鋼鉄の愛馬と魔法の書が君を四大陸へいざなう。
知らない場所、初めての街、さまざまな出会いが軌道の先にある。
シャレてる暇はない。さあ、出発の時間だ!
第0007号
2001.01.06-08

・厳しい冬に見つけた懐かしきぬくもり 〜津軽鉄道 ストーブ列車〜


 DD352が引っ張る、津軽鉄道の冬の目玉、ストーブ列車。木造客車と石炭ストーブがノスタルジックな世界を演出する。
 DD352の詳細は知らないが、ピストンがついているDDは初めて見た。
(津軽中里駅付近にて)

 E3こまちの駅撮り以外の写真がないことに気づき撮影に出かけた。列車の接近がわからず、最後尾の撮影となった。降りしきる雪の中、雪煙を上げてこまちがゆく。
 写真では見えないが先頭車両の黒がいいアクセントになっており、また、新幹線で唯一の赤系のラインが白によくあう。E3はつばさよりもこまちカラーが似合う。
(赤渕駅より雫石方面に徒歩15分)
※完成までのあいだ、旅先でE-700にて書いた原文をそのまま載せておきます。
 思いこみで書いているので間違っている情報や、誤記があると思いますが、あとでなおすと言うことで。



たびてつ ストーブ列車

1/6(土) 1日目
 前日の徹力ラがNIRO(仮名)の体調不良により中止になり、今回の旅はいきなり0600発のこまちにまにあうかどうかという大勝負からはじまることになってしまった…(^^;
 一応調査によると9分の乗り継ぎで間に合うのだが、ひとつ間違えればいきなりアウトになる。
 横浜線の始発列車に乗る。そういえば菊名から横浜線の始発に乗るのは初めてかもしれない。0504賭けは始まった…。
 東神奈川で0515京浜東北線に乗り換え東京着0551。よし、時刻表どおり!さすが、日本の鉄道は時間に正確だ♪世界に誇れる。
 こうなればもう勝ったも同然だ。すでに慣れている新幹線乗り換え口への移動などあっというまである。さらにゴーゴー3days切符は自動改札を通ることができるので3分を残しての大勝利をおさめることができた☆
 ここでゴーゴー3days切符について少し説明しておこう。といっても自分も今回初めて 使う切符なのだが…(^^;
 今まで3日間有効なゴーゴーフリー切符というのがあったのだが、2日間有効のウィークエンドフリー切符が廃止されると同時になくなった。そして両者を統合するようなゴーゴー3days切符が生まれた。
 名前の通り3日間有効の切符で、新幹線をふくむJR東日本のすべての列車が乗り放題である。そしてゴーゴーフリー切符や、
ウィークエンドフリー切符と大きく違う点は指定席にも乗れるというところ!もちろん指定席の指定はあらかじめ受けておく必要があるが、自由席にのれるかどうか心配する必要がなくなるのは嬉しい☆指定席の指定はいくらでも受けられるようなので、乗る特急すべて指定席とすることも可能だ。今回はとりあえず帰省ラッシュで心配な帰りの新幹線と、おまけで行きの新幹線を指定にした。
 お値段のほどは24kとかなり財布へのダメージが大きいが、元がとれないことはまずないだろう。
 ウィークエンドフリー切符がなくなったのはかなりの痛手だが、一年中3日間切符があるということは、休みさえ取れればいつでも3日旅ができるという利点もある。
 どんな切符でも使いこなしてこそ、本当のてつというものだろう。がんばらねば!(なにを?)
 こまち65は0600とかなりの早朝列車であるため、指定席もがらがらだ。なにしろ日の出を迎えたのは大宮をだいぶ過ぎて雪景色が広がってからだ。朝日に照らされた山がとっても美しい♪
 仙台到着0740。仙台一日観光とか楽勝だな…。
 盛岡到着0828。盛岡一日観光とか楽勝だな…。
 おおちざわ信号所で上りのこまちといきちがいを行う。やっぱ単線はおもしろいね♪
 この田沢湖の手前は景色がきれいだ。つばさ沿線は撮影したことあるがよく考えるとこまちって駅以外で撮影したことないなぁ…。月曜日天気がよかったらこまちも撮影してみるか?
 さすがのこまちも大雪で少しおくれそうだが、もともと接続のあてがあるわけでもないので、まぁいいか。

 秋田駅到着。雪は場所場所、もしくは時間で結構降り方が変わる。
 新幹線を降りて東能代行きに乗り込む。ここはまだ奥羽本線であるため電化されている。クモハ701系だ。
 東能代につくとすぐに五能線の能代行きに接続した。ひと駅なので意味ないのだが、キハ40に乗りたかったので乗る(笑) ここからは五能線なので汽車だ。
 あっというまに能代に到着。五能線ははじからはじまで運転していないため、五所川原は果てしなし遠い…。一日がかりだ。もっとも今回は「冬の五能線」もテーマなので問題なし!
 やっぱ日本海といえば冬でレょう!
 1159岩館行き入線。5分ほどおくれている。能代は結構人が降りる。進行方向左側のボックス席に陣取る。五能線は日本海側が絶対おすすめだ♪
 1240岩館到着。終点である。ここで2時間待ち(^^;
 本日初の下車である。駅の手前にいい感じの港を目にしていたので撮影に向かうことにした。
 防寒装備を確認していると、時刻表を持たずに五能線にいどんでいるおじさんが途方にくれていた。無計画なのはいいが、時刻表は必需品でしょ!
 次の列車は東能代からの直通便なので、ここから先に進むひとにとって、今の列車に乗ってきたことははっきりいって無意味だ(^^;
 おじさんは駅員のすすめでひとつ前の駅にある観光センターへと引き返していった。そして駅に残ったのは自分ひとりになった。
 とりあえず今晩の宿を確保する。明日の津軽線のことを考えて五所川原に宿をとる。前に行ったとき、ホテルがいくつもあるような大きな街には見えなかったが、宿帳には4つもホテルがのっていた(しかもチェーン店)。
 これで五所川原にたどりつきさえすれば問題は何もない。安心して港へ出かける。
 しんしんと雪のふる中、日本海の波の音と、雪を踏みしめる自分の足音しか聞こえない。うーむ、まさに冬の日本海って感じだ。
 …でもさすがに住んでみたいとは思わない。こういうところはたまにくるからいい雰囲気だと思えるわけで、雪国の生活はとても大変なのだ。
 インターネットはこういう不便なところに普及させると、大きな成果をあげると思うのだがどうだろう? もっとも誰にでも簡単に使えるようにしないと、使う人がいなくて話にならないが…(^^;
 あとの残り1時間はメシをくったり、日記を書いたりしてあっというまに過ぎる。
 しかし、列車が20分ほど遅れているようだ。五能線はいつも何かトラブる。相性が悪いのだろうか?
 と、思ったら定刻通り来た。今回はついてるかも♪
 いままで4度ほど五能線に乗っているにもかかわらず、列車が止まったり時間がなかったりで、実は一度も途中下車をしたことがない!
 そして今回ようやくそのチャンスがめぐってきた☆
 目的地は五能線でもっとも読むのが難しい艫作(へなし)だ。ここは海岸沿いに不老ふ死温泉があり、タ日を見ながら露天風呂をいただけることで有名だ。
 途中下車するとまた2時間待ちだがひとりだし、五所川原まで行けばいいんだし、とワうことで艫作におりたつ。
 結構たくさんの人が降りるのでちょっとおどろく。ああ、そういえばそろそろチェックインにはぴったりの時間か。お迎えのバスがくる様子だったが案内板によると五能線全線開通記念碑があるようなので、ひとり歩き出す。
 途中バスが気を利かせて止まってくれたがことわった。
 ま、記念碑自体は大したことなかったが、港はいい感じだったので歩いた価値はあった。時間もいっぱいあるし…(^^;
 温泉宿が披露宴をするぐらい立派だったので一瞬躊躇するが、踏み込んでみると日帰りでもOKとのこと☆ 600円なり。
 温泉に入ってびっくり! お湯が錆色だ! 自動車修理工場の裏の水たまりのような茶色のお湯…。さすがのオレもびびる(^^;
 入ってみるとやっぱりこの色は鉄によるものだ。海のすぐ隣ということで塩味もきいていてまさに血の味だ…。
 そしてよくちらしで見る海の中の露天風呂があるのだが、こちらは入りロが違うらしく遥か下に見下ろすことができた。
 本当に波打ち際にあって…今日はとてつもなく寒そうである…(^^;
 そっちに行かなくてよかったかも。
 冬は日本海側は晴れることがほとんどないため難しいが、方角的には日本海に沈む夕日を見るのに最適だ。
 冬以外なら外の露天が最高だろう。
 艫作駅から深浦行きの列車に乗る。
 そして深浦駅でリゾートしらかみ号と行き違うこととなった! チェックしていなかったため喜びの悲鳴をあげそうになってしまった(^^; もうすっかり暗かったためあきらめかけた撮影も予想以上によくとれた。やっぱ今日はついてるなあ♪
 あとはこの深浦で最後の列車待ち。1913の終電(!)を待つのみ。
 終電は時刻表では鯵ヶ沢行きだが来たのは弘前行き。どういうことかは鯵ヶ沢であきらかになった。鯵ヶ沢で回送車両を3両後ろにつなげて全6両となったのだ。列車番号が変わるために時刻表では鯵ヶ沢で乗り継ぎがあるかのような表記になっていたのである。
 最終なので乗り過ごさないようにケータイのアラームをセットし、万全を期す。
 うー、腹がなった。そういえば晩メシ食ってないじゃん…。
 予想通り寝てしまったがアラームで目がさめる。そして五所川原到着。
 ホテルの場所がわからなかったので電話して場所を確認する。途中のコンビニで飯を調達して晩飯とする。あまり認識はなかったが疲れていたらしく、めっちゃ眠かったのでそうそうに就寝。
 やっぱ寒いと体力の消耗が激しい?


1/7(日) 2日目
 0600起床。風呂に入って準備をして駅へむかう。昨日の夜また数センチ積もったらしく歩道に足跡はない。幾人かの人たちが除雪作業をしているほかは静かなもんだ。
 さすがに始発に乗る必要はないので2番列車で終点の越後中里を目指す。津軽鉄道はまだ終点まで行ったことがないのだ。
 0735の列車だったがもともとそんなに長い路線ではないため1時間ほどで終点まで着いてしまった。
 ストーブ列車が中里を出るのは12時過ぎなのでかなり早く来過ぎた気が…(^^;
 線路の終わりを確認したあと、観光案内を見て中里城跡公園に行く。途中の雪道で何度も滑って転びそうになる。この靴結構滑るな…。
 ようやく着いてみるとなんと一切除雪されていない(^^; 強引に雪をかき分けて登っていこうとすると、ひざぐらいまで沈みこむ…。
 …あかんわ。
 やむなく駅に引き返すがストーブ列車まであと3時間ある…(^^;
 フリー切符ではないため列車に乗ることもできない。幸い待合室にストーブがあり待ってる間も暖かそうだ。
 でも3時間あるんだよなー…。
 待ってる間地元の人たちとストーブを囲み、なんともなしに入ってくる会話を聞いていた。日本語の中で何を言ってるのかわからないのは沖縄弁だけだと思っていたが、津軽弁も全然わからない(^^;
 口をあまりあけないでしゃべるため発音がはっきりしないのと、とにかく速いのだ。わからないから余計に速く聞こえるって話もあるが…。しかも年寄りだけでなく若者でさえ何を言ってるかわからない(^^;
 津軽弁は確実に継承されていることを確認(笑)
 まだまだ時間があるので時刻表チェック!
 ストーブ列車→リゾートしらかみ→特急かもしかとつながることを発見!
 五所川原でしらかみの席が空いていないか調べよう。
 列車が来る前に切符を買っておく。ストーブ列車記念切符なるものを見つけるが、五所川原―金木のみだという。しかたないので津軽中里―金木は別に切符を買う。100円ほど高くついたが、よしとしよう。
 1141にストーブ列車が入線してくるので入ってくる列車を撮るために待合室を出る。
 入ってきた列車を撮影成功!
 こいつディーゼル車なのにピストン(?)がついてるよ。
 汽車の宿命で前後のいれかえをしないといけない。客車を切り離してとっとこ入れ替えをする姿は結構かわいい☆
 観光バスがやってきて後ろに連結された団体車両に乗り込む。うむ、津軽線は儲かっているようだな♪
 45分の片道に840円とってるから、採算は取れていると信じよう。蒲原鉄道みたいになくなっちゃうと寂しいからな。
 一般のほうの客車も発車時刻が近づくとほぼ満席だ。
 ストーブのまん前は熱いだろうと予想して少し離れたところに陣取っているのだがそれでも十分暖かい。真正面には座らないほうがいいかもしれない。
 しかし、その認識を一変させる衝撃の行動を酔っ払いおやじが見せた! それはなんとスルメ焼きだ! ストーブの上におもむろにスルメを乗せ焼き始めたのである。そこには一切の躊躇はない。よく見ればストーブの上にはご丁寧にもアミが乗っているではないか。つまり、津軽鉄道さんは網焼きOKだと言っているのだ! 今度来るときはスルメは必需品だ。みんなもストーブ列車=スルメ焼きという図式をよく憶えておくように。
 暖かいストーブに眠気を誘われてうとうとしかけたころ五所川原に到着。再び汽車が入れ替えを行うのを横目で見ながら、みどりの窓口へ急行する。しらかみの指定席を取るためだ。
 今回は運が向いているのかあっさりGET!
 しらかみに乗れればこのあとずんずん乗り継いでいける。
 しらかみは昨日深浦で見たのと同じ2両編成、しかも3、4号という中途半端な編成だ。いつもの先頭車両じゃない側が先頭で入線してくる。なんだかとっても新鮮だ☆
 3号車はセミコンパートメント(簡易個室)車両で、相席した2人はどちらも自分と同じGOGO3days切符の旅人だった♪ 鉄話に花を咲かせる。
 しらかみに乗り込んだ途端天気がよくなってきて雪化粧をした山々がきれいに見えた。さすがにクルージングトレインというだけあって広い車窓から眺める景色はよい☆
 しらかみでの30分はあっという間に過ぎて弘前に到着。
 2人と別れて特急かもしかを待つ。指定を受けに行く時間がなく自由席に並んだが、それほど混んでいなかったので余裕で座ることができた。
 かもしかからもよい景色が見えた。ちょっとまぶしかったりしたが、せっかくの景色を見過ごすのが惜しく、目を細めて景色を堪能する。
 さて、このまま乗っていればかもしかは秋田まで連れていってくれる。しかし、まだ日の落ちないうちに旅を終えてしまってはてつの名がすたるというもの。
 というわけで、降り立ったのは鷹ノ巣という駅。ここでピンと来た人はてつだね(笑)
 この駅は秋田内陸縦貫鉄道の始発駅である。名前の通り秋田を縦に走って、反対側は大館に通じる。
 時間的には縦断が可能であったが、今回は途中までで引き返してくることにした。
 なぜなら寝台特急に乗るためである!
 寝台特急日本海は青森―秋田間は指定特急券で乗車できる。
 何回も書いている通り、GOGO3days切符は指定席に乗れるので、上記の区間なら寝台特急に乗れるのである。
 早速窓口で指定を受け日本海に乗る手はずを整える。ついでに今晩の宿を大曲にとる。明日、田沢湖線でこまちを撮影するためには秋田ではなく大曲のほうが都合がよいためだ。
 これで今日の予定は完成した。って、もう1530だが…(^^;
 JRの隣にある内陸鉄道の駅で、どこまで行こうか思案していると、フリー切符ありますとの張り紙が! なんでも1000円で乗り放題だという。時間的に往復できるもっとも遠い駅は阿仁合(あにあい)で、これが片道800円なり。となれば、これはとてもお買い得な切符である。ワンマンだと小銭のやりとりも面倒だし、即切符を購入。
 入線してきたのはどう見てもJRのキハ系車両。知識が乏しいため判別まではできないが、特徴的なバックミラーはキハ11系?
 買い物袋を持った人が幾人かいたので、人里を行く列車かとおもいきや、結構山の中を抜けていく。景色もなかなかのもの。単線汽車属性のオレにとって、これはあたりかも♪
 途中急行列車と行き違うが、この車掌さんが女性だ。しかも、広未顔でかわいかったりする。…おそるべし秋田内陸縦貫鉄道!
 料金が500円を超えたところで、日も落ちかけてきたために下車。桂瀬という無人駅だ。寂しい山里って感じのところでとにかく静かだ。
 駅の周りを散策してみるが特にめぼしいものもなし。乗ってきた列車が阿仁合から折り返してくるのを待つ。この駅の待合室は無人駅なので暖房がない。寒さに震えながらE-700で日記をつづる。日が落ちた途端に冷え込んできた。内陸のせいか、あるいは晴れてきたことによる放射冷却か。とにかく1700とは思えない寒さだ。
 戻った鷹ノ巣駅はもっと寒い。でも日本海に乗るためには我慢だ。寝台はあまり乗る機会がない上に、日本海なんてこの区間以外じゃまず間違いなく乗ることはない。
 それに運がよければボンネットタイプの機動車が来るかもしれない。とくれば寒さも耐えられる?
 あいにくと来たのは普通の機動車であったが日本海には違いない。
 降りていく人も何人かいたので、地元では普通の特急として結構利用されているのか?
 B寝台はごく普通の2段ベッドのやつだ。はやかぜのと変わらない。でも、寝台料金がかかっていないと、なんか得した気分だ☆
 改札に来た車掌がこまちを利用するかどうかを聞くのでただならぬ事態と思い聞いてみると、こまちが遅れているとのこと。
 東京まで帰るわけじゃないのでそんなに大きな痛手ではないものの、どうやって大曲まで行こうかな?
 秋田に到着。時刻表を見てみると日本海から接続するこまちは最終便らしい。だからおおごとになっていたのか。
 あと、考えてみれば大曲までは奥羽本線なので普通列車が普通に走ってるので心配なかった。あえてこまちに乗り継ぐ必要もないので普通列車でいくことにした。これでも2100前に大曲に着ける。
 大曲の宿へ向かう。と、何かデジャブめいたものが…って、この宿以前泊まったことあるや。
 遅い夕食を取り、風呂に入って寝る。風呂はいつもは朝に入るのだが、明日の列車は始発なので朝に余裕がないのだ。
 ただ天気が気になる。


1/8(月) 3日目
 うわー読み違えた! 朝飯を買う時間をおりこむのを忘れた。始発には間に合ったものの食料がない(^^;
 これから丸一日山の中だというのに…。どこかで飯を買うことができないか検討したが、この列車を逃すと次は15時台まで電車がない! 山形線よりひどい…。
 ネックは田沢湖―赤渕間。日に4本しかないこと。しかもオレはそこに向かってるという…(^^;
 こりゃ、撮影ポイントをはずしたら即死だな。もう覚悟を決めるしかないようだ。
 ま、なるようになるだろう。
 ところで、東京で昨日初雪が降ったようたが、大曲でも一晩で3〜5センチほど積もったようだ。それでも合計で50センチしか積もっていない。最近は雪が少ないと話している人もいた。温暖化の影響なのだろうか?
 とはいっても、今日の秋田は大雪だ。
 低くたれこめた空の下、赤渕で降りたのはオレ一人。まぁ、乗ってきた人は5人ほどいたが、朝2番の列車なので、地元の人が盛岡に出かけるのだろう。
 列車を見送り、…さああと4時間半はここから動けなくなったぞっと(^^;
 もっと山の中かと思っていたが意外にも人里だ。本当は信号場のあるところに降りたがったがそうも行くまい(^^;
 4時間もあるので防寒はしっかりしておく。こんな時のためにもってきたスノボウェア(下)を着こみ、上もセーターを一枚追加する。外へ出てみるがとりあえず寒いということはなさそうだ。
 まずは山の方へ行ってみようとあるき出す。が、しばらくすると道が線路から離れてしまい、撮影ポイントを見つけることができない。
 歩道は昨日からの雪がまだ除雪されていないため歩きにくく、たった1.5キロほどで30分かかっている。この雪ではたとえ山の中に行けたとしても、身動きが取れないだろう。
 そう判断して引き返すことにした。
 途中、あきらめきれず線路脇に降りようと林を突っ切ったが、腰まで雪の中に埋まってしまい、危うく出られなくなりそうになったため、その未練も消し飛んだ(^^;
 というわけで山はあきらめて、駅を通りすぎて逆側へ活路を求める。
 撮影ポイントになりそうな橋を見つけて、撮影モードに切り替える。ちなみに道路の温度表示計によると−4℃。さすがに大雪になるだけのことはある。
 そばにお店があって、朝も早くから営業していたため、スナック菓子を買って朝ご飯とする。自販機に温かい飲み物もあるので、死なずに済みそうだ。
 ここでこまちを待つ。が、こまちの走行音が意外と小さく、接近を知ることができない。デジ力メには起動時間が必要だし、そもそもずっと待ってなどいられない。さらに雪のためにダイアが乱れており、こまちが時刻表通りにやってこないのだ。
 こまちが2本通ったところで、この撮影ポイントに見切りをつけて駅へ戻る。
 駅でこまちを待っていると、駅では列車通過のアナウンスが入ることが判明。
 これは撮影しやすい。…背景がいまひとつなのはこの際しかたないか。
 列車をじっと待っているとさすがに体が冷えてきた。歩いているときは寒くなかったため、体を動かすことにした。種目は雪かき!
 駅のホームの雪は撮影のため残しておきたかったので、道路から駅のホームまでを除雪する。暖かいし、いい暇潰しにもなって、一石二鳥だ♪
 こまちは20〜30分遅れているようだ。今日帰れるのか少し不安になってきた(^^;
 と、予想外のアナウンスが流れた。下り列車が来るという。しかし、どの信号も赤信号だ。それに下りのこまちはたった5分前に通過したばかりだ。そして当駅どまりの普通列車が来るには1時間以上早い。
 まさか、こまちが止まるのか!
 慌てて待合室を飛び出す。ライトが遠くに見えてくる。位置は上ではなくまん中、つまり701系ではなくE3系だ!
 信号が赤なのでこまちは赤渕に停車。そして今度は上りの信号が青になる。行き違いだ! 上り列車ももちろんこまちだ。そして青信号にもかかわらず、上りのこまちも一旦駅に停車する。
 短い赤渕のホームではこまちが入りきっていない。ポイントとポイントの間隔はこまち1編成ギリギリだ。
 上下のこまちが駅に完全に停車した。そして今度は同時に発車していく。うおー、かっこいい〜!
 この行き違いで、ダイアが10分ほど回復したはずだ。やるなあJR東日本。
 そして田沢湖線1234上り列車は定刻通り赤渕を発車して盛岡へと向かっていく。この列車にオレも乗っていた。もう十分撮影に満足したのと、タ方の列車が遅れると帰れなくなる恐れがあるからだ。
 列車から先ほどの撮影ポイントを通ってみると、もうちょっと歩けば線路と道が並走していたということが判明。あー、もうちょっとがんばればよかったか?でも、列車が来るのがわかりにくいことにはかわりないから、よかったことにしよう。こまちの行き違いも見れたしね。
 到着した盛岡駅は結構混乱していた。こまちだけでなくはつかりも遅れているようだ。
 481系はつかりとE750スーパーはつかりがならんでいたのでいっしょに撮影できた☆
 遅れているとはいえ、指定席を取っているのであまり心配はいらない。それに遅れは30分程度だ。そのぐらいなら十分横浜まで帰りつける。
 問題はむしろあと5時間の待ち時間のほうだ。緑の窓口のごったがえし方から見ても、早い列車に変更するのはムリそうだ。
 どこかに行こうにも盛岡に特に行もたいところもないし、外の気温は赤渕と同じぐらい寒いし…。
 ま、とりあえずメシだ。銀河高原レストランのウェイトレスがかわいかったのだが、メニューがいまひとつなのでやめ。今回駅弁すら食べていないという、ひどい旅なので少しまともなものを食べようということで前沢牛の店でハンバーグセットをいただく。うまかったが、前沢牛だからうまかったのかどうかは不明(^^;
 待ちあい室の暇つぶしのために本屋で鉄道の本でも買おうと思い立つ。が、今、手にしているのは「田宮模型の仕事」という本。モデラーでなくても知っている星のマークの田宮模型の田宮俊作氏の自叙伝のようなものだ。立ち読みしてたらおもしろかったので買ってしまった。
 日記をあとまわしにして本を読む。田宮氏の情熱と人々との邂逅に何度も目頭が熱くなった。やっぱり大切なのは人の心だ。そして何か一番を持つこと。
 自分はいろいろなことに手をだしているが、どれも一番には程遠い。まだまだ掘り下げが足りないと反省。また、自分が本当に一番好きなことは何なのか考えさせられた。ま、ひとつのことよりもふたつのことが両方とも一番ならなおよいので、今のままでも2倍がんばればよいのだな☆
 本を読み終え、一旦お土産を買いに出かける。限定品は目新しいものがなかったので味を重視してりんごコロンにする。会社のお土産もいいのがなかったので適当なのにしてしまう。ま、しょっちゅう買ってるんだからいいだろ。あと前沢牛の弁当を調達。
 再び待合室に戻って少し日記を書いているとそろそろ列車の時間だ。あっという間だ。
 いつのまにかダイアの乱れもほぼ元に戻っていた。帰れないことをちょっと期待していたのだが(笑)
 乗り込むと隣の娘が友人と離れ離れになって困っていたので、席を変わってあげる。こっちはどこでも寝れる(笑)
 各地でまだ一部にダイアの乱れがあるとの放送が入るが、問題はなさそうだ。これもついていると言っていいんだろうか?(^^;
 あとはもう帰るだけだ。日記ももう終わる。
 今回、これといって目的地を決めずに途中下車を楽しんだ。待ち時間の合計は求めたくないほど大きな数字になってしまうが、にもかかわらず、かなりの充実感を感じている。
 寒さに震えることも多かったし、雪で進路を阻まれたりもした。でも、これこそが東北の本当の姿であると思う。避暑の地というのは東北の一面には違いないが、それだけでは東北を語る資格はないように思う。
 やはり北の自然は厳しい。
 「北国には冬に行け! 南国には夏に行け!」が旅のテーマである。
 あー、でも住むなら暑いところがいいかな(^^;


 列車の向きを変えるため、付け替えを行うDD352。日に2本のこの列車のためだけに駅より先のエリアを除雪している。昭和34年製で筆者よりも13年も先輩。動輪が空転するのかSLのようなぎこちない発進を見せる。それがまた古めかしくてよい☆
(津軽中里駅付近にて)

 3,4号車の2両編成のリゾートしらかみ。
 夏の夕日を狙ったダイアのため、冬はすっかり真っ暗になっている弘前からの帰り道。
 リゾート列車ということで、広い窓のハイデッキという作りになっていて景色を堪能できる。ちなみにキハ48の改造型。
(深浦駅にて)