鋼鉄の愛馬と魔法の書が君を四大陸へいざなう。
知らない場所、初めての街、さまざまな出会いが軌道の先にある。
シャレてる暇はない。さあ、出発の時間だ!
第0003号
2000.05.05-07

2000.05.05-07

・日本は縦長!桜を追って北上するべし♪ 〜青森へ


↑津軽鉄道の芦野公園。
この時期は人気スポットらしい。
車輌がもうちょっとレトロ風味だとかなり好みなのだが(^^;
右→
花輪線、湯瀬温泉郷にかかる鉄橋のひとつ。
本数が少ないので撮影するには勇気が必要。
撮影した列車には乗れないからなぁ…(^^;
5/5(金) 〜秋田〜弘前〜青森
 今年のGWはカレンダーの都合上、長い連休になった人もいるようだが、私はカレンダー通りの休み。どのみちGOGOフリーキップは3日間有効なので、4日以上休みがあっても悩んでしまう。
 というわけで、5(金)〜7(日)でもって例年通り弘前のさくら祭りに行くことにした。
 今回は佐藤君が道連れを買ってくれたので、二人旅ということになった。
 まず、佐藤君がこまちで秋田まで行ったことがないというので、第1目的は秋田新幹線「こまち」で終点の秋田まで行くこと。そして第2は五能線の途中下車をすること。いつもリゾートしらかみで始発駅to終着駅という旅程だったので、途中の駅で観光をしたことがないのだ(^^;
 そして、第3ではあるものの、当然弘前の桜祭りを忘れてはならない。
 さあ、いよいよ旅の始まりだ。
 当然のごとく出発は横浜線上りの始発。京浜東北線でもって東京駅へ。GWなので臨時列車がある。こまち65号は0600東京発。始発駅で向かって東京着は0550。駅弁を買ってホームへ行くとギリギリ席が空いていたので迷うことなく乗車。これで1時間ばかり計画が前進された♪
 うとうとしながらのんびりと、しかし高速で新幹線は秋田へ向かう。
 今日の目的地は弘前。弘前へは接続がいまいちよくないのだが、急ぐ旅でもないので普通列車を乗り継ぎながら行くことにした。まずは東能代へ、そして大館へ。
 大館で昼ご飯として鳥飯をいただく。ただし、駅で買った駅弁ではなく、駅の向かいにある駅弁の本店がレストランになっていてそこで駅弁をいただけるのだ☆
 鳥飯はなかなか美味であった。大館駅にはこの鳥飯しか駅弁がないのだが、それはこの駅弁に歴史があり、ほかの駅弁がないということだ。横川の駅弁と同じというわけ。大館に来たときにはぜひこの駅弁をお勧めする。って、この駅弁しかないんだけどね(^^;
 温泉があるというので、ちょっと遠いが歩いていく。駅から15分ほどのところにある、健康ランドのような温泉だ。入浴料は300円と格安♪ ひば風呂やサウナも完備し、設備としてはかなり上等なのを考えるとさらに格安だ。
 ひと風呂浴びると14時の特急には乗れなくなった。が、やっぱり急ぐ旅ではないのでのんびりと☆
 で、1時間ばかり遅れて弘前へ。弘前駅はものすごい人で、乗ってきた青森行きの列車はあっという間に東京の通勤ラッシュなみの混雑になった。弘前の桜祭りはかなり盛り上がっているようだ。
 弘前で今夜の宿を探す。が、なんと桜祭りのせいで場末のビジネスホテルでさえ空きがないというのだ。普通の人ならここで途方に暮れるところだが、もともと計画のない我々はなーんにも困ることなく青森に宿を取ることで問題を解決した。臨機応変ということについては誰にも負けないと思う(笑)
 弘前の街は以前に来たときとなかり様子が変わっていた。再開発が進んでいて、新しい店がたくさんできて若い街への脱皮中のようだ。しかし街が変わっても街のシンボルである弘前城は変わらずそこにある。去年来たときよりも桜が満開できれいなような気がした。
 桜を見ながらひととおり城内を見て回った後、本丸の天守閣が見える場所に陣取り、買ってきたヱビスの封を切る。
 天守閣付近で外国人がフルートの演奏をしていた。それをBGMにしながら花見としゃれ込む。でも兄ちゃんのフルートが上手なのかどうかがいまいちわからない。普通か、ちょっと下手ぐらいなんだろうか?あまり客もじっくり聴いてくれなくて、さくさくと通り過ぎていく。CDも売っていたが2500円は高すぎだろう…(^^;
 日が落ちて、ライトアップされた桜がきれいに見えるようになった頃、2本しかかっていなかったヱビスがなくなってしまう。寒くなってきたせいもあり、そうそうに引き上げることにした。さすが青森、寒いぜ…。
 帰り際に演奏家が兄ちゃんからイザベラ(仮名)に変わるところだった。イザベラの楽器はクラリネット(?)で、こいつはなかなか上手だ。音楽のことはよくわからないが、少なくともさっきの兄ちゃんよりは断然上手だ。音がしなやかだし、曲が一本の流れに乗っている感じがする。

やるな、イザベラ!

 帰ろうと思ったのだが、2曲ほどイザベラの曲を聴く。目の前に置かれたボードを見るに、本当の名前はアレキサンドラらしい(^^; イギリスの音大を出ていて世界を回っているとかかれてあった。ま、それはいいとして、その後の

「私は一文無しです」

っちゅー文がかいてあるのだが、これはどうかと思うぞ。お金は恵んでもらっているのではなく、自分の曲を気に入った客からその報酬としてもらっているわけだなんだから。これはお金を払う人にも失礼だと思う。アレキサンドラは日本語が分からないようだから、どっかの日本人に頼んで書いてもらったんだろうけど…。もっと自分の腕に自信を持つか、ほんとうにお涙ちょうだい路線で行くのかはっきりした方がいいぞ。
 などと思いつつ、結局オレからのチップはなし。もうちょっとうまくなったらね。
 でも、兄ちゃんよりはだいぶチップをもらっていた。他の人もアレキサンドラのほうが兄ちゃんより上手だ、という判断らしい。すくなくとも、オレの耳は間違っていないということで一安心♪
 駅に帰る途中、郷土料理と書いてある飲み屋に入る。寒かったので、店に入るなり日本酒の熱燗を注文する。店のおねーちゃんが1杯目をついでくれたのにはちょっと驚いた(^^; って、べつにそう言う店じゃないし、そういう意味もないんだけどね(^^;
 料理は少し高めだったのだが、品物が来るとその理由が判明した。…量が多いのだ☆ しめさばは800円だが、10切れ以上皿に乗っかっているし、湯豆腐もひとつしか頼んでないのにでっかい入れ物で出てくる。これならママもオッケーってわけ。
 料理はどれも絶品で、特にお気に入りは湯豆腐のつゆ。煮干しと昆布の出汁がばっちりとれていて、つゆだけで酒の肴にしてしまったほど☆
 他の料理もうまかったので、弘前に行ったら立ち寄る店にリストアップした。
 初っぱなにいきなりアタリの店を引いてしまうと、次から店を探すことをしないので、開拓という意味からすると、必ずしもくじ運がいいことがいいわけではないんだが…。でも、

基本的にくじ運がいいのでしょうがないな、うん。

 21時前に店を出、2106青森行きに乗り込む。ちょっと混んでいたが、首都圏に較べたら大したことはない。ほろ酔い気分でもちゃーんと青森まで行くことができた。
 青森では迷って宿への到着が遅れてしまい、ちょっぴりミソがつく。
 原因は駅の地図。なにげに近いように書いておいて、じつはめちゃめちゃ遠かったのだ。歩いていて「さすがにこんなに遠くないだろ。行きすぎたな」と思って戻ってしまい、見つけるのにかなり疲れた…。青森の看板を信じちゃ行けない、ということを学んだ(^^;
 それでも宿に泊まるという、久しぶりにゆっくりとした旅で、桜も感動的に美しく、満足できた一日であった☆
 青森まで来てしまったために、明日の出発時間は0550と早くなってしまったものの、基本的に本日の目標は達成。明日は五能線の旅だ☆

5/6(土) 青森〜弘前〜五所川原〜鰺ヶ沢〜東能代〜大館
 昨日、宿に入ってから今日の予定を立てた。五能線の時刻表をみると、弘前を0647発の次の列車がなんと10時すぎだという事が判明! 3時間以上も列車がないなんて、さすがだ…。

ローカル線の恐ろしさをあらためて実感する。

 で、朝6時前に出発。
 なのだが、佐藤君が家の鍵をホテルに忘れてきてしまって(でもあとでカバンに入ってたんだけど…(^^;)ホテルに戻った分時間をロスしてしまい、弘前0647発の列車へ接続できる列車を逃してしまった。うーむ…。
 予想以上にホテルが青森駅から遠かったせいも少しはあるんだけどね。
 青森駅では我々と同じように列車を逃して2時間待ちだ〜、と悲鳴を上げている女の子達がいた。

わはは、ローカル線の恐ろしさを思い知ったか!(笑)

 っていうか、俺達も思い知らされてるんだけどね(^^;
 だが、そのぐらいのアクシデントではオレを止めることはできない。すぐさま時刻表を取り出すと、リカバリーの計画を立てる。ぜんぜん計画を変えて別方向にいってしまうって手もあったのだが、五能線は楽しみにしていたので、なんとか五能線に乗れる方法を考える。
 列車がダメならバスでも仕方なし、ということで、弘前から五所川原への路線バスをつかって五所川原に行き、津軽鉄道を見に行くことにした。津軽鉄道の時刻表が載っていない(オレが見つけられなかっただけ?)ため、五所川原から先はどうなるかわからないが、とりあえずこんなところで足止めを食らっていてもしょうがないので、とりあえず五所川原まで行くことにした。

こういうトラブルも楽しめるようでないと真の旅人とは言えないよな♪

 昨日の夜、ここにいたような気がする弘前から五所川原行きのバスに乗り込む。
 バスはめちゃめちゃ乗り心地が悪かったのだが、朝早かった上に、走った疲れも出たのか爆睡(^^; 景色を見ることもなく気づけば五所川原に着いていた(^^;
 JRの駅の隣に津軽鉄道の古くさい、もとい、歴史のある駅舎がある。駅の中はかなりレトロな風味を漂わせている。なにがレトロかって、駅舎の中にある鉄板(?)の看板。しかも地元の商店街のものらしく、ほのぼのだ。
 しかし、列車のほうは新型の車両に入れ替わっていて、旧型は隣の線路などに放置されている状態だった。新型はアルミボディでこそないものの、JRのワンマン汽車と同じような作りで、レトロ感がかけらもないのがちょっとさみしい。が、レトロっぽさを求めないのならば、オレンジ色の「走れメロス号」はそこそこイケてる車輌だといえよう。
 路線の方はちゃんとローカルしていて、電柱のないひたすらまっすぐな軌道がつづいている。車輌のことは忘れ、すっかり気に入る。やっぱオレ、単線の汽車属性に弱い気がする(^^;
 キップはとりあえず終着駅まで買ったのだが、途中の金木という駅に太宰治関係の資料館などがあるようだ。が、目指すはその次の駅の芦野公園。なにやら池だか沼だかがあるようなので、そこで降りて折り返してくる列車に再び乗って戻ることにした。本当は終点まで行ってもよかったのだが、ただ制覇するだけではいまいちおもしろくないのでやめたのだ。
 みんなが降りると思っていた金木ではほとんど誰も降りず、みんなどこに行くのだろうと思ったら、我々の目的地の芦野公園で多くの人が降りた。いやー、まさか無人駅のこの駅にこんなに人が降りるとは想像もしていなかった。
 が、駅には桜が咲きまくり、桜のトンネルのようになっていて、しかも桜祭りで出店が出ているではないか。これなら納得。偶然とはいえ、なかなかいい駅で途中下車したものだ。今日の天気の良さといい、日頃の行いがよいとやることなすこといい方へ転がっていくものだ♪
 桜を堪能し、池にかかっている吊り橋や浮き橋をわたってのんびりと遠足気分を満喫する。
 こうしていると1時間なんてあっと言うまだ。急いで駅へ戻る途中、踏切の遮断機をすれすれでくぐり抜けるとそこに列車が迫っていた。

さくっと一発汽笛をならされる(^^;

 いやー、それはそれでイベントとしてはいい思い出になっていいのだが、危険だし、鉄としてもそれはおすすめできないので、よい子はまねしないように。鉄は鉄らしく、ちゃんと列車の時刻を読んで早め早めに行動しよう!
 なんとか乗り込むことができ、無事五所川原へ帰還。
 昼飯を食べるために街をちょっと歩いてみると、意外に都会だということが判明(ちょっと失礼(^^;)。
 モスバーガーを発見したが、ここまできてモスもないので、駅前の平凡食堂というところでカツ丼をいただく。…ちょっとカツの脂身が多いんだけど…、カツの油もよく切れてないんだけど…、ま、こんなものかもしれない。腹さえこわさず、栄養が補給できればOKとしよう。いや、まずかったわけじゃないけどね。確かにおいしくはなかったけど(^^;
 今度はいよいよ五能線にのる。
 が、この時点でちょっと疲れが出てしまい、また、列車も東能代直通がなく、鰺ヶ沢でまた1時間待ちという状況で、どうにも他で途中下車をしにくい状況に陥ってしまった。
 十二湖や艫作(へなし)に行きたかったのだが、今回も断念せざるを得ない。こんどは3日全部五能線で過ごすぐらいの覚悟で来よう。1日の本数の少ない五能線では1日1駅ぐらいしか下車できないことを学んだ…。
 鰺ヶ沢で1時間待ち。ここで乗り換える1456の深浦行きは1455弘前行きのリゾートしらかみと行き違いをするようだ。リゾートしらかみを見られるなら、まあ今回はそれで満足しておこう。
 鰺ヶ沢駅の観光案内によると、近くに温泉があるらしい。ただ待つのも無駄なので、温泉に浸かっていくことにした。
 …が、地図の場所と思われるあたりに温泉など存在しない(^^; スーパーのおばちゃんに温泉の場所を聞くと地図とは全然違う道を教えられた。また駅の地図にだまされた。恐るべし、青森(^^;
 おばちゃんの言うとおりにいくと、そこにまた看板があり、ここが鰺ヶ沢温泉だ書いてある。おばちゃんの行った場所とはちょっと違うのだが、ここだと書いてあるので行ってみる。宿のなかに温泉があるようなのだが「うちでは外来はやってません」とのこと。まただまされた(^^; が、その宿の別館として公衆温泉浴場があるということなので、そこを教えてもらう。と、それはスーパーのおばちゃんに教えてもらったところだった。…やっぱ、地図は信用できない(^^;
 結局温泉は駅の改札の反対側で、道さえ知っていれば5分たらずってところにあった。でっかい建物で、特に更衣室がめちゃ大きい。露天風呂は庭風でかなり開放的。だが、湯温51度と書いてあり、かなり熱い。実際は51度もないとおもうのだが、熱いことにかわりはなく1分と浸かっていられない(^^; また、ここは海水の温泉なのでしょっぱい。ひげを剃ると、ちくちくとしみるのでみんなはひげを剃らないほうがよいぞ(^^;
 鰺ヶ沢駅に戻ると、本数の少ない昼の便ということで、たくさんの学生がいた。そういえば今日は普通の土曜日なので、学生は学校があったようなのだ。
 鰺ヶ沢の女子高生はがっしりとしている…。その率約8割…。これは確実にリファレンスがずれていると思うのだが、本人達は気づいていないのだろうか? 弘前や秋田は普通なので、この辺だけ情報が孤立しているのだろうか? って、今の情報社会にそんな事があり得るのだろうか? もしかして、鰺ヶ沢ってなにか特別うまいものがたくさんあるのか? ちなみに、男子は標準体型だったので、謎は深まるばかりだ。
 リゾートしらかみの入線風景を撮影し、すぐさま列車に乗り込む。席は確保できたものの、通学列車の様相を呈している列車の乗り心地はあまりよくない(^^; と思っていたら、学生の半分ほどは次の駅で降りてしまい、通勤列車状態はあっさり解除された。ふー、助かった。でも、一駅だけのために、五能線を待たなければならないってのも大変だよなぁ。やっぱこの辺は車社会だから学生の時代は自由が利かなくて大変だ。
 進行方向右側は日本海が広がっていて景色がよい。景色を眺めながらまったりしているうちに深浦に到着。やっぱり途中下車ができる余裕がないのでそのまま東能代行きに乗り継ぐ。
 うーむ、ちょっと悔しい。
 結局そのまま東能代で青森行きに乗ってしまう。まだ日は高かったが、明日のことを考えて宿を大館に取ったのと、今日の夜はきりたんぽ鍋を食べるという野望のため、早めに大館に行くことにしたのだ。
 最初青森行きは結構混んでいたのだが、これも2駅ほどで解消し、あっさりとがら空きになった。しかし、電車でGO席を確保したまま、立ち続けた。大館はそんなに遠くないと思っていたからだ。また、この路線はかなり無茶な飛ばし方をするのでちょっと見ていたかったというのもある。ただ、これで時刻表通りに走っているので、この速度が標準的なのだろう。だが、カーブやポイントへの突入速度は恐いぐらいに速い…。恐るべし奥羽本線…。
 大館駅についてもまだあたりは完全には暗くなっていなかった。昨日見かけて、目星をつけていたきりたんぽ屋がやっていなかったので、予定よりも早いが宿にチェックインして宿の人にきりたんぽ鍋を食えるところを紹介してもらうことにした。
 宿は駅から徒歩1分のまる斎というところ。今度は地図が合っていてちゃんと徒歩1分だった(笑)
 税込み4.6kと宿代も安い。ま、宿は値段並と行った感じだが、どちらかというとコストパフォーマンスはよいほうだろう。
 おばちゃんに店を尋ねると、店に営業の確認までしてくれた。感謝。
 きりたんぽを喰わしてくれる店は、なんと昨日行った温泉のすぐそばらしい。三朝庵という店でなかなか立派な店だ。食い物はちょっと高いような気がしたが、ちょっとだけなので旅先ということを考えて気にしない。きりたんぽ鍋はひとり2k。混んでいてなかなか対応してもらえなかったのだが、意外とちゃんと客を見ていることを知ることができた。というのも、鍋を自分たちで煮ることにし、ガスコンロと材料をもらって、店の人に煮る順番を指示されていたのだが、ある程度に得たところで勝手にネギを放り込んだところ、離れたカウンターから「まだネギ入れないで!」と起こられたのだ(笑) いやー、さすがプロだね(笑)  きりたんぽ鍋はなかなかおいしく、ちょっと量が多いぐらいで、ま、ちょうどいいだろう。隣の席に座った人の話が耳に入ったのだが、この店はいちばんのおすすめらしい。
 帰り、駅へのショートカットに使えそうな道を試してみると、まだ工事中で、線路には踏切ができていなかった。いい気分だったので左右を確認後わたってしまい、駅へのショートカットであることは照明できたのだが、よい子は線路を横切っては行けないぞ。約束だ。道が完成すれば結構駅から近くなって便利になるだろう。
 風邪がいまいち治らないので、今日はきりたんぽ鍋であったまった体のまま、とっとと寝ることにする。

5/7(日) 大館〜湯瀬温泉〜盛岡〜帰宅
 今日はいよいよ最終日。だが、気張ることもなく、ゆっくりと出発。なにしろ始発駅である大館駅徒歩一分なので、あわてる必要は全くなし。始発に乗るほどのこともないので0845発盛岡行きの花輪線で出発だ。
 朝ご飯は一昨日も食べたような気がするが、大館駅の駅弁「鶏めし」。なかなかこいつはうまいので問題なし。駅のコンビニでも売っているので便利。
 花輪線沿線の観光地を昨日調べたのだが、これといってめぼしい観光地が見つからなかった。というわけで、今日は目的もなくぶらぶらと列車の旅をすることにした。気が向いたら途中下車はするが、積極的に降りることはしないつもりだ。いざとなったらそのまま盛岡にいってとっとと帰ってもいい、というぐらいの気持ちで列車に乗る。
 GWだからなのか、花輪線は3両編成。いつもは2両編成だったような気がするのだが…。
 白地に赤のラインのキハ58という花輪線は、JR東日本の中では古参の車輌になるだろう。最近の汽車は軒並みキハ110系に置き換わってしまったからなぁ…。時代が変わるというのは何かを得るために、何かを失うことなんだろう、などとちょっとセンチになってみたりする(笑)
 最後尾の一番古い車輌に乗り込むと、通勤列車にみられる平行シートがなく全部ボックス席だった。シートも古いやつなので、堅くなくてなかなか座り心地がよい。

ただ、3両目はホームの短い駅では扉が開かないのが問題と言えば問題だ(^^;

 朝がゆっくりだったせいで、駅弁を食べた後でも眠くない。
 昨日、風邪が悪化しつつあったためにとっとと寝てしまったために、十分すぎる睡眠時間を得ることができたためかもしれない。ま、早く寝たために朝5時半ごろに目を覚ますはめになったのだが…(^^;
 花輪線は山と山の間のわずかな平地の真ん中をずい〜っと進んでいく。自然の中というよりは、懐かしい田舎の風景が続く。自然の中を行くj磐越西線とはまた違った趣で、古き良き時代の日本という感じの風景も悪くない。
 噂に聞いていたとおり、花輪線の駅にはいろいろな花が植えられており、春を謳歌していた。特に水仙の黄色い花が桜の花と絶妙なコントラストを奏でていたのが印象的だ。
 当初の計画通り、なーんの考えもなしにぼ〜っと花輪線にのっている。車窓の風景は最初からずっと変わらず田圃と家と山。
 あっという間に十和田南まで行ってしまい、ここで列車はスイッチバックを行うため、進行方向が逆転する。すなわち、今3両目のこの車輌が1両目となり、小さな無人駅でも扉が開くようになるのだ。
 そろそろ途中下車してみよっかなー、という考えが浮かんでくる。
 十和田南は前述のようにスイッチバックするため、駅名を表示している看板の次の駅名が表と裏で異なっているのがおもしろい。
 停車している時間もそこそこに、十和田南を出発していく花輪線。本数の少ない割にはダイヤに余裕がないのね…(^^;
 時刻表を取り出し、次の列車の時刻と、途中下車しておもしろそうな駅を物色する。この次は昼頃に快速列車があり、そしてその次はなんと15時台まで列車がない!

…五能線よりすくねーんじゃねーのか?(^^;

 つまり、快速の止まらない駅に降りてしまうと、5時間ほど待ちぼうけを食らうということになる。さすがのオレもそれはちょっと勘弁だ(^^;
 快速の止まる八幡平か、快速の止まらない小屋の畑か、はたまた田山か…。結局選択した根拠がないので決めかねたまま列車が進んでいく。
 と、流れていく風景が田舎のそれから渓谷のそれへと変わる。お、なかなかいいな、ここに駅があるなら途中下車するぞ☆
 そう思って身構えていると突然ビル群が現れて渓谷の風景を台無しにしてくれた。なんじゃこりゃ〜!と思ったら、ここが湯瀬温泉。
 一瞬途中下車するぜ、という気分が吹き飛んだのだが、駅に入線する際に見えた「湯瀬渓谷まで徒歩15分」という看板で気持ちは決まった。

ここで降りるぞ!

 一言言い放って湯瀬温泉で下車。うーむ、行き当たりばったり(笑)
 風邪を引いている手前、今日は温泉に入らないつもりだったのだが、結局降りてしまった。
 コインロッカーが見あたらなかったので、すべての荷物を持ったまま、看板に従って渓谷へと向かう。ここでもみちのくの看板を信じてはいけないという法則に則り、疑いつつ進んでいく。が、今回だけは結構合っていて、いや、結局あまり合っていないのかもしれないが意外と近くに渓谷の入口を発見することができた。
 この入り口でウグイスの声が聞こえたのだが、みょ〜にエコーのかかった鳴き声だ。最初、それほど山が深いのかと思ったのだが、まだここは町中だ。んなわけはない。しばらく考えた後、橋の欄干の中で声がするからエコーがかかったように聞こえるのだと判断。…した途端、

欄干に取り付けられたスピーカーからウグイスの鳴き声が…(^^;

 みちのくではいろいろなだましがあるので注意だ(^^;
 重装備のまま渓谷のハイキングコースを進軍する。晴れ男が二人いるおかげで、今日もすこぶる晴天となってしまい、暑い。が、雨よりはずっといいので、ここでは文句を言わないことにする。救いだったのは川沿いは涼やかな風が吹いており、木陰にはいると快適なことだ。
 12時台に快速が来るが、これに間に合わなくてもいいや、というぐらいの気持ちで渓谷を奥へとわけいいって行く。地図によると、隣の駅ぐらいまで遊歩道が続いているようだ。一応半分ぐらいのところで引き返して来るつもりだが、いざとなったら快速列車を捨てて、ひとつ前の駅から次の次の普通列車で盛岡へ…なーんて作戦もありだと思っていた。
 湯瀬の山には山桜が咲いており、運のいいことにこれらはほぼ満開。人の手の入っていない山にはいろいろな木が生えており、それぞれの新緑の色で山を染めていた。杉しか生えていない東京の山とは美しさが違う♪
 この景色を見て、今日はもう他の駅に降りなくていいな、と思った。
 ハイキングコースは吊り橋あり、休憩所あり、トイレありと、至れり尽くせりだ。しかし、看板だけは嘘臭い。さすがみちのく(^^; 看板に名所の説明が書いてあるにもかかわらず、名所らしきものはなく、徒歩3分とという文字列と、近くにあるはしご。これを登って3分歩けという意味だと思うのだが、はしごの先には道らしきものは見あたらないのだ。うーむ、とりあえず信用して進むとまた馬鹿を見そうなので無視する。俺達もみちのくがわかってきたな(笑)
 次の看板には徒歩5分と書いてありながら、看板に説明されている名所は目の前にあったりする。…やはり信用してはいかんな。
 当初の目的地である獅子淵に到着。こいつがものすごいところで、滝ではないのだが、岩によって水が沈み込んでいたりあちらでは吹き出していたりと複雑なうねりを見せている。そしてその流れの速いこと! 耳には水の音しか聞こえない。歩いてきた体に冷たい空気が心地よく、ひっきりなしに聞こえる水の轟音も心地いい。絶え間なく聞こえる車の音はうるさいのに、水の音だと心が安らぐとは、人間とは変わった生き物だ。
 獅子淵の岩の上から、ちょうど花輪線の鉄橋がいいアングルでそびえていた。これぞ撮影ポイントって感じだ。
 しかし、ここで次の快速の写真を撮れば、当然その快速に乗ることはできない。逆方向の列車も1140頃通過しそうなのだが、それでもそこから戻って1225の快速列車に乗るのは微妙な時間だ。
 結局、佐藤君の了解を取り付け、今日はもう他の駅に途中下車しないこととし、次の次の普通列車で盛岡に戻ることにした。これで撮影できる♪
 列車が来るのを待つのは5分だけでも異様に長く感じる。たくさん待っても列車が鉄橋を通り過ぎる時間は5秒ほど。シャッターチャンスに至っては1秒ぐらいの間しかないだろう。デジカメなので起動時間も考えると、なかなか難しいものだ。しかも水の音で、列車の近づく音が聞こえないのが痛い。
 が、案ずるより生むが安し。満足のゆく撮影ができた。(このページの最初の写真がそれ)
 撮影後、戻る途中で、別な鉄橋の上を行く花輪線を見送る。…やっぱ、この快速が到着する前には駅にたどり着けねーわな(^^;
 昨日、一昨日と列車を追いかけて走ったので、今日はもういいや。

二人で手を振って快速列車を見送った(笑)

   となると次の列車は1458。あと2時間半ほどある。
 歩いて汗もかいたことだし、ここは湯瀬温泉街だし、ということで、やっぱり温泉には行っていくことにした。ハイキングコースの入り口の近くに公衆浴場を発見。入浴料は300円なり。こっちの方はだいたい2〜4百円と温泉の相場が安いのが嬉しい☆
 ひと風呂浴びてもまだまだ時間はある。今度は昼飯をいただくことにした。温泉場のおばちゃんに飯屋を聞いてそこへ。天ぷらそばの天ぷらが出来合のかき揚げでしかも妙に脂っこく、お世辞にもうまくはなかったが、ま、こんなものだろう。
 次に向かうは酒屋さん。ここでヱビスを調達し、駅で飲むことにした。駅には桜が咲いていたので、花見としゃれ込もうというわけ♪
 ここは無人駅ではないのだが、駅にいるのはJRの職員ではなく、おそらく温泉街に雇われているパートのおばちゃん。キップの改札などは請け負っていない。さくさくとホームへ出て、椅子がないのでホームに座り込んで酒盛りを始める(笑)
 今年はずいぶんと花見をする年だ。
 昼下がり、列車の来ない静かなホームで、満開の桜と野鳥の鳴き声で飲むヱビスは格別♪ やっぱ、都会とは時間の流れが違うね。
 と、オレのつまみのさきイカに、いつのまにやらアリが群がってきていた。見ればすでに一本のさきいかがアリによって持ち出され、ホームのアスファルトの上を歩いている…(^^;
 が、アリなど都会ではほとんど見られないので、面白がってつぎつぎにアリにさきイカを持って行かせて遊ぶ。最初のでかいのは5匹がかりでゆっくりと運ばれていく。小さいのだと1匹だけでも結構な速度で持ち去られていく。また、巣が違うアリも来ており、線路を超えていくものもいる。なかなかレールを超えられないので、見ているこっちが手に汗握ってしまった(笑) 一番でかいイカは結局巣までたどり着くのを見届けることができなかった。
 こうしてのんびりとしすぎた午後を過ごし、ようやくやってきた普通列車で盛岡へ。
 盛岡へ向かう車内ではハイキングの疲れとビールのおかげでぐっすり寝込んでしまった。これはこれで有意義な旅だ。
 盛岡着1635。一駅しか降りなかったので予定よりも早い到着だ。盛岡に特に用もなかったので、土産を買っただけですぐさま新幹線ホームへ。GWで臨時列車がたくさん増発されており、下りホームからも上野行きなどという変わったやまびこが出ていた。
 そのなかでチョイスしたのは上野行きのMAXやまびこ82号。8両編成ということで、E4系のMAXだ。MAXなら混んでいるときでも発駅ならばかなりの確率で座ることができる。ホームにあがるとちょうど入線してきたところで、列の長さから行っても楽勝で座れる感じだ。
 かくして、1715発という予定よりもかなり早い時間の新幹線で帰宅することとなった。
 ところでこのE4系MAX、カモノハシやアヒルに似ているので、

マックスをもじってダックスやまびこと呼ぶことにした(笑)

 もし気に入ってもらえたのなら、さりげなく使って広めてもらいたい(笑)
 駅のキヨスクにヱビスが売っていなかったので、いったん下まで降りてヱビスを調達、また駅弁もGETする。オレは鮭はらこめし。佐藤君はわっぱ飯を選択した。
 家に着くまでが遠足なのだが、ビールを飲んでしまえば帰巣本能で家までは自動運転でいつのまにか戻っているものなので、乾杯した時点で今回の旅、いや、今回のは旅と言うよりも旅行だったが、とにかく、みちのく二人旅は無事終了。
 やっぱ二人だと、夕ご飯を店に食べに行くことができるので名物が食べられてよい♪ 一人旅じゃない旅もたまにはいいかも。

 あ〜、それはそうと、ダックスやまびこは停車しすぎ〜(^^; こまちに2回も抜かれた〜!ちぇっ(^^;
 ま、小山に止まらないのだけが救い(ぉ