のほうは、九州までの交通手段に制限がないのが特徴。飛行機で往復して豪遊切符が一番安いだろう。もっとも豪遊券は20900円なので、よっぽど気合いを入れないと元が取れないと思われる。少なくとも、一晩はドリームにちりん、あるいはドリームつばめで夜を明かすぐらいしないとね♪
 SLあそBOYは指定に800円かかるので、元を取るのに一役買う。なお、同じように全席指定のゆふいんの森号などの指定券もただで受けられるので、利用して欲しい。
 SLあそBOYにあわせてこれからの列車を検討する。

が、なんとこの間にお目当ての白いソニックを逃す!

 慌ててホームに向かうが時すでに遅し。大失敗である。今回のミッションのひとつに885系ソニックの撮影、ってのがあるので、何とかしたいのだが、今日はもう遭遇できそうもない。白いソニックを撮影してSLに乗ったら終わってしまうので、豊肥線途中下車の旅を優先して、白いソニックは最終日になんとかGETすることにしよう。
 1210発豊後竹田行の各駅停車、キハ31で豊肥線へ。豊肥は「ほうひ」と読み、なんかくさそうな感じがするのだが、そんなことを想像しては失礼だ。車窓は田舎町から山里へと風景を変えていく。午後の最初の列車だったので、学生で混んでおり(今日は土曜日だ!)、座れなかったので電車でGO席を確保。もっとも、電車ではないが。単線ディーゼルワンマン列車はやっぱりおもしろい♪
 行き違いを繰り返すうち、豊肥線にはいろいろな車両が走っていることがわかった。本数も結構多い。
 まずは基本は今乗っているキハ31系。そして黄色が鮮やかなDC125系。特急あそはDC185系。さらに新型の赤いDC200系という車両。この新型は今回始めて見た。銀色のボディでドアだけ赤塗りの電車の815系のカラーリングをひっくり返した、車両が真っ赤、ドアが銀色のカラーリング。DC125系を進化させたようなフラットな面をしている。明日も豊肥線をうろつくので、乗る機会があるかもしれない。
 のんびりと各駅停車に揺られるうち、桜の綺麗な駅を見つけた。さっそく途中下車(笑) 駅名は菅尾(すがお)。無人の小さな駅だが、桜は立派である。幸いなことに、大分行きの列車がすぐにくるようなので、桜をバックに撮影する。やってきたのは黄色のDC125。青空、桜、黄色の車両のコントラストがよい。って、昨日も同じ文を書いた気がする(^^; しかし架線がない分、今日の方が断然よい。

単線ディーゼルの勝利!

 ま、駅構内は一時的に複線だけどね(^^;
 30分待ちで阿蘇・熊本方面、三田町行の列車がやってくる。このぐらいの本数が走っていると、途中下車も簡単にできてよい☆
 三重町止まりで、そこから先は後発の特急あそ4号に乗り換える。別府からこの特急に乗れば、白いソニックに会えたのだが、そうすると菅尾の桜には会えなかった。白いソニックはこれから先も九州を走り続けるだろうから、またいつでも見れるしね。
 あそ4号に乗り、宮地という駅で下車。SLあそBOYはここが始発駅だ。宮地に入線するなり、SLあそBOYと遭遇。ちょうど駅構内を付け替えのために走り回っているところだった。ただターンテーブルによる反転はすでに終わってしまっていてちょっと残念。でも、観客もわずかで、踏切も何もない構内を自由に見学してよく、すごく間近でSLの息吹を感じることができた!
 出発の準備を整えたあそBOYから目を離すと、向こうに阿蘇山が見えた。

…って、雪が積もって真っ白なんですけど!

 確かに、ここはものすごく寒い。九州とは思えないぐらいだ。いくら標高が高いとはいえ、まさかこの季節、九州で雪山を見ることになろうとは思いもよらなかった。…明日、覚悟して登ろう。
 SLあそBOYの客車は3両。アメリカ風ということで、売店カウンターのおねーちゃんもウェスタン風。そしてなんと、車掌もカーボーイハットにジーンズ…。

JR九州のこだわりはすごい♪

 例の機械を持っていなかったら、絶対車掌だとは思わないだろう(笑)
 JR九州は列車のデザインといい、カラーリングといい、こだわりを感じる。会社として元気がいいのでJR東日本よりも儲かっているのかと錯覚してしまうほどだ。やっぱ、九州の人はすごいね。
 しばらくの間、あそBOYからは雪の阿蘇山が左手にずっとついてくる。ぐるっと回り込むようにして列車が通っているのだ。この景色はなかなか絶景。
 そして、もっとおもしろいイベントが待っていた。

SLのスイッチバックだ!

 知らなかったが、これはうれしいサービス(?)だ。ま、SLに限らず、すべての列車がスイッチバックするんだけどね(^^; 33パーミルの勾配をバックするSL。もちろん、機関車の付け替えなどできるわけがない。一番後ろ、つまり今先頭になっているのは客車。そこには展望デッキがついていて、みんなが押し寄せる。もちろん、オレもその一人(笑) いやー、客以外いないよ。それはつまり、運転手が顔を出してバックしているだけという意味。10分足らずとはいえ、そんな運転で客を運ぶとは恐るべし…。
 おそらくワンマンカーの場合は、運転手が移動してちゃんと前に進むのだろう。まさかワンマン列車でバックするとも思えない。明日確認する必要がある。
 イベントも無事に終了し、暖かな日差しの中、うとうとしながら贅沢な時間が過ぎ、終点熊本に到着。やっぱりぼうっと汽車に揺られるのって、いいリフレッシュになるねぇ♪
 あそBOYのおみやげは熊本−宮地の切符をあしらったストラップ。

 明日は阿蘇山に出かけるので、また豊肥線だ。朝一で阿蘇山に向かうために、まだ日が沈んでいないが熊本に宿を取ることにする。
 ノートPC、カシオペア、携帯電話、デジカメなどの電子機器のバッテリーがそろそろやばいので、早々に宿に入って充電を開始。
 その間に熊本ラーメンを食べに出かける。ガイドブックでうまそうに見えたラーメンを食べにいく。…オレ的には新横浜でお気に入りの屋台の熊本ラーメンの方が好きだ。ま、こういうのは個人の好みなので、あまりどうこう言うものではない。
 さて、お次は馬刺。…と思ったのだが、すでにおなかが一杯だ。馬刺高いし(^^;
 ところでラーメン屋は熊本駅からちょっと遠い、というか、熊本市街地から熊本駅が離れているのだが、交通手段には路面電車を使う。旅先でよくある路面電車だが、これは結構便利。バスなんかよりもよっぽどいいので、東京や横浜にも導入して欲しいものだ。電車から熊本城の長い城壁が見えた。やっぱ、石垣は日本一かなぁ。福岡城趾の石垣も立派だけど、あっちは天守閣がないからねぇ。今回、熊本城には行く暇がないだろうなぁ。
 熊本、一度は住んでみたい街である。


 別府竹瓦温泉の砂風呂。みよ、レトロな雰囲気である。
 おばちゃんが砂をばんばんかけてくれる。
 なお、間違っても残土処理場に生き埋めにされているわけではない…。
(別府竹瓦温泉)

 菅尾駅にてキハ31系。菅尾駅撮影で一番になれなかった写真。桜が列車にかぶるぐらいだともっとよかったんだけど。
(豊肥線菅尾駅ホームにて)

4/01(日) 〜阿蘇山〜豊後竹田〜岡城趾〜阿蘇…(^^;〜熊本
 阿蘇行の朝一番の列車に乗るため、0500起床。チェックアウト時、宿の主をたたき起こす。うーむ、この宿、個人経営なのか(^^;
 0615の宮地行普通列車を待っている間、めちゃめちゃ寒い…。今日も寒いのかなぁ。夜明けの熊本駅を撮影し、ようやく入線してきた普通列車に乗り込む。車中がまだ暖まっていなかったため、列車が走り出してもまだ振るえている(^^; そして待ち望んだ日の出。さすがに九州は日の出が遅い。
 今日もすこぶる快晴♪ 旅の間は雨降らないよなぁ☆
 昨日ぐっすり寝たせいか、ほとんど眠くない。体の調子もよい。阿蘇まで車窓を楽しむ。
 さて、お楽しみの立野でのスイッチバック。キハ31とキハ147の変則2両編成でワンマンではないが、運転席を変わるかどうか。…やっぱり運転手は窓から顔を出すだけで、列車をバックさせていく。こんなスイッチバックをしているのはここだけじゃないか?
 立野の山を登り切ると、阿蘇エリアに突入。

って、あの白いのは霜か!?

 昨日も寒かったが今日は朝早い分さらに寒いらしい(^^; 赤水駅の近くの田んぼには氷も張ってるし…。今日から4月だってのに、冬並みの冷え込みだな。エイプリルフールだからか?(笑)
 阿蘇駅に到着。駅の名の由来のところに、昔は坊中駅という名だったと書いてある。夜行列車の中で出会ったじいちゃんが、昔、小学校の遠足で坊中駅から火口まで歩いて登ったと言っていたが、その駅は今は阿蘇駅と名前を変えているのだ。どうりで時刻表見ても坊中駅なんてないわけだ。
 やっぱ寒い。朝一番のバスに乗れるようにとこの列車を選んだのだが、始発のバスまで1時間ある。阿蘇山は遠くに見えるので歩いていける距離じゃない。が、ただバスを待つには寒すぎる。必要な荷物以外、コインロッカーにたたき込み、とりあえず歩き出してみる。じいちゃんだって小学校の時歩いたんだし。次のバス停までは歩けるだろうという魂胆だ。

…次のバス停なんてないよ(^^;

 40分ほど歩いてしまって、戻るに戻れない。

もう、こうなったら阿蘇でもどこでも歩いてやる!

 こうして、今日の大変な一日が始まったのだ。
 快晴の空の下、鼻歌でも飛び出してきそうな軽い足取りで阿蘇山を目指す。実際、歩くことはさして苦痛ではない。と、ハイキングコース発見。近道と書いてある。さっそくその林道に踏み込む。あとで知ったのだが、ここで近道を選択しなければ、もう少しで次のバス停にたどり着けたのだが…。
 そうとは知らず、さくさく歩いていく。近道の入り口のところで「あと13km。120分」と書いてあり、意外と楽勝じゃん、と思ったのだ。
 近道が終了し、もともとの国道に出る。ここの看板には「あと14km」と書いてある。

増えてるやんかぁ!

 この辺から、きな臭いにおいがしてくる(笑)
 でも近道の看板にあるように、三合目までは60分でクリア。でも、山を見上げるととてもあと60分でたどり着けるとは思えない。しかし、バス停はない。この状態ではとにかくバス停のあるところまでは歩くしかない。
 真っ青な空に、雪をいただいた山がとても綺麗だ。歩き始めてしまったのは失敗かなぁ、と思いつつ、この景色が見れるならそれも帳消しだなと納得する。上ってくる車もそう多いわけではなく、この雄大な景色をひとりじめしているようで気分はよい。歩くという作業は肉体的に負荷が小さいかわりに精神的に強くないと続けられない。のんびりと歩いていくのが一番だ。
 およそ四合目あたりで、始発のバスに追い抜かれる。予想はしていたが、やっぱり抜かれるとちょっと悔しい。
 さらに進むと、勾配がきつくなってきて、そろそろふくらはぎに疲れを感じるようになってきた。天気はいいが、別な方の雲行きは怪しくなってきた。
 そしてようやくバス停のある火山博物館の建物が視界に入ってくる。目の前には草千里のすばらしい景色が広がる。最後はへろへろになって博物館の喫茶店へ。結局13kmを2.5hで歩いた。が、火口までは確実に5km以上ある。

看板はいつも嘘つきだ…

 喫茶店でカロリーと水分の補給を行い、バスの時刻表を確認すると、もうすぐ二番目のバスがここに到着するではないか。慌てて残りをかきこみバス停へ。火口西駅までは140円。もうちょっとだったが、そのもうちょっとは歩けそうもなかった(^^;
 火口西のバス停からは山頂までロープウェイがあり、4分で距離1km、高度110mを一気に運んでくれる。いやー、文明ってすごいね。
 で、もっとすごいのが自然。周囲4kmもある火口は、ものすごく深く、緑色の火口湖からは蒸気が高く登っている。今はおとなしいが、ちょくちょくやばくなるようだ(^^; どうせならやばいぐらいがよかったのだが。
 火山博物館に行くため、再びバスに乗らないといけない。タイムリミットはたったの10分(^^;
 とはいえ、火口は危険なためのぞき込むだけで、散策したりはできない。さっと見て、さっと帰る。ロープウェイの往復運賃がちょっと割高な気がするが、時間には変えられない。って、さっきまでさんざん歩いて時間をかけたオレが言っても、なんの説得力もないが(^^;
 火山博物館は結構しっかりとした展示をしていた。特にビデオものが多く、展示スペースに対して展示内容が濃い。上映していた阿蘇山の映画(?)はよくできていた。やっぱ活火山はすごいね。これほど端的に自然の力を誇示できる物はほかにないだろう。
 で、この博物館で初めて知ったのだが、阿蘇とはひとつの山を指すのではなく、この一帯を示す言葉のようだ。阿蘇山とあえて言うと、阿蘇の街すべてをすっぽりと納めてしまう巨大なカルデラを持つ山を阿蘇山と呼べるだろう。立野でのスイッチバック、実はこのカルデラに入るための急勾配なのだった。
 筆者が阿蘇山だと思っていたのは実は阿蘇五岳のひとつで、噴煙を上げているもっとも活動の活発な中岳という山だった。歩いて登ってくるときに正面に見えていたのは杵島岳という山らしい。先に博物館で予習しておいた方がよかったなぁ。
 結局、バスを一本遅らせて博物館を見学した。博物館をちゃんと見るには半日ぐらい必要かも。
 ちなみに、ここで売っているソフトクリームはこくがあってなかなかうまい。
 予定を軽くオーバーして阿蘇駅に帰還。バスから特急あそ3号で豊後竹田へ向かう。岡城趾というところで桜祭りをやっているという。で、この岡城ってのは滝廉太郎のあの荒城の月に歌われている城だというのだ。半日弱となった残り時間をつぶすには適当な素材ではないだろうか。
 と、あまりにも乗り継ぎがぴったりだったので気づかなかったのだが、なぜかバックがひとつしかない…。

あ、コインロッカーから荷物出すの忘れたよ!(^^;

 すでに列車は走り出してしまっている。っていうか、もうひとつやふたつぐらい駅を過ぎてしまった。
 まあ落っことしたわけじゃないし、後で取り出せばいいか。慌てたのも一瞬だった。未来に向かって爆進する。そんな自分の生き方が好きだ(笑)
 豊後竹田駅は駅舎がもう城っぽい。駅から見える丘に満開の桜が見える。山城なら大抵丘のようなところにあるので、勝手に思いこんでそこへ行ってみるが、それらしい看板はない。改めて地図を見ると、ここは寺のようだ。城はもっと先だ。
 先ほどの火山博物館で学んだことによると、このあたりの地形も阿蘇の火山で形成されたもので、切り立った地形が特徴的だとのこと。確かに、ものすごい立体構造の街だ。それも坂ではなく、がけの上にいきなり道があったり、建物があったりする。びっくり地形だ。
 岡城趾が見えてきた。1kmなんて、今日の筆者には”へ”でもない(^^; ただ、足には結構キているけど。阿蘇は寒かったが、ここは桜が満開だ。
 岡城趾の入場券は巻物の形をしたおもしろいものだ。九州人はこるのが好きらしい♪ で、城の案内図を見てびっくりする。
 本丸はもちろん、二の丸、三の丸、廟所、西の丸…、すべての縄張り(城郭の見取り図のようなものを意味する専門用語)がほぼ完全に残っている。山城で、一方は川、他はすべて切り立った崖ということで、堀はない。この崖もそんじょそこらの崖ではなく、火山活動によって生み出された切り立った岩の崖だ。そこに堅固な石垣が組んである。さらに、細長い形をしているため、正面あるいは裏門から天守閣まで行くには間にある門や壁を越えないといけない。進行ルートが限られるため、非常に堅固な城であるといえる。
 わかる人にしかわからないと思うが、城の形態としては愛媛の松山城に似ている。松山城をもっと細長くした感じといえばいいだろうか。でも城の敷地内での高低差は松山城よりもある。
 登ってみてその石垣のすばらしさに声を失う。こんな崖の上にあるにもかかわらず、精巧な切り込みはぎの石垣が見受けられる。岩の断面から個人的に判断したものだが、おそらく近代の修理によるものではない。建設当時のものとは言わないが、江戸時代以前に改修されたものだろう。
 荒城と歌われただけあって、樹木の力によりかなり破壊が進んではいるものの、石垣がほとんどすべて現存しているので、城の面影をよく伝えている。石垣以外には遺構はないが、この城跡はすばらしい。たいしたことないだろうと思っていたのだが、思わぬ発見だった♪ 天守閣などなくても、十分すぎるほどの魅力がここにはある!
 崖の上にあるということで、景色もすこぶるよい。よく晴れていたおかげで、久住連山なども綺麗に見えた。
 そして城には付き物の桜も満開で美しい。桜祭り中なので、人が繰り出していたが、東京のバカ騒ぎとは違い、みんなで桜の花と春を満喫していた。混雑するほどには人がいないのもよい☆
 本丸後から、180度開けたパノラマを眺めながら、屋台で買ったたこ焼きをパクつく。

とにかく、絶対おすすめ!

 城ファンはもちろん、そうでない人でもこのスケールには感動すること間違いなし!
 ハウステンボスに行く暇があるならここに来た方が絶対いい! って、筆者はハウステンボスなんて行ったことないんだけどね(^^;
 疲れているはずの足だったが、岡城趾のあまりのすばらしさに、疲れも忘れて敷地全部を見て回る。写真もあっという間に100枚突破。
 帰り際、絶対にまた来ようと心に誓う。できるならばこのすばらしさを他の人にも伝えたいと思った。

絶対の絶対おすすめ!(しつこい(^^;)

 興奮冷め止まぬまま、列車の時間にあわせて豊後竹田駅に戻ってくる。あまりに感動が大きかったので、他の物を見る気も起きなかった。駅に着いてみると、かなり足が痛い。うーむ、城を歩いているときは気にならなかったのだが…。しかもめちゃめちゃ疲れてるし。
 当初、今夜は夜行特急ドリームつばめで夜を明かそうかと思っていたのだが、足の疲れは列車での座ったままの体勢では逆に悪化すると思われる。それ以上に気力が持たないので、今日もまた熊本に宿を取ることにした。阿蘇にも荷物を取りに帰らないといけないしね(^^;

 阿蘇まで行く列車がなく、宮地駅で列車を待っていると、昨日見かけた新型の汽車、キハ200系が来た。
 ひそかにほくそ笑んで乗り込むと、車内アナウンスで「危険ですので窓から顔や手をださないように…」と言われた。でも…

この車両、窓開かねーんですけど(笑)

 阿蘇で荷物を回収した後、列車まで1hほど時間があいてしまったため、駅前にあった国民宿舎の温泉に入ることにする。300円で入れるのでグッドだ☆ なぜか成分表が張っていなかったが、硫黄泉ではなく単純泉のようだ。お湯は無色透明だったが、鉄分がかなり含まれているらしく、鉄の味がする。アルカリが強いようで、皮膚がだいぶ溶けてしまったようだ。唇とか、顔とかがひりひりする。

 熊本駅に2040着。今日は長い一日だった。温泉で多少回復したとはいえ、とにかく足がダメなので、外に食べに行く気力もなく、コンビニメシで晩飯とする。
 今日は阿蘇も岡城趾も印象に強く残るスポットで、とても有意義な一日だった♪

体はぼろぼろだけどな(^^;

 本日の万歩計…34118。一歩55cmとして…18.764km。こんなに歩いたの、中学生以来だ(^^;

↑キハ200系。夕日を浴びた車体は、より赤く輝く。JR九州の車両はカラーリングがカッコイイ。
(宮地駅構内にて)



←岡城趾の石垣を見上げて。荒城の月ということで、画面上から2/3の中央部に月を入れてみたんだけど見えるかな?
(岡城趾にて)

4/02(月) 〜鳥栖〜西唐津〜唐津城〜博多〜福岡空港〜帰宅
 今日は昨日よりも30分遅いが、それでも0645。しかし、昨日と大違いなのは、太陽ががすでに昇っている点だ。空は快晴! さすが天下の晴れ男だ(笑) 熊本駅から乗り込んだのは787系の特急有明4号だ。つばめと同系列の車両を使用している有明は、カラーリングも同じ。ただ、「ありあけ」とかかれた赤い四角がある点が違う。
 今回の旅では485系の古い型の特急を見かけない。新型の885系特急の導入で、引退に追い込まれてしまったのだろうか? 旧友に会えないみたいで、ちょっと悲しい。
 なんて言った舌の根も乾かないうちに、鳥栖駅で新型885系の「白いかもめ」を待つ自分がいた(^^;
 お目当ての列車をホームの端で列車を待ち受けて撮影し、今度はダッシュで列車を追いかけて乗り込む!

ふう、自分が乗る列車を撮影するのは危険だ(^^;

 革張りのシートに驚きつつ、座ってみると、その座席間隔の広さにさらに驚く。他の列車もこのぐらい広くしてくれると楽だなぁ♪
 たった一駅行った佐賀駅にて下車。ここから唐津線で唐津へ向かう。
 唐津線はディーゼル単線ということで、キハ47系のワンマン運転をしているようだ。ただ、乗り込んだ列車はなんとキハ47系3両、キハ40系1両の4両編成! 長い!(関東の通勤列車と比べてはいけない)
 がたんごとんと揺られるうちにうとうとしてくる。いつもなら月曜日のこの時間といえば、学生達の通勤ラッシュに巻き込まれるところだが、今日はやつらは春休みなのでほとんどいない。まるで休日のようなのんきさだ。街景色なので、半分寝ながら唐津へ。と、この列車が西唐津行きだというので、終点まで行ってみることにした。唐津線全制覇のおまけ付き♪
 どんなローカルな駅が待ってくれているのかと期待したのだが、なんと大きな車両基地に到着…(^^; 乗ってきた4両は車庫に入っていく。そうか、朝のラッシュで増発していた車両を、しまうために4両もの長い編成だったのね。納得。5本に1本ぐらいしか西唐津に行かないので、まあそれなりに貴重な体験だった。
 前述のように、列車が車庫に入ってしまったので折り返す車両はない。勢いで西唐津まで来てしまったが、目的地は唐津だ。が、西唐津から唐津へは1kmちょっとしかないので早速歩き出す。

うー、昨日のダメージが残ってる…

 しかもフル装備の荷物で足取りは重い。が、いきなりバス停を発見。道路のこっち側にあるということは、唐津駅の方角に行くということだ。時刻表を見てみると、1時間に10本以上の高密度なダイヤで運転している働き者のバスらしい。しかも、見ればそこにバスが来ていたりする。ラッキー♪
 どうやら唐津駅にも唐津城にも行かないようだが、方角はあっているし、終点が大手口ということで乗り込んだ。大手というのは城の正面玄関を指す言葉なのだ。城というのはどこの城にも同じような地名がついているので、知っていると初めての街でもだいたいどういう場所なのかがわかる。
 たとえば、材木町なんてのは材木を扱っていた場所で、城、武家屋敷のさらに外側に位置し、船が出入りできる海や大きな川がある場所、なんて具合だ。城に近い場所で人の名字が地名になっているところは、その名前の武士が住んでいた武家屋敷があったところで、城には結構近いところだ。他にも「堀」なんてついている地名の場所は、その昔は堀だった可能性が高い。ためになるね!
 大手口には市役所があり、やはり城にゆかりのある場所らしい。が、普通大手町というと城にかなり近いはずなのだが、唐津城はまだ1.3kmと看板に示されている。それでも西唐津から歩くよりは断然ましだ。列車から見えた唐津城は海に面したところに建っていたので、どうせなら海の方から接近を試みようということで、海岸へ出る。

しかし、砂に足を取られて、疲れ倍増(^^

 すぐに城が見えてきて助かった。1.3kmは近い近い☆
 砂浜から石垣が伸びている城は初めて見た。さすがにちょっと痛んでいるようだが、すぐに倒壊してしまうようなダメージはないようだ。
 天守閣のある本丸の規模はそれほど大きくもないが、解説を見てみると、どうやら武家屋敷全部を城壁が囲んでいたようだ。こういう広い城壁をもつ城は珍しい。ま、農工商の民まではさすがに城壁に入れていないわけだが、日本の城郭には街を守ろうというコンセプトが基本的にないものなのだ。
 その昔、元寇にあった地なので、外敵との接触の経験がそういう城を造らせたのかもしれない。
 虹ノ松原でも一望しようと天守閣に登る。310円なり。鉄筋コンクリートの模擬天守閣なので、歴史的価値はほとんどない。中は博物館になっていたが、昔の物を並べてあるだけでぜんぜんおもしろくない。が、城の説明のところで驚くべき記述を発見した! 

唐津城に天守閣はなかったようです

 なにぃ!、んじゃこの天守閣は適当に造ったんかい!
 詳しく絵図などを見てみると、江戸時代にかかれたものには天守台(天守閣の土台となる石垣)しかなく、また天守が焼失したなどの記述もないとのこと。やっぱり、今の天守閣は設計図すら参照していない真っ赤な偽物のようだ(^^;
 観光客を寄せるため、街のシンボルとして建設した物、というところか。
 一般の観光客は天守閣があるってだけで、ぞろぞろツアーを組んでやってくるからなぁ。本当に城の価値を重視している筆者のような人間はほとんどいないのだ。そう、そこのおっちゃんとおばちゃんは、天守閣に登るまでの石段が気に入らないらしく、「エスカレーターにしろ」などとのたまう始末。 

それが嫌なら城になんか来るな!

 文化財をなんだと心得えているのやら…。
 ま、予想していたとおり、あまりおもしろい城ではなかったが、全国の城制覇にまた一歩近づいたわけだ☆
 日本中には城や城跡がたくさんあるので、道のりはかなり遠いのだが(^^;
 唐津城から唐津駅へ戻るとき、もう足がへろへろ。かなりだらだら歩く(^^; 昨日の疲れが抜けていないようで、体中だるくなってきた。さらに疲労からか頭痛もひどくなってきたし…。

だが、気力さえあれば!

 へろへろになりながら、なんとか気力をつないで駅へ。
 唐津からは筑肥線&乗り入れている地下鉄とあわせて博多へ。目的はただひとつ。

白いソニックを撮影せずに帰れるもんか!

 ただ白いソニックを撮影するためだけに博多駅のホームを走り回る。うーむ、完全に鉄だな(^^;
 日豊線発着ホーム1,2番線は3番線からの撮影に対して逆光になるため、1,2番線ホーム端から、列車の入線を狙うことにする。が、ビルの影でどうもうまくない。やっぱり撮影するには時間も考えに入れないとダメだなぁ。写真は奥が深い。
 せっかく会えた白いソニックもホームの影になってしまい、できはいまいち。
 ま、885系は5年以上走り続けるだろうから、また今度リベンジするか。これ以上粘っても、光の加減がよくなるわけではないのだ。
 意外にもあっさりとあきらめて、早めに空港へ。というか、撮影で走り回っていたら、さらに疲れが悪化。って、当たり前だ! こんなにへろへろになったのは久しぶりだ。やっぱり旅は3日ぐらいでいいや。それ以上長いと体がもたないよ…。って、全力で遊んでるからしょうがないよな♪

 空港での目的はただひとつ。

飛行機の離着陸見学だ!

 いやー、さっきまで「白いソニックぅ〜」と言っておきながら、なんて浮気性なんだ(笑)
 早いうちに空港へ来たので、明るいうちに1時間半も離発着を見学できてしまった☆
 日が暮れたらおみやげを買う。会社のおみやげと、限定お菓子を買ったら5kぐらいになってしまった…。
 もういい加減立っているのもつらくなってきたので、椅子に座って体を休める。しかし、もちろんこの間も無駄にする筆者ではない。足は休めていても手は動かせる。待ち時間も旅日記を書いていればあっという間に過ぎると言うものだ。

 そろそろフライトの時間が近づいてきたのでチェックインと身体検査に行く。
 いつも身体検査で引っかかるので、ちょっと早めに言った方がいいだろう。
 身体検査の前に所持品および、装備をはずす。財布x2、カシオペア、デジカメ、ケータイ、データスリム、ポケットピカチュウ…。

あのー、トレイに入りきらないんですけど(笑)

 手荷物用のでっかいトレーに交換してもらって金属探知器を通過。
 でもって当然筆者は赤ランプ(笑) いつも引っかかるんだってば。が、いつもならベルトのバックルだけなのだが、靴のヒモを通す金具や、上着のボタンにまで反応する。たぶん、金属探知器の感度を上げてあるのだろう。今までは軽く終わっていたボディチェックもかなり念入りにされる。「脱げ」と言われなかったのは、見た目が善人そうだったからだろう(ホントかよ…)。
 これでチェック終了、…と思ったら、手荷物のバックが引っかかってて係員に呼ばれる。時刻表とパソコンしか入ってないのに、どうして引っかかるかなぁ…。結局2度目でOKになったのだが、こっちも厳しくなっているのだろう。。
 ………あっ、

そう言えば今回からドライバーセットと缶切りが入ってるよ!

 特にドライバーはセットになってるやつで、とんがってるやつも入っているではないか。缶切りもワインの栓抜きなんかもついてて、結構やばいのでは?
 よくOKでたな、と思う反面、そんな適当なチェックで危険物の持ち込みを阻止できるのかと心配してしまう。
 人の顔や態度で判断しているってのは、あながちウソじゃないのかもしれないなぁ。
 さ〜て、あとは飛行機に乗って帰るだけか。
 搭乗したのはB767。双発エンジンだったのでB777かと期待していたのだが…。
 離陸時、福岡の夜景がとても綺麗だった。やっぱり晴れている日のフライトはおもしろい。車のライトの流れが、溶岩流のように見えてしまったのは、阿蘇での火山博物館の影響だ(笑)
 夜行列車で丸一晩かかったのが、たったの1時間半で東京だ。しかも特割のシートなので夜行列車よりも7kも安いときたもんだ。うー、列車ピーンチ! 行きの夜行で会ったじいちゃんたちも心配していたが、夜行列車がなくなってしまうんじゃないだろうか。確かに夜行列車は高いし遅い。

でも、夜行列車は旅人のロマンだ!
ぜひ次の世紀へもつないでいって欲しいものである。

 飛行機の中で爆睡し、気づくと羽田空港に着陸するところだった。で、難なくランディング。今回の旅は旅の終わりの情緒を感じることなく終了(^^; うーむ、飛行機は楽だし便利だけど、夜行列車で戻ってくる方が旅の終わりって感じでいいなぁ。
 速さと安さだけを求めるのではなく、ロマンを重視する。それが「旅行」ではなく、「旅」なのだと思う。

 通称「白いかもめ」こと885系。
 塗装でなく、金属パーツでかもめのシンボルがかっこいい。シートはゆったりした配置になっており、しかも革張り!  中のスペースを重視したためか、ドアは1車両にひとつしかついていないが、その分を携帯電話スペースなどに確保するなど、時代のニーズを的確に捉えた最新型♪
 先頭車両の下側についている球体がとても気になる。もしかしてレーダー!?(笑)
(鳥栖駅ホーム端にて)

 そして21世紀デビューの「白いソニック」こと885系セカンドエディション。5両編成の真ん中の車両がかもめと異なる(らしい)。ロゴはかもめマークからソニックの「S」になっている。個人的には窓枠がブルーのソニックの方が好きだ☆
(博多駅ホームにて)