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2012.01.05(Thu)

■たぶん最長■

 4日から雪になった。幸い大雪にはならず、道路も鉄道も麻痺することはなかったが、この雪の中を運転したくはない。帰ってきてよかった。
 昨日は遅ればせながら寝正月を堪能し、今日が今年初めての定点撮影。
 山口線のスーパーおきは4両で激レアだが、山陰線のスーパーまつかぜは最長でこのように5両となる。

ベランダにて
K-5 + FA 43mm F1.9 Limited
43mm 1/400sec F5.0 ISO 500
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■定点撮影■

 筆者は休みを撮っているが、世間はもう仕事が始まっているので、定点撮影している列車は5両編成。年が開けても先頭車両は相変わらずの141号機。

ベランダにて
K-5 + FA 43mm F1.9 Limited
43mm 1/400sec F5.0 ISO 640
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

2012.01.03(Tue)

■最終日■

 正月休みは5日までとってあるのだが、明日から鳥取は大雪の予報が出ていた。去年、年末年始に大雪が降って9号線が麻痺したことは記憶に新しい。そんなことになると大変だ。そして山口線も今日から天気が崩れる。雪のリスクを負ってまで雨の中撮影しても仕方ないので、今日で撮影を切り上げて帰ることにした。
 今日もSLは運行されているが、前回来た時に津和野以北の撮影をほとんどしなかったので、SLはあきらめて今回はこちらをロケハンをしてみる。そもそも山口線を益田まで北上することは帰り道と一致する。
 前回の続きということで青野山駅まで進み、鉄橋を探す。筆者的には鉄橋は撮影ポイントとほぼ同意語だ。
 まだ日が登っておらず真っ暗な中、無理矢理列車を撮影。撮影条件を見るとどれだけ暗かったかがわかる。これでも2番列車だ。キハ40。

日原-青野山にて
K-5 + FA31mm F1.8AL Limited
31mm 1/10sec F1.8 ISO 6400
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■立派な鉄橋■

 さらに進むと長い鉄橋があった。山口線随一の鉄橋。津和野よりも北は南側とは打って変わって川沿いの山間部を行く。大糸線や三江線のような筆者好みの路線といえる。ここをSLが走らないのはとても残念だ。
 時間がたっても一向に明るくならず、雨まで降ってきた。タラコ色のキハ40。

日原-青原にて
K-5 + FA31mm F1.8AL Limited
31mm 1/160sec F4.5 ISO 1600
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■ちょっ!? 2両!■

 ススキなのかヨシなのかわからないが、背の高い草が茂っていて河原に降りるのに一苦労。さらに雨で濡れていたのでかなり濡れてしまった。列車の時間が迫っていたので、31mmをつけたままのカメラだけを持って下りたのだが、やってきたのは2両編成のキハ47! ちょっ!? 入らないよ!? 頭の中で泣き言を言いながら、いや、最初の「ちょ!?」は声に出てたかもしれないが、とにかく列車を追いながらシャッターを切る。なんとか入ったが、せっかくの広島色、もう少しちゃんと撮りたかった。

青原-日原にて
K-5 + FA31mm F1.8AL Limited
31mm 1/400sec F5.0 ISO 800
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)
 同じ列車の後撃ち。このアングルが正解だろう。

青原-日原にて
K-5 + FA31mm F1.8AL Limited
31mm 1/400sec F5.0 ISO 800
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■お願い水鏡■

 ロケハンしながら石見横田駅まで行ったのだが、この鉄橋が忘れられずに戻ってきてしまった。晴れた時に順光となる南側からのアングルを探す。今日は雨だが、次来た時のためだ。ぐるぐると周囲を回ること2周、コンクリ製の法面を川まで降りられる場所を発見。行ってみると山が川面に写って幻想的な情景があった。
 しかし、列車通過時には雨が激しくなり、水鏡は消えてしまった。なんとか水鏡を撮りたいと思い、今日はもうこのポイントで粘るという決断をした。このキハ40の時は雨は降っていたが何故か日が差した。

日原-青原にて
K-5 + FA31mm F1.8AL Limited
31mm 1/400sec F5.0 ISO 500
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)
 ついに水鏡をゲット。ちなみに3時間経過している(笑)
 上の写真と同じレンズで撮ってトリミングしている。構図は青空が出ることを想定しているのだが、さすがにそこまでは望み過ぎということか。写真を撮る時、想定している最高の条件に合わせて構図や撮影条件を決めることにしている。曇ると思って待っていると、万が一晴れた時に最高の絵を逃してしまい、非常に悔いが残るからだ。晴れの方に賭けて「当たれば儲けもの」と思っていたほうがいい。今回の賭け、青空については外れたが、水鏡は粘り勝ち。天気はどんどん下り坂だったので、気分よく撤収を決めた。岡見貨物はこの鉄橋を通るので、ぜひ撮りに来たい。

日原-青原にて
K-5 + FA31mm F1.8AL Limited
31mm 1/400sec F5.0 ISO 640
JPEG(SilkypixDSP 5.0 -1/2EV,コントラスト,トリミング,リサイズ,アンシャープマスク)

■また来るよ山口線■

 最後に益田の手前で1枚。益田まで1km程度しかないのに、このあたりは里山風景だった。
 これで山口線を撮り納め、鳥取に向かって9号線をひた走った。翌日、鳥取は大雪になり、早めに帰路についた判断が正しかったことが証明された。
 前回と今回でようやく山口線を一回りでき、幾つかお気に入りのポイントも見つけた。次はもっと日の長い季節に来てみたいと思う。美祢線もね!

益田−本俣賀にて
K-5 + DA 70mm F2.4 Limited
70mm 1/800sec F5.0 ISO 800
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

2012.01.02(Mon)

■雪景色■

 寒くて目が覚める。窓の外を見たらうっすらと雪化粧していた。夜、なにやら雨が降っていた気配があったのだが、未明に雪に変わったのだろう。山口線沿線は平らな水田地帯が多く、稲のないこの季節は撮影意欲がわかないのだが、雪景色となれば話は別。いそいそと支度をして撮影に出発。昨日のロケハンでは「なんにもないなー」と軽くスルーした田園地帯に立ち、列車を待つ。
 しんと静まり返った山裾の集落に踏切の音が響き、キハ40の単行がコトコトと遠慮がちなジョイント音を立てて走り抜けていく。

船平山-徳佐にて
K-5 + DA★60-250mmF4ED [IF] SDM
88mm 1/160sec F4.0 ISO 1600
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)
 昭和のまま時が止まっているような景色。変わること、変わらないこと、それぞれに価値がある。
 今日は晴れ間も出そうだ。

船平山-徳佐にて
K-5 + DA★60-250mmF4ED [IF] SDM
88mm 1/160sec F4.0 ISO 1600
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■冬の天気■

 晴れるなら、昨日一番最初に撮影した徳佐−船平山のポイントがいいかな、と移動してみると雪が降ってきた(^^;
 狙ったショットではないが、なんかいい雰囲気になったので載せてみる。キハ40の2072号機。これもピカピカだった。

徳佐−船平山にて
K-5 + DA 70mm F2.4 Limited
70mm 1/320sec F5.0 ISO 800
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■よしっ!■

 雪や雨がぱらつくが晴れ間もある、そんな天気。気温が高かったので雪は昼には消えてなくなってしまいそう。なので予定を変更して渡川駅を見下ろせる俯瞰ポイントへ移動。前回の山口線訪問時に行けなかったポイントで、ここでの撮影が今回のメインミッションのひとつ。午後に順光になるポイントなのだが、雪が溶ける前に1枚押さえておきたい。
 雨が降っているのに日も出ているという不安定な空の下、広島色のキハ47という待ち望んだ編成がやってきた。予定を変更した自分と、よい編成に恵まれた運に感謝。今回の旅で一番のお気に入り写真。

渡川-長門峡にて
K-5 + DA★60-250mmF4ED [IF] SDM
153mm 1/400sec F5.6 ISO 400
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■青空■

 真っ黒な雲の隙間に青空が見える。典型的な日本海側の天気。狙っているのとは逆方向の列車で、なんとなく撮った写真だが、青空をバックに鉄橋を渡る単行という筆者の属性が揃った。
 ちなみに狙った列車は曇天という結果に。…ま、よくあることです。

鍋倉−地福にて
K-5 + FA31mm F1.8AL Limited
31mm 1/1000sec F5.0 ISO 320
JPEG(SilkypixDSP 5.0 -1EV,リサイズ,アンシャープマスク)

■SLは別物■

 昨日はSLの待ち時間を長く取りすぎてキハを自由に撮影出来なかったので、今日はその反省からキハメインで立ち回り、SLはキハの撮影ポイントで撮るのもやむ無しという構えで臨んだ。先程は曇ってしまったポイントで、そのままSLを撮ることに。一旦トイレのために道の駅へ行って帰ってくると、誰も居なかったポイントにたくさんの人が集まっていた。
 すぐそこにある地福駅がSLの停車駅になっており、ここはちゃんと煙が上がるポイントだったようだ。昨日に続いて適当に選んだポイントがSLの有名撮影ポイントだったというオチ。今度はちゃんと晴れてくれて、ピンポイントでお気に入りのC56のテンダー車の斜めの白線が存在感を増した。
 もう雪は溶けてしまったが、さっきまで背景の山が白く染まっていて、青空とのコントラストが綺麗だった。普通列車はそれを背景に撮りたかったんだが、SLだと煙のせいであまりバックが生きない。ちゃんと煙も考慮して構図を考えないといけないようだ。

地福-鍋倉にて
K-5 + FA31mm F1.8AL Limited
31mm 1/1000sec F5.6 ISO 320
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■SLより激レア?■

 SL山口号の撮影ポイントでもっとも有名なポイントのひとつがこの通称「白井の里」。ここで撮影された作例はいくらでも見つけることができる。が、筆者の目的はキハ187のスーパーおき。ここでは3両編成ぐらいがちょうどいいので、増結されたスーパーおきが綺麗に収まると読んだ。SLまで時間があるので人がおらず、有名撮影ポイントを独り占めしてスーパーおきを撮影。すると、なんと4両編成! 最大で3両と聞いていたのだが、これは嬉しい誤算。3両構図で構えていたのだが、4両目もそれなりに収まった。
 増結方法も通常の2両編成(前後)x2ではなく、前前+後後という変則編成。3両編成+1と言ったらいいだろうか。これ以外に4両編成を見かけなかったので、回送の都合で1両多かったのかもしれない。
 なにげに今回の一番のお宝画像。

津和野-船平山にて
K-5 + DA★60-250mmF4ED [IF] SDM
108mm 1/500sec F5.6 ISO 1250
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■待ち時間に初詣■

 撮影ポイントから雰囲気のよさそうな神社が見えたので、撮影の合間に初詣。無事故と好天を願った。

津和野-船平山にて
K-5 + DA★60-250mmF4ED [IF] SDM
118mm 1/320sec F5.6 ISO 1000
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■超タラコ色■

 有名なアングルから線路に近づくと、プチ俯瞰できるポイントがあった。定番アングルを一度撮ってみたかったので、今回は普通列車だけ撮影したが、SLメインで撮るのによさそうなアングルだ。
 このキハ40の2071号機は、全検から出てきた直後らしく、どぎつい程のタラコ色だった。タラコと言うより辛子明太子だ。
 9月に来た時にはこの時間のキハが3両編成だったので2両編成を期待していたのだが単行だった。

津和野-船平山にて
K-5 + DA★60-250mmF4ED [IF] SDM
75mm 1/400sec F5.0 ISO 1250
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■キハ47■

 定番ポイントへ戻って、SL直前の逆方向の列車を撮影。さっき望んで叶わなかった広島色の2両編成(キハ47)だった。後撃ちとなるが押さえた。
 このポイントは晴れると奥のカーブが陰ってしまうようだ。夏ならば大丈夫だろうが、この季節、ここで長編成は狙えないか。

船平山-津和野にて
K-5 + DA★60-250mmF4ED [IF] SDM
118mm 1/400sec F5.6 ISO 1250
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■定番■

 変に日が出て斑になっても嫌だなと思っていたら、ちょうどいい薄日の時にSLがやってきた。このポイントでは煙が奥のカーブに沿って上がるので、カーブが写ってなくてもカーブが演出できる。車体も鈍く輝き、まあまあ満足。SLは明日も運転されるが、これで満足して撮り納めとした。長編性のC57よりも短編成のC56のほうが筆者好みだ。やっぱりローカル線属性なんだな。

津和野-船平山にて
K-5 + DA★60-250mmF4ED [IF] SDM
108mm 1/400sec F5.6 ISO 400
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

2012.01.01(Sun)

■あけましておめでとうございます■

 道の駅「津和野温泉なごみの里」で年を越した。寒いのでとっとと寝袋に入って就寝したのだが、年が変わる15分前に目覚ましで起床し、カップ麺を年越しそば、残ったスープに持ちを投入して雑煮の代わりとした。
 年賀状メールを一通りやり取りした後に再び眠りについた。足が冷たくて目が覚めたが、起きてみると冷え込みはそれほどでもなく、気温は4℃。
 SLは長門峡の鉄橋で撮ることにしているため、津和野からロケハンしながら長門峡を目指す。まずはSLの撮影地として有名な徳佐-船平山駅間を散策。天気は今ひとつで、ようやく明るくなってきた2番列車を撮影。キハ40の2042号機。

徳佐−船平山にて
K-5 + DA 70mm F2.4 Limited
70mm 1/400sec F4.0 ISO 1250
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■SLはどうやって撮るべきか■

 船平山駅から津和野へ、線路は国道9号から離れて峠をトンネルで抜ける。そのトンネルから出てすぐのカーブで上り列車を狙った。
 単行や短い2両編成はあまりカーブで撮影しないのだが、今回、SLをアップで撮りたいと考えていたので、それを頭にいれながらのロケハン。もっともこのポイントでは下り坂のため、SLが煙を上げることはないだろう。SL撮影では煙が出ていない写真は「スカ」と言って敬遠されるため、ここはSL撮影には向かない。

津和野−船平山にて
K-5 + DA 70mm F2.4 Limited
70mm 1/500sec F5.0 ISO 800
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■おき連発■

 年末年始でスーパーおきは増結されて3両編成となっている。反対方向のスーパーおきを撮ろうと三脚を構えていたら、不意に踏切が鳴って逆方向のスーパーおきがやってきた。望遠レンズは三脚に据えたまま、カメラだけ外して別のレンズを装着して慌てて撮影。手前に桜並木があったので流し撮りをする。桜の季節に撮ったらよいかもしれない。このシャッター速度だとLED幕の表示がちゃんと写る。

渡川駅付近にて
K-5 + DA18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR
60mm 1/60sec F8.0 ISO 250
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)
 こちらが三脚を立てて狙っていた写真。山口線沿線には水田地帯が広がっていて、民家の多くは赤い石州瓦となっている。これは代表的な沿線の風景だ。電柱が木製なのもいい。
 山にかかるモヤがいい雰囲気を出していて、天気が悪くてもいい事もあると思う今日この頃。

渡川駅付近にて
K-5 + DA★60-250mmF4ED [IF] SDM
80mm 1/400sec F5.0 ISO 400
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■キハ更新中■

 山口線ではキハ40と47がまだ現役で走っている。全検明けの機体を多く見かけるため、新型が導入される雰囲気はない。しかし、地方色を廃止して統一色に塗り替える作業が進んでおり、この機体もピッカピカのタラコ色に塗り替えられていた。キハ40の2075号機。
 SLの一本前の列車で構図を確認。今日のSL津和野稲成号はC56+12系客車2両なので、この構図で編成は入るはずだ。昨日のテストショットよりも長い43mmに変更。この時点で晴れを期待するのは諦めている…。

長門峡-渡川にて
K-5 + FA 43mm F1.9 Limited
43mm 1/200sec F5.0 ISO 160
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■SL津和野稲成号■

 SL撮影では煙が重要な要素となるのだが、煙の状態は気温や湿度、風向きなどによって様々に変化し、なかなか読むことができない。今回も列車に対して追い風が吹いており、煙がこちらに流れてしまうのではないかと危惧された。
 が、列車通過時は一時的に風が弱まり、煙が客車にかぶることなく、量もそこそこ噴いてくれた。編成も無事に収まり、曇り空ではあるがまあまあの1枚。この鉄橋は橋桁がレトロなレンガ造りで、欄干も向こう側にあるので気に入っている。

長門峡-渡川にて
K-5 + FA 43mm F1.9 Limited
43mm 1/400sec F5.0 ISO 800
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■変な構図■

 SL撮影には多くの人が集まる。元旦だというのに人出はそこそこあり、1時間前ぐらいには撮影場所を確保しておきたい。普段ローカル線を撮影している時には同業者と相席することはほとんど無いので、好きな構図で好きなように撮れるが、多くの人が集まっているとそうは行かない。これが結構なストレスなので、あまり人が多い撮影地は好きではない。
 そのストレスを発散というわけではないのだが、続行のキハを長門峡駅近くの小さな鉄橋で待ち構えた。たまたま見つけた鉄橋だったが、いい雰囲気の鉄橋だったので、広角で無理矢理撮ってみた。やっぱり自分は変な構図が好きなんだと再認識。キハ40の2070号機。待望の広島色。この機体もほどなくタラコ色に塗り替えられてしまうだろう。

篠目-長門峡にて
K-5 + DA 21mm F3.2AL Limited
21mm 1/1000sec F4.0 ISO 800
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■キハ単行の心■

 引き続き山口方面へ向けてロケハンをしていると、線路伝いに走るうちに地図にない小さな林道に迷い込んでしまった。行き止まりの雰囲気が濃厚な悪路で、これはやってしまったかと思いながら、それもいつものことなので行けるところまで行って見ることに。すると、突然スペースが広がったところに数台の車が停まっていた。どうやら図らずとも割りと有名な撮影ポイントにたどり着いてしまったようだ。先ほど長門峡でお隣になったじっちゃんがいたので、ここでもご一緒することに。SLまでまだまだ時間があるが、同しようもない曇天だったので、今日はもうのんびりとSLを待つことにする。
 他の人はSLだけをターゲットにしているので、待ち時間は車内で休んでいるのだが、筆者はキハが来るたびに線路際へ行って撮影。キハ40の広島色を撮影してホクホク顔で車へ戻る途中、「キハ40の何がよいのかさっぱりわからん」と不思議顔で言われた。そう言われてみると、なんでキハ52やら40やら120やらの両運転台の気動車が好きなのか、自分でもよくわからない。SLのように煙が出るわけでもなく、見た目もただの四角形でカッコイイわけでもない。でも筆者が普段撮る構図を考えたら、何が好きなのかがわかった。車両そのものが好きなのではなく、キハが単行で走るローカル線の風景が好きなのだ。車両メインの写真も撮るが、その場合は大抵が鉄橋の上。これは鉄橋が好きなんだな(笑)

長門峡-篠目にて
K-5 + DA★60-250mmF4ED [IF] SDM
180mm 1/400sec F5.0 ISO 320
JPEG(SilkypixDSP 5.0 リサイズ,アンシャープマスク)

■C56 160号機■

 ポイントに三脚を立ててから5時間、満を持してSLが通過。SLの復路は時間的に露出がかなり厳しい。だが、曇天で途中雨が降ったりもしたが、ぎりぎり撮影可能な露出が残ってくれた。
 SLが大量の煙を上げながら峠を登ってくる。煙が出すぎてまったく構図に収まらない。まるで生き物のようにもくもくと、まるで液体のように吹き上がる煙。これほどの煙を見たのは初めてで、ちょっと感動した。なるほど、SL撮影者がいつも煙について熱く語っているのはこれのことか。
 写真の方はまったくその迫力を伝えられないイマイチなものだったが、SLの魅力がちょっとわかったような気がした。
 …でも、人が多いのは苦手だな(^^;

長門峡-篠目にて
K-5 + DA★60-250mmF4ED [IF] SDM
200mm 1/250sec F5.0 ISO 1250
JPEG(SilkypixDSP +1.5EV,トリミング,5.0 リサイズ,アンシャープマスク)